痩せ過ぎモデルの起用を禁止する法案が仏で可決 モデル事務所からは反対も

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【12月18日更新】フランスの両院で法案が可決。フランス国内でモデルとして仕事をする場合にも医師による診断書並びにBMI指数の提出が義務化される。2017年1月までに施行される予定。

 フランスの下院で、モデル事務所が"痩せ過ぎ"モデルを雇うことを禁止する法案が可決された。同時にモデル写真のデジタル加工を明確に表記する新法案も可決され、今後モデル業界への様々な影響が予想されている。

 法案は、不健康に減量を強いられるモデルを守るほか、痩せ過ぎのモデルの活躍の影響で若い女性が拒食症になる事態を防ぐために策定。今後モデルとして活動するには医師により個人の身長に基づき、体重が適切であると診断を受ける必要があり、基準は体重と身長の関係から算出される、ヒトの肥満度を表す体格指数ボディマス指数(BMI指数)によって設定される。フランス政府がどの指数を基準にするかはまだ定かでないが、国際機関や各国の衛生研究所が定める指数は「18」で、これは約170センチの女性は少なくとも約54.5キロなくてはならないとされるもの。日本肥満学会では「18.5」未満である場合を低体重(痩せ型)と定めている。

 この後、法案は上院にわたり、可決されたら国会の衛生委員会により詳細な改善案が審議される予定。雇用者が法律に違反した場合、約980万円以下の罰金または6ヶ月以下の禁錮刑が科されるという。また、インターネット上で痩せすぎモデルを美化し、拒食症を助長するサイトへの罰則や、広告のモデルの体をデジタル加工した場合、手を加えた旨を表示しなくていけないことも一連の法案の中に含まれる。

 法案擁護派の神経学者で国会議員のOlivier Véranは「モデルとして働くために自身を常に空腹状態にするべきではない。栄養失調は非常に深刻な問題で、骨粗鬆症や心臓病などの疾病を引き起こす可能性があり、病気の克服後も身体の健康に異常をもたらす可能性がある」として警鐘を鳴らしている。モデル事務所はこの法案に対して強く反対しており、全仏モデル事務所組合は「拒食症と痩せすぎのもモデルを容易に結びつけるのは極端で、痩せ過ぎのモデルがいなくなったからといって拒食症がなくなるとは考えにくい」とコメントした。

 専門家によるとフランス国内では3万人から4万人が拒食症で苦しんおり、その多くがティーンエージャーだという。スペインやイスラエルも同様に、痩せ過ぎのモデルに対して規制を設けているが、「ファッション界に大きな影響力を持つ国、フランスがこの法案可決に動き出したことの意味は大きく、世界のモデル業界をはじめとし、ファッション業界を先導することになるだろう」と米ニューヨーク・タイムス紙などは報じている。