マーケティングアナリスト

ユニクロのライバル企業はアップル?ユニクロが世界進出で分かったこと

2012年04月27日 08:15 JST

■顧客サービス、顧客の経験価値マネジメントの重要性

ウォール・ストリート・ジャーナルにて、ユニクロの経営戦略に関する特集が組まれています。ユニクロは、現在世界中に旗艦店が242あり、年間売上が約7000億円。

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その中で、ファーストリテイリングの役員であるTakao Kuwaharaの話を通して様々なことを学んできたことが述べられているのですが、興味深いのが競合他社はアパレル関係の小売店ではないというんですね。あのアップルであると。え?アップルだとー!?ねーわ。というアップルファンの皆さん、まあ落ち着いてください。

Our competitor is Apple. We don't see ourselves as having competitors in the fashion-retailing space. At Apple, as at Uniqlo, the customer service and the customer experience is all important. People have limited time and money to buy things and they can choose where they shop.

世界中に進出したユニクロが分かったことの1つとして、顧客は機会費用を払って来店してくれる。つまり時間を割いているんだから、顧客サービスと顧客の経験価値の向上こそが最も重要であるということです。その点で、優れているアップルはライバルとして捉えているそうです。目標といったほうが正しいのかな。製品カテゴリーで競合を決めていないところが視野の広さを感じるところではありますね。


ほかに、海外に進出してわかったこと、改善していることのうち、興味深いものをあげてみたいと思います。

■ロシアでは、4月でも-6℃なのにもかかわらず、Tシャツを買いたがる。

■シンガポールでは1年を通じて暖かいのに、ダウンジャケットとロングカットソーが売れる。なぜなら、買い手は皆世界中を旅行するためである。

■世界中の顧客を対象としたベーシックなプロダクトをつくるということは、クレイジーなほどのミーティングが必要。これは過去記事が1例⇒ ユニクロシャツのデザインソース

■日本人の8割から9割がユニクロの服を1つは持っている。また、日本の人口の8割がユニクロのストアから自動車で20分圏内のところにいる。

■ユニクロは、新しいGAPにはならない。GAPはアメカジとして「トータルルック」ができるが、ユニクロはそれを求めないし、バラ売りで1つだけでも買えるようなパーツ1つ1つを提供していく。

ロシアとシンガポールの例は面白いですね。実際、世界一を目指しているユニクロですが、視界良好とは行っていません。補足として、日本のニュースから現状を紹介しておくと、内需株の代表格であるものの、柳井正氏の後継者も育っていない。NYの旗艦店は赤字のようです。


銀座から世界ブランドへ ユニクロ戦略に死角は?(産経新聞) - livedoor ニュース

■内需株の代表格

株価も今年1月5日の安値の1万3600円から4月2日には1万9150円まで40%も上昇した。4日には3月の既存店売上高の伸びが市場の予想を下回ったことで大きく下げ、日経平均株価が1万円の大台を割り込む"ユニクロ・ショック"が起きた。今や「円高にあえぐ輸出株に代わり、内需株の代表格として市場全体に大きな影響を及ぼす存在」(アナリスト)となっている。

ただ、市場では業績の先行きを不安視する声も出ている。国内での出店攻勢について、クレディ・スイス証券の山手剛人アナリストは「賃料など固定費の増大や、自社店舗同士の競合による収益低下を招きかねない」と指摘する。

海外事業も盤石ではない。海外収益のうち8割は約120店を展開する中国と約70店の韓国で稼いでいるとみられるが、「中国は出店に見合う利益が出ておらず、韓国はすでに頭打ち状態」(外資系証券アナリスト)との分析もある。

欧米ではブランドの認知度がまだまだ低く、ニューヨークの旗艦店「34丁目店」は赤字だ。


アップルが競合といっていましたが、先月時価総額5000億ドルを突破したこの企業をベンチマークしても、次元が違うというところは指摘しておきなければなりません。
それこそが、まさに顧客サービス、顧客の経験価値マネジメントの重要性でしょう。1年間で、売上目標100億円と設定したユニクロ銀座旗艦店ですが、なかなか難しいかもしれない。
私も行きましたが、消費者の店舗内行動(動線)が、整理できていない。あまり客数が多くなくても混んでいる状態になりやすい。NY旗艦店のサービスを取り入れたというものは、日本ではまだフィットしていない。世界を見てきたからこそ、日本人への細やかなサービスと動きやすい機能的なデザインが求められることをが重要かと。

【via】 WSJ.com