【インタビュー】せーの代表 石川涼「ファッションは終わり、感動するものだけが残る」

■ファッションに未来はあるか

ー昨年はタイに現地法人を設立した。

 日本は色々な意味で仕組みが複雑過ぎるし、もう新しいものが生まれる環境じゃない。でも、自由度が高くて若者のカルチャーが育ってきているけどECなどがまだ充分に発達していない東南アジアはチャンスが残っている。「VANQUISH」が武器になるなら、今のうちにどんどん売っていこうと思ってタイに会社を作りました。それから、現地でファッションに興味をもった若者がいちばん見ているメディアを買収したので、これにECを組み合わせて売っていく計画です。


ー日本のファッション業界の今後についてどう考える。

 僕は、ファッションやアパレルはこれから終わっていくと思っています。残るのは「感動ビジネス」。ファッション業界は今すでに衰退していて、ゼロにはならなくてもいずれ稼げる産業ではなくなります。ファッションがコミュニケーションツールではなくなってしまったんですよね。昔は情報を知らないのが当たり前で、服自体が話のネタになったけど、今は違う。誰かに会う時も、先にネットでリサーチできてしまうし、ネットの中でどれだけ表現をうまくできるかの方が、その人を判断する上でプライオリティが高くなりつつある。おしゃれかどうかは昔ほど重要じゃなくて、清潔感さえあればいいかもしれないし、ブランドがいらない社会になっていくんじゃないかとも考えています。


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ーファッション業界に入りたいという若者も減っている。

 もっと楽しいものがたくさんあるし、ファッション業界には夢がないんだと思う。今の10代って物心ついたときからネット環境があるから、何の違和感もなくいろんなことを吸収して、何が新しくて面白いかの感覚を身に付けている。そうなると、雑誌よりも友達のコミュニティの話題の方がリアルなんだと思います。広告主導の媒体やビジネスは必要とされなくなりますよね。


ーアパレル企業の社長の言葉としてはずいぶん厳しい。

 これはすごく重要だと思っています。この業界の行末を覚悟した上で新しいビジネスを考えていくのと、「まだいける。ファッション業界が死ぬなんてありえない」って信じながら仕事しているのとでは、この先に雲泥の差が出てくるんじゃないですか。


ーこれから必要とされる「感動ビジネス」とは。

 瞬間的に「かわいい」「かっこいい」「面白い」というもの。「gonoturn」もそのひとつで、そういった感覚は言語が必要ないですよね。ウェブは世界中全部つながっているし、そういうビジネスに寄っていった方がいい。僕らはこれから、感動を売っていきたいと思っています。


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