ファセッタズムが世界へ第一歩 ミラノの大舞台でメンズレイヤードをクールに

FACETASM 2016年春夏メンズコレクション
FACETASM 2016年春夏メンズコレクション

 デザイナー落合宏理が手掛ける「ファセッタズム(FACETASM)」が、ミラノで初の海外ランウェイショーを開催した。「ジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)」がサポートする若手支援プロジェクトに、日本人として初めて選ばれた落合は、本番2日前にショーピースが到着するという慌ただしさで当日を迎えた。(取材・文:ファッションエディター/スタイリスト 村瀬昌広)

 9回目のプロジェクトとなった今回は、ジョルジオ・アルマーニが「ファセッタズム」にコレクション発表の機会と場所を提供し、JFWがアテンドサポートをまかなった。発表の場となったアルマーニテアトロは、東京でコレクション会場に利用していた渋谷のヒカリエホールAをひとまわり小さくした規模で、着席だけで約400名を収容する。当日は、カメラマンやスタッフを含めると約500名が落合宏理のクリエーションに熱い視線を注いだ。

 これまではメンズとウィメンズの混合スタイルだったが、今回の2016年春夏コレクションのショーではメンズに特化。「Ambiguous daze in my ambiguous days」と題し、違和感や矛盾、曖昧な自己探求を表現したという。プルオーバーのナイロンブルゾン、肩口にレースアップをデフォルメしたトレーナー、アシンメトリーのスカートといった、"ファセッタ"らしいストリートやカルチャーの要素をアンバランスにミックス。ブランドのアイコンでもあるMA-1やノースリーブのライダースジャケットはオーバーサイズ、プリーツタックの入ったドレスシャツはややコンパクトなバランスに。カットソーの胸元には、2015−16年秋冬シーズンでも見せたX(クロス)のディテールが施されている。全体的にこれまでよりもスマートな印象だが、現地では独自のレイヤードスタイルがフォーカスされたようだ。

 落合は「"ザ・東京"を表現するよりも、着こなしや色をシックに合わせていくことによって、目の肥えた現地の人たちにクールな印象を与えたかった」と語る。ショーを取材したジャーナリストAngelo Flaccavento(アンジェロ・フラッカヴェント)は「平穏で純粋主義のマエストロ(ジョルジオ・アルマーニ)とは対照的な、違和感を打ち出す日本人デザイナーを選んだことは興味深い」とStyle.comに寄稿し、雑誌「ID」の編集者は「レイヤードスタイルから東京を感じる。素晴らしかった」と評価した。ショー終了直後は「次回以降のことはまだ考えていない」という落合だが、「色々なことにチャレンジしていきたい」と意気込みは大きい。現在の海外卸は17店舗。セールス面での伸びしろも含め、「ファセッタズム」が世界基準で語り始められるのはこれからだ。

(取材・文:ファッションエディター/スタイリスト 村瀬昌広)

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