【連載:平成生まれの音と服】NINJASアイと三軒茶屋「トロープ」

 縦横無尽に走り回るジャンル横断型ダンスミュージックバンド「ニンジャス(NINJAS)」の紅一点、アイ(AI)は派手な衣装に身を包み個性豊かなメンバーに囲まれてパワフルに歌い上げる。ボーカリストになる前はスタイリストを目指していたという彼女の"服選びルール"とは?平成生まれ平成育ちの次世代アーティストとファッションを紐づける連載「平成生まれの音と服 vol.5」。

- まずはじめに自己紹介をお願いします。

ニンジャス(NINJAS)ボーカルのアイ(AI)です。平成元年生まれの福岡県出身です。

- SNSでは謎の中毒性があると話題です。

単純に好きなことをやっているだけなんですが、反応があるのは嬉しいです。ニンジャスの音楽はパンクでも、ニューウェーブでも、ロックでもなくて、自分たちでは踊れる音楽の総称と考えているので「ダンスミュージック」とカテゴライズしているんですけど。踊れる音楽ならジャンルは関係ないんです。

- 中毒性の理由は何だと思いますか?

ヒットチャートに載ってる音楽を聴いている人達にはきっと違和感でしかないんでしょうね。そういうものに対してのカウンターだったり、ある種"異物的"なサウンドを作っていきたいという意味で「あなたの嫌いなものが好き(I like what you don't like)」というスローガンで活動しているのが影響してるのかもしれません。アートワークとか自主企画のイベントなども、ありきたりなことはしないようにしています。音だけではなくて、バンドにまつわる全てにおいて"異物的"でありたいと思っています。

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- AIさんの音楽的なバックグラウンドを教えてください。

小さい頃からずっとダンスを習っていて、ヒップホップだったりR&Bをよく聴いていました。高校の時は福岡の親富孝通りにあるクラブ「ベース(base)」によく遊びに行っていて、そこではヒップホップはもちろん、様々なジャンルの音楽が流れいて。最初の頃はそれまで聴いてこなかった音が次々と流れてくるので違和感でしかなかったんですけど、だんだんと気持ちがよくなってきて。それをきっかけに「いろいろな音楽がある」って当たり前のことに気づけたんです。そこに通っていたのは自分の音楽観に大きな影響を与えていて、ジャンルの垣根を超える感覚はこの場所で培われたのかもしれないです。

- クラブミュージックが好きだったのに、バンドを始めたのは何がきっかけだったんですか?

もともと私はスタイリスト志望でファッションの専門学校に通うため高校卒業後に上京しました。それまではずっとクラブミュージックばっかり聴いていたんですが、19歳の時に友達に誘われてライブを観に行ったんです。「秘境祭」というフェスだったんですけど、これまでにはない衝撃を受けてバンドにどんどんはまっていきました。それから3.11が起きたタイミングでファッションを諦めようようかと考えていたら、よく通っていたライブハウスの店長が声をかけてくれてそこで働くことになったんです。これまでの環境とは違って、未知の世界すぎることが多くて毎日刺激的でした。約3年間働いて将来を考えた時に「ここを辞めたらライブハウスにはなかなか来れなくなるんだろうな。だったらもういっそ、バンドを作っちゃえばいいじゃん」と思い立って。それで好きな仲間を集めて結成したのがニンジャスなんです。

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- そうなんですね。ルーツはファッションにあったんですね。

単純かもしれないですけど漫画の「ご近所物語」に影響を受けて、初めはデザイナーになりたかったんです。でも途中でデザインするよりもスタイリングを考える方が好きだと気づいてスタイリストを目指しました。結局は違う道に行くことになったけど、今でもファッションは好きですよ。

- では、三軒茶屋「トロープ(TROOP)」との出会いは?

私三茶にずっと住んでいて、茶沢通りが大好きなんです。ふらっと歩いている時に可愛いお店だなと思って入ったのが「トロープ」でした。中に入ると、案外スケートブランドも置いていたりして、「スケートメンタル(SKATE MENTAL)とかバイ パラ(By Parra)とか置いてるじゃん、やば!」ってテンションが上がっちゃって(笑)。可愛い服もスケーターグッズも、雑貨も、本も、アーティストの作品もある。いろんなテイストのものが詰まっているセレクトに毎回来るたびに刺激を受けます。

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- ニンジャスのアートワークも手がけている赤木楠平さんの作品もあります。

そうなんです。その繋がりもあって通うきっかけになりました。楠平さんは服も作っていて、それを置いてあるのもアツいです。あとは本のセレクトもかなり私好みなんです。インディペンデントマガジンだったりジンだったり、他では見かけない本がたくさん置いてあります。

- 服選びのルールはありますか?

今日インナーに着ているのはメンズのセットアップなんですけど、メンズのものは結構好きで着ます。古着も新品も関係なくて、直感的ですけど音楽と一緒で色々なジャンルのものをあわせていくのが自分流です。いろんな要素が詰め込まれたショップに魅力を感じるし、そういうお店が好きなんだと思います。あと、友人が作ったものを取り入れるのもポイントかな(笑)。ものについて語れる人ってかっこいいなって思っていて。友人が作ったものはバッジとかキーホルダーとかちょっとしたものでも、私の中で身につける理由があるからそれについてだったら語れるじゃないですか。

-ライブではカラフルな服で出られていますよね。ステージ衣装のこだわりは?

ニンジャスは紅一点なので、私は華やかじゃないとって思って、あえて派手なものを選んでます。あとは真ん中にいるので目立ったほうがいいかなと。以前は柄の入った黒のピチピチワンピースを着てたんですけど、ライブの時に動き回るからパンツ見えちゃったりするんですよね、私は全然見えてもいいんですけど(笑)。なんだったらパンツにしようかなって思って最近はパンツが多いです。

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- 長年使い続けているアイテムはありますか?

コンバース(COVERSE)の白いオールスターですかね。何度も買い直しています。後はかーちゃんからもらったGジャンと、ばーちゃんからもらった指輪ですかね。友達の作ったものとかもそうですけど、ストーリーがあるものを身に付けたいんです。ファッションはそういうストーリーって重要なんじゃないかな。

-マイブームは?

なんだろう、グラフティアートですかね。ヒップホップが好きなんですけどダンスもそっち系だったんですけど、グラフティはあんまり見てきてなかったなと思って最近気になってます。あとアナログのDJを練習中です。

- お気に入りのレコードショップはありますか?

ディスクユニオン(diskunion)は鉄板でよく行きますね。あとは渋谷のライトハウス(Lighthouse)と高円寺のロスアプソン?(Los Apson?)かな。買うジャンルはいろいろですね。最近はディープハウス、エクスペリメンタル、ビートダウン、ワールドミュージックが好きです。あとは日本の民謡がやばいなと思っています。

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-今後の目標を教えてください。

私たちはバンドなんだけど元ネタになりたいです。自分たちの曲を誰かがリミックスしたものが世に出回ればいいなって思っています。今ちょうど何人かのアーティストの方にお願いしてリミックス集を制作しているところで、それを今年の上半期中にリリースする予定です。

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TROPE
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電話番号:03-6450-7454
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