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ユニクロ新サービス「UT Picks」にみる、"信頼できる人が選ぶ"という価値

ユニクロ新サービス「UT Picks」にみる、

ファッションのセレクトはとても難しいもの。一昔前は「○○着用モデル」というポップが店頭に溢れ、有名人と同じ服を着るために行列ができていたのに、ここ数年は人と違う服を買うために1つ1つのパーツを組み合わせ、自分好みにカスタマイズできるサービスが人気を博しています。

人と同じが安心、人と同じは嫌という人がいるかと思えば、他方で「いつも同じになっちゃうから、誰かに選んでもらいたい」とファッションレンタルサービスでスタイリストに服を選んでもらう人もいたりと、服を選ことに対するニーズは多様化しているのではないでしょうか。

この"服を選ぶこと"に対してユニクロが新たな回答を用意してきました。同社が展開するTシャツブランド「UT」から「UT Picker」と呼ばれるキュレーター的人物が選んだTシャツを購入する「UT Picks」というサービスをスタートしたのです。

UT Picksはファッションのキュレーションサービス

UT Picksは、1200種類を超えるTシャツが用意されているUTから、アーティストやモデル、ミュージシャン、アスリートなど、世界中から集結した各分野を代表する30名それぞれがセレクトしたTシャツを毎月(5ヶ月間)定期購入するサービスです。

UT Picksに申し込んだ時点ではどういったTシャツが送られてくるかは分かりません。通常790円〜1,990円(税別)のTシャツが5枚セットで990円(税別)で購入できるという価格的なメリットはあるものの、このサービスを利用する動機としては、"この人が選んだTシャツを着たい"という気持ちが一番大きなものとなるでしょう。

そしてこのサービスの肝となる30人のUT Pickerには、モデルの道端カレンさんやsmart編集長の太田智之さん、スタイリストの島津由行さん、NY発のファッションブロガーのダニエル・バーンスタインさんといったファッション分野のプロが1/3程度。その他は、お笑い芸人ピースのお二人やスノーボーダーの平岡卓さん、作家のはあちゅうさん、ブックディレクターの幅允孝さんといったファッション以外のさまざまな分野で活躍されている方々が名を連ねています。

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― YouTube『ユニクロ』より

"信頼できる人が選ぶ"という価値

このUT PicksはUT Pickersのセンスを信頼し、"この人が選んだ服を着たい"という動機にもとづいて成立するサービスです。

Pcikerの場合、ラインナップがファッション分野の人に限らないことで、ファッションという文脈に興味を持っていない人にとっても、その人が興味を持つ文脈で活躍する人が選ぶものを身につけたいというファッションに限らない欲求が成立するのです。

こういった、"信頼できる人が選ぶ"という価値はファッションに限らずさまざまな文脈で成立しているものです。最近でいえば「Antenna」「Gunosy」「SmartNews」といったキュレーションアプリを使うのも、そのサービスのリコメンド機能への信頼で成立していますし、「メルカリ」「フリル」といったフリマアプリでは、サイズや趣味がぴったりだから、特定のユーザーから服を買いたいというニーズも存在します。

また百貨店の外商なども、その人が選ぶ商品への信頼感から購入するわけですし、UT Pickerに名を連ねているブックディレクターの幅允孝さんはまさに、彼が選んだ本という価値を生みだしています。

個人が取得できる情報量が圧倒的に増加し、かつ自分好みのものを簡単に作ってしまえる今だからこそ、"信頼できる人が選ぶ"という価値が改めて重要になって来ているのでしょう。

このUT Picksのように、特定の人が選ぶという価値を提供するサービスが今後増えてくるかも知れません。

UT Picks
www.uniqlo.com/jp/store/feature/uq/ut-picks/top/

Text : Kazuyuki Koyama