言葉を形にする技術スタッフ

 2014年09月22日 20:00 JST

【パリ=21日19:30】森永デザイナーの服作りのプロセスの多くは、言葉から入ります。

 言葉をまずメールでスタッフに送り、言葉を受け取ったスタッフが考え、お互いに提案し、新しい服作りを探求していくという作業それらを服という形に変えていくのが、パタンナー大嶋さんの仕事です。

 大嶋さんは、「○△□」など形をテーマにコレクションを発表してきたアンリアレイジに「パタンナー心を動かされました」といいます。

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 現在、アンリアレイジの全パターンを担当。今回はショー2日前にして、上がりが思ったようにいかなかったショーピースがあり、「作り直し」という窮地に立たされました。

anrealage-01-140920_014.jpg「いつも"今回が一番やばい"と追い込まれて、それを乗り越えているんです。なので今回もなんとか仕上げます」と、冷静にパターンの引き直しにとりかかっています。

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 アトリエでは、助っ人も含めて多くのスタッフが、急ピッチでコレクションピースを仕上げています。

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【インタビュー】東京とパリの架け橋 コーディネーター大塚博美(動画)

 2014年09月22日 17:20 JST

【パリ=21日】森永デザイナーと大塚博美さんは、遠い縁のある関係です。

 森永デザイナーの叔父で編集者の森永博志さんのパートナーが、1960年代から活躍していたスタイリストの堀切ミロさん(故人)。大塚博美さんは堀切さんの最初の弟子で、森永デザイナーはその事実を、出会った後から知ったのだといいます。

 1990年代からパリコレクションに参加するブランドのコーディネーターを務めてきた大塚博美さん。「UNDERCOVER(アンダーカバー)」をはじめ、「JOHN LAWRENCE SULLIVAN(ジョン ローレンス サリバン)」や「kolor(カラー)」などを担当しています。

 パリをベースに、ブランドイメージに沿った現地のPRやセールスエージェントをマッチングしたり、アトリエの紹介から移動時の車やお弁当の手配まで、あらゆることをコーディネート。コレクションブランドだけではなく、イベントやキャンペーンなど、クライアントは多岐にわたります。



ー90年代からパリコレに関わっていますが、変わったことは?

 変わったと思うのはブロガーの出現ですね。以前はバイヤーやプレスだけの閉じられた世界でしたが、ブロガーがショーの最前列に座るようにもなりました。ショー会場の入り口のスナップも賑やかになりましたね。今もありますが、昔はもっと殺気立ったような雰囲気でしたから。

ーパリコレでは今、何が求められていると思いますか?

 ブランドによって、バイヤーさんが求めているものが違ってくるとは思いますが、特にパリの展示会ではそのコレクションの中で一番コアで凝縮されたピースからオーダーされていくんです。価格の低いものではなく、"ザ・コレクション"というようなものから手をつけていくので、クリエイターにとって面白いことなんじゃないかと思っています。

 「アンダーカバー」の最初のパリコレの時も、ハンドワークが多いコレクションだったので、たくさんチクチクと縫われたもの、一番高いものから売れていきました。

ーパリコレに挑む上で必要なことは?

 個性や自分の世界を打ち出して、服を見たときに「これは誰の服」とわかるような、その人にしか作れない服を作って、パリに持ってこられるといいと思います。良いか悪いか、売れるか売れないかは分からないですが、それを評価してくれるプレスやバイヤーが、世界にはいると思いますね。

 日本だと周りの人と同じじゃないと外れてしまうということがありますが、パリでは周りの人と違うことに拍手をもらえる。だからクリエイターたちは嬉しいと思います。

ー初めてコーディネーターを務める「アンリアレイジ」に期待することは?

 テクニックの開発から始まるなど、森永さんは少し博士のような方で、そういうアプローチの人は世界に少ないと思います。それが持ち味だと思うので、どんどん打ち出していって欲しいですね。

ーパリではどのような受け取られ方をすると思いますか?

