【インタビュー】アレキサンダー・ワンが語る「常識を覆す」コラボ誕生の秘話

 象徴的な3本線やロゴマークを"破壊"し、世界の主要都市にゲリラ的に出現したトラックで販売するなど、あらゆる常識を破り注目を集めたコラボレーションコレクション「adidas Originals by Alexander Wang」の第2弾が発表された。コレクションの着想源は、昨今ファッション界で問題視されている「転売カルチャー」。デザイナー アレキサンダー・ワン(Alexander Wang)がコレクションのテーマに掲げる「ファッションとストリートウェアの境界線の破壊」の真意とは。

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Q:コレクションについて。アディダスのロゴを反転させた理由は?

アレキサンダー・ワン(以下、A):デザインからコミュニケーションに至るまで「ブランドの従来の姿をひっくり返す」という発想から今回のコレクションを構成したんだ。アイコックなブランドのヘリテージを取り入れつつ、一般的に認知されているロゴやブランディングのルール、伝統といったもの覆すことがエキサイティングかつ破壊的なアプローチだと思い、コレクションを通して表現している。

 世界で最も知られているシンボルの一つでもあるトレフォイル(三つ葉)をシンプルに上下逆さまにすることは、このコラボそのものを物語っている。逆さまのトレフォイルはコレクションのテーマでもある「破壊」を微かに主張するもので、アイテムの至るところに登場しているよ。


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Q:自身のブランドに共通することとは?

A:このコレクションは、そこまでシリアスにならないまでも「アディダスのアイコニックとはなんなのか」ということについて考えているんだ。今日の飽和したマーケットでは、オリジナルで、ワクワクする気持ちを加速させるものかつ、社会的な概念を打ち破るようなアイデアは必要不可欠なこと。尊敬の念を持ちつつも、従来の慣例にチャレンジするようなアイデアやコンセプトを考えることは楽しいし、自分のブランドでも実践している。そういった点で、このコラボは「アレキサンダー ワン」との共通点を多く示していると思う。

Q:コラボ実現に至るまでの経緯は?

A:2015年9月に行われたショーを見に来ていた「アディダスオリジナルス」デザインヘッドのニック・ギャルウェイからオファーがあり実現した。僕はスニーカーとともに育ち、アディダスの1ファンとして生きてきたからこのコラボは夢のような出来事だったよ。言うまでもなく僕らは馬が合い、この素晴らしいパートナーシップが生まれたんだ。

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昨年9月に行われた2017年春夏コレクションのショー。NMDなどのアディダスオリジナルスの人気シューズを手掛けたニック・ギャルウェイとアレキサンダー・ワン。

Q:DROP1はショー直後に、しかもポップアップトラックというユニークな方法での販売だった。アイデアはどこから?

A:トラックの裏でコレクションを販売するというアイデアは「転売カルチャー」から発想を得ている。なんだかよくわからないものを露店で売っているニューヨークのキャナル・ストリートからインスパイアされたんだ。転売カルチャーやユースカルチャー、人が「何が本物で偽物か」をどう捉えるのか、についてとても興味があって、トラックでの販売はまさしく「オリジナルVS偽物」「ラグジュアリーVSマス」のアイデアをちょっとひねりを効かせて表現した方法だった。

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昨年9月にNYで行われたポップアップトラックでの販売の様子。Photo Credit:Ryan Parrilla @novess


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マドンナの息子 ロッコ・リッチーを起用し、ユルゲン・テラーが撮影を担当した第2弾のキャンペーンビジュアル


Q:スポーツ×ファッションの潮流について

A:一般の人たちがどのようにアスレチックの要素を毎日の服に取り入れているかを見ていると、スポーツウエアにとってとても興味深い時期に差し掛かっていると思う。数十年前にはこの分野の服は機能面に偏っていて、ストリートで着られる服としてデザインされてこなかった。今回、僕たちがコレクションで表現したかったことは、ジムに行くような格好とまではいかないまでも、スポーツやアスレティシズムに根付いたアイテムだったんだ。

■ adidas Originals by Alexander Wang
販売店舗:ドーバー ストリート マーケット ギンザ、アディダスオリジナルスの限定店舗、アレキサンダー ワン直営店、伊勢丹新宿店2階アレキサンダー ワン販売フロア
公式サイト