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Image by: Fashionsnap.com
「H&M」の日本上陸に沸いた2008年は「ファストファッション元年」だった。続く今年2009年も、爆安ファストファッションの「FOREVER21(フォーエバー21)」や格上セレクトショップの「OPENING CEREMONY(オープニング セレモニー)」などが相次いで進出し、アメリカンパワーを見せ付けた。12月の「Abercrombie&Fitch(アバクロンビー&フィッチ)」上陸を前に、「黒船上陸」が相次いだ1年をプレイバックしてみよう。
米国ロサンゼルス発のセレクトショップ「kitson(キットソン)」は3月、「ルミネ新宿2」に日本第1号店を開いた。「kitson」はセレブリティーや富裕層が多く住む西海岸のビバリーヒルズからスタートした、高感度なセレクトショップ。2000年創業と、比較的若いショップだ。
日本では百貨店や単独ビルをあえて避けて、駅ビルテナントを最初の出店先に選んだ。洋服以外に小物・雑貨類を多く取り扱っている点も受けて、大人気を呼んだ。早くも第2号店が9月、原宿ラフォーレ内にオープンしている。
続く4月、原宿に誕生した「FOREVER 21」は今やこの街の新名所。こちらもLA発だが、驚異的なプライスの集客力は今も絶大だ。しかも「H&M」の隣とあって、原宿は一気にファストファッション密集地域となった。「FOREVER 21」はオープンから約2カ月で来店者数100万人を達成。約半年で300万人を迎え入れた。どんな人気店も半年程度で客足が落ちるのが普通だが、このハイペース維持は常識はずれと言える。
8月は格上のセレクトで差を付ける米国ショップが立て続けにオープンした。LA発のスペシャリティショップ「RonHerman(ロンハーマン)」は高級カジュアルという位置付けで、ファストファッションとは一線を画す品揃えを印象付けた。一方、ニューヨーク発の「OPENING CEREMONY」はエッジの利いた高感度セレクトショップ。渋谷の「西武渋谷店モヴィーダ館」の全館を埋め尽くす8層の巨艦ショップは、各フロアに「公園」「住宅街」といった性格を与え、NYの街のたたずまいをそのまま再現するという演出も冴えた。「趣味としての消費」という提案は、服飾消費が冷え込む中にあっては異色のアプローチと映る。
新興勢力に押され気味だったカジュアルブランド「Gap(ギャップ)」だが、創立40周年を機に、「Gap フラッグシップ原宿店」を11月、オープンした。人気デザイナー、ステラ・マッカートニー氏と組んだ子供服・ベビー服ラインの誕生というおまけ付き。「H&M」も高級アクセサリーブランド「JIMMY CHOO(ジミー チュウ)」とコラボレーションしていて、ファストファッションとデザイナーのコラボは、もはやセオリーとなった感がある。
今年の最後を飾って12月15日、東京・銀座に日本第1号店をオープンするのが、アッパーなカジュアルブランドとして知られるNY発の「アバクロ」。日本初のフラッグシップ店は11フロアを埋めるダイナミックな売り場構成。抜群のルックスとスタイルを持つ「ストア・モデル」が来店客をもてなすところまで米国流だ。
2010年もfrom USAのファストファッション旋風は収まりそうにない。松坂屋銀座店には2010年春、「FOREVER21」が出店するという計画も浮上している。「グッチ」の撤退跡に入れ替わりで入るという象徴的な銀座進出となる見通しだ。高級店のカテゴリーでも、スペシャリティストアの代名詞的存在の「BARNEYS NEW YORK(バーニーズ ニューヨーク)」が2010年春、兵庫県神戸市に日本第4号店を出す。
高額消費を控えたがる気分が続く中、消費者は、顔立ちのはっきりしないショップを遠ざける傾向を鮮明にしつつある。割安感にせよ、リュクス感にせよ、顔の輪郭がクリアーな「黒船ショップ」は、忘れかけていた買い物の面白さを思い出させてもくれる。
(文:ファッションジャーナリスト 宮田理江)
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