【3分でわかる】国内大手百貨店が全て減収減益 16年度通期決算まとめ

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【訂正】各社の業績を百貨店事業に統一し、訂正しました。

画像: FASHIONSNAP

 国内大手百貨店(三越伊勢丹、大丸松坂屋百貨店、高島屋、阪急阪神百貨店、そごう・西武)の2016年度通期決算が出そろった。今年3月に業界に驚きを与えた、百貨店事業の業績低迷による三越伊勢丹HD大西洋前社長の引責辞任が象徴するように、各社が苦戦。百貨店事業は全てが減収減益となった。

■三越伊勢丹(単体) 2017年3月期(2016年4月~2017年3月)
 売上高:6,601億円(前年比2.8%減)
 営業利益:159億円(前年比34.6%減)

 訪日外国人観光客向けの免税品や、衣料品・宝飾・時計などの高額商品の売上低迷などにより苦戦。基幹店は利益が出ていたもののコストコンロール不足により厳しい展開となった。2018年に掲げていた営業利益500億円の達成を百貨店事業の業績低迷により断念したことの責任を取る形で大西洋前社長が辞任し、4月1日付で社長に就いた杉江俊彦氏は、新体制では成長事業よりも不採算事業に優先的に対処し、人件費や収益性の見込めないプロジェクトを見直すなど徹底したコスト削減に取り組むという。

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■大丸松坂屋百貨店 2017年2月期(2016年3月〜2017年2月)
 売上高:6,469億9,000万円(前年比4.5%減)
 営業利益:227億200万円(前年比13.3%減)

 売上高は、年度前半は株価の急速な下落と円高基調の影響によりこれまで売上を牽引していた富裕層・インバウントとも苦戦したが、後半は11月の米国大統領戦以降、株価の復調と円安傾向により富裕層・インバウンドとも改善傾向を見せた。営業利益、経常利益は計画未達で、純利益は計画をクリア。店舗別では東京店が唯一前年を上回った。札幌店も下期はプラスに転換したが、地方店は衣料品を中心に厳しさが継続している。

■高島屋(百貨店業)2017年2月期(2016年3月〜2017年2月)
 営業収益:7,572億円(前年比1.1%減)
 営業利益:108億円(前年比5.2%減)

 新宿店では「バスタ新宿」の開業など周辺環境の変化に対応して改装を実施し、京都店ではアクセサリー専門館を新たにオープン。また日常生活を自分らしくアップグレードするための編集ショップ「シーズンスタイルラボ」を昨年9月に大阪と京都、日本橋、横浜、新宿の大型5店舗および柏店に導入した他、ライフスタイル提案型ビューティーブランド「dear mayuko」を横浜店と日本橋店に、発酵デリカテッセン カフェテリア「kouji&ko」を新宿店にオープンし、多様化するニーズに対応した商品の提供に取り組んだ。インバウンド需要では、NTTドコモと連携する海外の携帯キャリアのユーザーを対象としたクーポン配信サービスや、ベトナム、シンガポールなど海外店舗を含めたグループ全体での誘客キャンペーンなど、各種の販促活動を通じて訪日外国人の来店客数を伸ばした結果、免税売上高は前年から2桁の増加となり、営業収益は減収するも計画を達成。営業利益は販売管理費の削減など効率化を進めたが、減収により減益かつ計画未達で着地した。

■阪急阪神百貨店 2017年3月期(2016年4月~2017年3月)
 売上高:4,275億3,400万円(前年比0.7%減)
 営業利益:160億7,200万円(前年比4.5%減)

 阪急うめだ本店では昨年度から婦人ファッションの大規模リニューアルを進めており、昨年9月には新たに5・6階の婦人服を改装。結果、ファッション感度の高い客の来店が増えるとともに買い回りが活性化し阪急メンズ大阪を含めた阪急本店の売上高が2,205億1,500万円(前期比1.0%増)となった。また阪急梅田本店は定評のある食品や婦人服服飾品が堅調に推移したが、建て替え工事に伴い入店客数が減少し売上高は558億3,000万円(前期比5.2%減)。一方支店では、KITTE博多や博多マルイなど近隣の商業施設のオープンにより街全体の魅力が高まった博多阪急や、リニューアルを実施した西宮阪急が順調に売上を伸ばしたが、他の郊外店舗は前期実績を下回る結果となった。

■そごう・西武 2017年2月期(2016年3月〜2017年2月)
 営業収益:7,606億9,200万円(前年比5.3%減)
 営業利益:43億4,100万円(前年比41.4%減)

 百貨店マーケット全体の規模が年々縮小しており、利益が減少しているため限られた成長投資しか出来ず減収減益。セブン&アイ・ホールディングス 井阪隆一社長は「百貨店の構造改革は待ったなしの状況」と捉え、選択と集中を進めて実効性のある店舗にしぼって構造改革を進めると話す。池袋店では化粧品売り場や食品売り場、婦人特選売り場に投資し改装を実施した結果、店全体の拡大に大きく貢献。所沢店でも食品フロアを2層に改装し成果が出ており、池袋本店での成果事例を横浜店や千葉店にも取り入れて成長を図る。17年度の数値計画は営業収益7,089億円、営業利益50億円。