 みなさんショーを楽しまれると思いますね。パリコレは世界中のファッションのプロが集まって真剣に仕事をする場なんですが、みな驚かせてほしいと思っているんですよ。かつての「アレキサンダー・マックイーン」や、「メゾン マルタン マルジェラ」の初期もそうでした。そういった驚きはファッションの楽しみの一つだということをプロ達はわかってるので、大いに楽しませて欲しいなと思いますね。

パリ11区VOLTAIREエリアを歩く

 2014年09月22日 15:50 JST

【パリ=21日17:00】アンリアレイジがアトリエとして使用しているスタジオは、パリ11区のVOLTAIRE(ヴォルテール)付近。少し周辺を散策してみました。

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前日まで汗ばむほどの暑さでしたが、ようやく秋らしい風が吹いています。広場にはレトロなメリーゴーランドも。

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テイクアウトのピザ屋さんは、アンリアレイジのスタッフ用のランチにも利用しています。

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 小さな公園も。

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 日曜日で休みの店が多かったものの、ひときわ賑わっていたのが「Pause Cafe(ポーズ・カフェ)」。フランス映画「猫が行方不明」の舞台になったそう。

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 あんな所にインベーダーを発見。

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 これは、バンクシー監督の映画「EXIT THROUGH THE GIFT SHOP(イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ)」にも出演していたフランス人ストリート・アーティストSpace Invaders(スペース・インベーダー)の作品です。

anrealage-09-140921_002.jpg タイル製のインベーダーで世界中を侵略する野望を持っているそう。すでにパリでは1000個以上のインベーダーが存在するようなので、またどこかで出会うかもしれませんね。

パリコレの招待状

 2014年09月22日 08:30 JST

【パリ=21日20:00】アンリアレイジからの招待状を公開。パリで初めて発表する2015年春夏コレクションのテーマは「SHADOW(邦題=光)」。

anrealage-08-140922_002.jpgアンリアレイジの招待状は、いつもそのシーズンのコレクションのヒントになっています。手がけたのはNO DESIGN。

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今回は、
白と黒の2色でできていて、斜め上からライトが当たっているようなデザイン。特殊なボタンは、デジタルクリエイター集団MUDSNAIL(マッドスネイル)が手がけました。

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「影の実態を切り離す」といった意味があるようです。

 日時は9月23日17時(日本時間:9月24日0時)。Fashionsnap.comでは、ショーの模様を映像でライブ配信します。

神は細部に宿る〜2015年春夏コレクションの素材を一部公開

 2014年09月22日 04:50 JST

【パリ=21日15:00】アンリアレイジの服作りの根底にある「神は細部に宿る」という信念。

 特にブランド初期は、1万個のボタンを縫い付けたスーツや、一方で縫い付けた全てのボタンを切り落として糸だけを残したジャケット、おもちゃビーズを全体に装飾したコートや数十枚のベビードレスを重ねたドレスなど、過剰とも言えるほど繊細な手仕事を結集し、圧倒的な時間をかけた服を発表しました。

 なかでも真髄と言える代表的な技術がパッチワーク。ブランドの立ち上げの頃、森永デザイナーが自ら縫って、そのテクニックを徐々に確立していったといいます。過去には、シャツの襟だけをはぎ合わせたベストや、袖だけをはぎ合わせたスカートなども発表。極小のランダムな形に刻まれた数種類(時には数十種類)の布地を、パターンに合わせて縫い合わせるという方法で、時にはパイピングをはさみ込むなど、気の遠くなるような作業を経て作られています。

 現在のアンリアレイジのパッチワークを縫っているのは、髪が腰まで長くハードコア好き、という一人の男性。国立の団地で行われているというその作業は、決して他人に譲らないのだそう。

 23日にパリで発表されるコレクションにも、パッチワークの技術が反映されています。それらを含め、「ANREALAGE」2015年春夏コレクションと、2シーズン目のスタンダードライン「ANSEASON ANREALAGE」から、素材の一部を初公開します。

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 「ANSEASON ANREALAGE」ラインの新作ニットは、フォトクロミックの技術によって、紫外線に反応して色が変わります。

 これは、2013-14年秋冬コレクション「COLOR」で発表された技術を反映したもの。太陽光(紫外線)に反応し、分子構造の変化によって色が変わるという仕組みで、数分で元の色に戻ります。

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