アマゾンがファイアフォン大失敗で部門初のリストラ

アマゾンがファイアフォン大失敗で部門初のリストラの画像

■アマゾンはファイアフォンの失敗により、ハードウェア開発部門を縮小しているとウォール・ストリート・ジャーナル紙は報じた。事情を知る複数の関係者が明らかにしたことによると、アマゾンのハードウエア開発部門のラボ126(Lab 126)はファイアフォンの開発に携わったエンジニア数十人を解雇した。2004年に設立されたラボ126は、本拠地のシアトルから離れたサニーベールとクパチーノにあり、ハードウェア開発エンジニアなど約3,000人が働いている。同部門ではこれまで、電子書籍リーダーの「キンドル」シリーズやタブレットの「キンドルファイア」、ストリーミング機器の「ファイアTV」、音声アシスタントの「エコー」などを開発している。今回の人員削減は同部門始まって以来となる。また同部門のリストラは、14インチとなる大画面のタブレット開発「プロジェクト・カイロ(Project Cairo)」を縮小し、他のプロジェクトと一つに統合するなど、組織の再編成にも及んでいる。関係筋によると、密に進められていた機能を絞ったスマートフォン開発も無期限に凍結しており、プロジェクトをシリコンバレーからシアトルに移した。
アマゾンは昨年7月、同社が開発したスマートフォン「ファイアフォン(Fire Phone)」を販売した。が、ファイアフォンは高価格がネックとなり売れ行き不振で2ヶ月後には99セントに値引きし失敗に終わった。

トップ画像:ウエストフィールド・サンフランシスコセンターの通路で営業しているアマゾンのポップアップストア「アマゾン・ポップアップ(Amazon Pop-up)」 。アマゾンのハードウエア部門のラボ126が開発した電子書籍リーダー「キンドル」やタブレットの「キンドルファイア」、ストリーミング機器の「ファイアTV」、音声アシスタントの「エコー」などを販売している。キンドルのケースやカバーなどアクセサリー類も扱っている。下にアップした画像を見てもらえればわかるように、このポップアップストアでは未だにファイアフォンも販売している。

ウエストフィールド・サンフランシスコセンターの通路にあるアマゾンのポップアップストア(営業時間:午前10時~午後8時30分)。通常のショッピングセンターで展開しているキオスクタイプよりは広い展開だ。ポップアップにすることで、内装や什器、工事費等で10万ドルにも及ぶテナント出店(ショッピングセンター業界では「インラインストア」「インライン・ストアフロント」という)よりはコストは低く抑えられ、契約の縛りも少ない。

ポップアップストアでは電子書籍リーダー「キンドル」やタブレットの「キンドルファイア」や「キッズ向けキンドルファイア」、ストリーミング機器の「ファイアTV」、音声アシスタントの「エコー」のほか、大失敗となったファイアフォンも一応、置かれている。ただ、ネットのほうではファイアフォン(Amazon Fire Phone, 32GB unlocked GSM)在庫なしとなっている。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。上記にあるようにウォールストリートジャーナル紙のスクープが本当なら、ファイアフォンの失敗は想像以上にアマゾンに響いたということです。予想していたように失敗後もファイアフォンは機能を絞るなどの開発を続けていました。が、それさえも最近、打ち切っているということです。北米のみならず世界的にみてスマートフォン市場は成熟しているので、これ以上の投資は見返りが少ないとの判断なのでしょう。ファイアフォンは機能を絞ればただの携帯になり「アマゾン専用の注文端末」でさえなくなります。アマゾンにとってファイアフォンの存在意義もなくなるので、開発縮小もしくは打ち切りの方向なのです。一方で電子書籍リーダーのキンドルは、バッテリーチャージを最大2年!に伸ばす開発を行っていると報じています(意味がないような...)。音声アシスタントの「エコー」を応用したIoT的なキッチン家電も開発中だとか。
個人的には失敗に懲りずにファイアフォンの開発を続けてもらいたいのですが、完全に撤退する可能性もでてきているようで、ちょっと残念です。

後藤文俊