家電蒐集家の松崎順一がナビゲートする「大ラジカセ展」に行ってみた

 ラジオとテープレコーダーが一体化した日本生まれの家電製品「ラジカセ」にフィーチャーした展覧会「日本発 アナログ合体家電 大ラジカセ展」が、池袋パルコ本館7階のパルコミュージアムでスタートしました。家電蒐集家の松崎順一さんが"工場長"としてナビゲートを務め、ラジカセデザインをはじめ、カセットテープやラジオの魅力や背景にあるカルチャーが紹介されています。今回は、展覧会の内部を工場長に解説してもらったプレスプレビューの様子をレポートします。

入口では、日本初のラジカセとして1968年に誕生したアイワの「TPR-101」が出迎えてくれました。

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松崎工場長の5,000点にも及ぶラジカセコレクションから選りすぐったラジカセ100点以上を展示。「スタンダード」「カジュアル」「チープ&キュート」「バブルラジカセ」「多機能」「ビッグスケール」のカテゴリ別で紹介しています。

スタンダード

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ラジカセはモノラルからステレオ、そしてミニコンポまで様々な変化を遂げてきましたが、当時開発された国産ラジカセのパネルデザインは後のラジカセデザインにも生かされています。スタンダードでは、そんなラジカセの基本デザインの中にある独特の魅力のある製品を紹介。70年代の物が多数そろっています。

当時のラジカセは男性に向けて発売されていたため、色も黒やグレーなどのダーク色が主流だったそう。シングルデッキが多いですね。

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この展覧会のために松崎工場長がセレクトしたアイテムも展示されています。

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ウォークマンの愛用品も一挙公開。

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カジュアル

ファッションが台頭した80年代は「スタンダード」で紹介したラジカセとは一転し、若い女性をターゲットにしたカラフルなデザインが登場。実際は大型機の性能をコンパクトにした物が多く、家電好きの男性にもヒットしたのだとか。

dairajikaseten_start_20161208_005.jpg「おしゃれなテレコU4」で知られる三洋電機のポータブルラジカセは"ファッションラジカセの元祖"。「ダブルカセットで赤色」というスタイルは当時のラジカセトレンドの象徴にもなりました。

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コマーシャルでは、外国人の女性やアイドルの起用が目立ちました。

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チープ&キュート

80年代は日本のファッション界ではDCブランドが台頭し、家電業界では海外デザイナーが起用されるなど「ポストモダン復活」の時代に。ラジカセもその余波を受け、各社からモダンデザインが登場しました。

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80年代後半に入ると、ソニー(SONY)や三洋電機からは子ども向けのデザインが登場。「子ども時代から家電に親しんでもらおう」と発売するメーカーが増え、ニーズの細分化が始まりました。

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「ターゲットが全く謎」というラジカセも。インベーダーゲームから影響を受けたのでしょうか。メーカーは松崎工場長も「未だに不明」とのこと。

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70〜80年代はマーケティングが一切行われず製品開発が行われていたため、ベーシックなデザインだけではなく、上の写真のようなすっとんだデザインや、"ラジカセもどき"のラジオが多数登場。バブル景気も相まって、メーカーやデザイナーの自由な発想が取り入れられた時代でした。

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