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バングラデシュ・ラナプラザビル倒壊事故から2年 アパレル産業の現状は

 エコファッションに関するウェブサイト・www.ecocoutureclothing.comの代表・Karundi Serumaga氏が、「Eluxe Magazine」に寄稿。バングラデシュ・ラナプラザビル倒壊事故がいまも問題視される5つの理由を説明した。

 2013年4月24日に起きたバングラデシュ・ラナプラザビル倒壊事故。あれから2年が立つ。アパレル産業に従事している身として、2年の間にシーズンは12回あると、私ははっきり言える。ファッショニスタは、毎月スタイルを変える。衣服を変えるからだ。

 この事故では、1,000人以上の人が命を落とした。その最大の理由は、このビルが安全基準を満たさない違法建築だったということ。衣料工場経営者が当局からの忠告を無視して操業を続けた結果、1,000人以上が死亡する惨事となり、世界中の注目を集めた。失われた命の中には、子どもの命も含まれていた。親とともに家計を支えるためだ。このビルには、ヨーロッパの大手ファッションメーカーの生産を請け負う工場が多く入っており、3,000人以上がすし詰め状態で働いていた。

 労働者たちは、生活するにはとても足りない雀の涙ほどの給与を得て、先進国の消費者が最新トレンドを楽しむための服を作っていた。その先進国の消費者たちは、自らが着ている服の作り手たちのことを見ないふりをしてきたのである。いま、我々がラナプラザビル倒壊事故について考え続けなければならない理由は5つある。

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1. 遺族はいまも苦しんでいる。

 例えば、12歳のときからファストファッションの縫製に従事してきたKalpona Akter氏。Akter氏は、同工場で衣服を生産していた企業が、十分な保障を行っていないと感じている。事故で働き手を失った家族は、収入がそのぶん減った。いまAkter氏は先頭に立ち、保障を求める運動を行っている。

2. 労働者はいまも脆弱な立場に置かれている。

縫製工場で働く人々が持っているはずの基本的な権利について、まだまだ教育が足りていない。労働者向けの教育プログラムのための資金を拠出した企業もあるが、基本的に大多数のアパレル企業は、主体的なアクションを行っていない。そのため、労働者はいまだに自らが持っている権利について無知のままだ。実際、被害に遭った人々の多くは、保障を求めることを止め、前述のAkter氏のようなリーダーを支援することを止めてしまった。行動を起こして目をつけられ、収入を断たれてしまうことを恐れているのだ。

3. 政府が無関心のまま。

アクションを起こそうとする人々に対し、政府は援助などはもってのほか、迫害が行われていてもだんまりを決め込んでいる。同国の労働者連帯組織「Bangladesh Center for Worker Solidarity」のAminul Islam氏は、拘束・拷問の末、亡くなってしまった。同氏が拘束されたのは、大手ブランド服を製造する工場との話し合いに向かっている日だった。しかし、政府はこの事件をはじめ、ほかの同様の事件に対して何もアクションを起こす気配を見せていない。

4. 企業が理解を示していない。

多くの企業は、適切な賃金を払うと宣言した。しかし、「IndustriALL Global Union」のMonika Kemperle氏は、一人暮らしに足る「適切」な賃金と、家族暮らしの「適切」が異なることを指摘している。通常、途上国の家族の中で、働き手は親兄弟3〜4人が食べていけるだけの賃金を稼ぎ出さなければならないのが実情だ。それでいて、解雇は日常茶飯事。家族を扶養するには、保障も賃金も足りていないのである。

5. ファストファッションを求める人はまだまだ多い。

誰も50ドル以上、1枚の衣服に掛けたいと思っていない。そんな大衆ニーズのままでは、責任ある消費がなされる日は遠いといえる。

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あなたにできること

 アパレル産業の厳しい現実を、より多くの人に伝えることだ。毎年4月24日に世界50カ国で開催される「Fashion Revolution Day」は、これまでのファッション産業のあり方を問い直すための国際的なキャンペーン。ぜひこの日には、服を裏返し、タグを撮影してSNSにアップしてほしい。「#whomademyclothes(私の服を作ったのは誰?)」というハッシュタグもお忘れなく。生産者たちに、消費者が彼らのことを気にし、彼らの労働と生活がより良いものになることを願っていると伝えるのだ。

This Article is Originally from...
Karundi Serumaga '5 REASONS RANA PLAZA STILL MATTERS' Eluxe Magazine , April 18, 2015
>> http://eluxemagazine.com/magazine/5-reasons-rana-plaza-still-matters/
(許諾を得て掲載)