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音楽をシェアできるクレイジーなウィッグ「Song Wig」が登場

音楽をシェアできるクレイジーなウィッグ「Song Wig」が登場の画像

Apple MusicやGoogle Play Musicなどオンライン上でのサブスクリプション系音楽サービスが一般化してきた中で、自分自身の個性を示すために音楽をSNSでシェアすることも増えてきました。

そんなデジタル主体の音楽体験に対するアンチテーゼのような形で登場したのが、クリエイティブラボ・PARTYが制作した「Song Wig」です。

髪の毛1本1本がコードになっており、毛先に付いているイヤホンで同時に複数人で音楽を聴くことが出来る、強烈なビジュアルでファッション性を兼ね備えたデジタルアート作品です。今回はSong Wigの開発者にアイディアの着想や製作時のこだわりなどをお聞きしました。

ファッションシーンを意識した音楽シェアの形

――着想から製作までの経緯を含め、Song Wigを作ろうと思った理由を教えて下さい。

PARTYはオリジナルプロダクトやサービスを日々開発していて、制作したモノのお披露目の場を国内外で年数回開催しています。

「Song Wig」は、ニューヨークでのPARTY展「PARTY FRIENDLY FUTURES」に合わせて開発したプロダクトで、デジタルアートとしても、エンターテインメントとしても成立するデバイスを目指しました。
「コードがたくさんあると髪の毛みたいだ」という見た目からの発想から始まり、音楽をデータとしてシェアすることが当たり前になった今、デジタルではなく、リアルに音楽を共有するとしたらどうなるのか、どうしたら楽しくなるかを表現すべく作った作品です。

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Song Wig発案時スケッチ

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Song Wig詰め時スケッチ

――どんなシーンを想定し、どのような体験をして欲しいですか?

パーティーグッズとして人が集まっている中で音楽をいつもと違う方法で聴いてみたり、ウィッグなのでファッションアイテムとして取り入れてもらえたりしたら嬉しいです。

また、アーティストやミュージシャンとコラボレーションして新曲をファンと親密な距離で発表する、という使い方も面白そうですね!LADY GAGA、björk、Katy Perry、Miley Cyrus、Grimes、きゃりーぱみゅぱみゅなど、ファッションにコダワリのあるアーティストに「Song Wig」をかぶってもらえたら最高です!

音楽と気分を表現したキャッチーなデザイン

――ファッションアイテムとしてクレイジーでかわいいですが、デザインの着想からこだわりのポイントはどこですか?

ポップな気分の時には黄色の「POP STAR」、レゲエでノリノリの時は黒い「REGGAE GURU」、クラシック音楽でしっとりとした気分の時は白の「CLASSICAL MAESTRO」という感じで、気分にあわせた髪型を用意しています。

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左から、REGGAE GURU・POP STAR・CLASSICAL MAESTRO

初代プロトタイプの「POP STAR」はいかにポップな雰囲気を作るかを考えて、金髪のイメージでコードをこのカラーにしました。さらにコード同士が絡まらないように二つ結びにすること、人の手が届く高さにするために結び目の位置を調整すること、結び目にLEDアクセサリーをつけること...というようにロジカルに考えながら試行錯誤した結果、今の髪型にたどり着きました。

ちなみに、「POP STAR」がツインテールの髪型になったのもデザインの理由だけではなく、技術的な構造上でも最適だったからです。

――開発でもっとも苦労した点はどこですか?

見た目のデザインとテクノロジー、両方を成立させることです。「はたから見たらちゃんとカツラに見える」ことと 「イヤホンからちゃんと音が流れる」ことのバランスが良くなるように工夫しました。

ビジュアルのみに注力しすぎると、250本のイヤホンに音声信号を流すには耐えれない回路・筐体なってしまいます。一方テクノロジーのみに気を取られると、単なるケーブルの塊になってしまいウィッグの形にはなりません。

このバランスを整えるために、トライアンドエラーを繰り返し多くの時間やコストをかけたことが一番の苦労ポイントです。しかし、チームのデザイナーもエンジニアもお互いの専門性を尊重し合いながら、最終的にはデザイン面も技術面も一番理想の形で「Song Wig」が完成したので本当に良かったです。

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コード1本1本を半田付けする非常に細かい作業も

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マネキンに装着し長さを調整するシーン

「POP STAR」には現在250本の髪の毛=イヤホンがあるので、250人で聴けることにはなっていますが、今のコードの長さを考えると実際同時に聴くことができるのは20人くらいが限界かもしれませんね(笑)。プロトタイプのコードの長さは1.5mくらいですが、大人数で聴く場合はコードを長く調整することも可能です。

SongWig_07.gif2016年3月にアメリカ・オースティンで開催されたエンタメの祭典「SXSW(サウスバイサウスウェスト)」にも、Song Wigは出展。SXSWではIoTなど高度なテクノロジーを駆使したものが多い中で、シンプルな技術ではあるもののビジュアルのインパクトと実際に付けて楽しめるエンタメ性から、興味を持つ人が多かったそうです。

IT・エンタメ界のパリコレとも言われるSXSWにおいて異彩を放っていたSong Wigは、国内のみならずファションの多様性に寛容な海外においても登場する日が近いかもしれないですね。

そんなPARTYでは、現在コラボレーションパートナーを大募集中。アーティストのミュージックビデオやパフォーマンスでの利用も受け付けているため、気になる人はぜひ試してみては?

Song Wig
songwig.com
Text : Ryutaro Ishihara