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【レポート】スポーツメーカー世界1位を独走「ナイキ」の財務状況を分析

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日本円で連結売上高がおよそ3兆4,000億円(1米ドル=113円で換算)におよぶNIKE,Inc.(ナイキ社)。売上規模やその影響力において、スポーツメーカーでは世界1位を独走している。今期(2016年5月期)も第3四半期まで増収増益の推移で、好調を持続している。主力の北米、成長著しい中華圏が後押ししているようだ。

2020年に500億米ドルを目指す

ナイキ社の営業利益はおよそ4,717億円(同)で、これは3位グループのアンダーアーマーやアシックス、プーマの連結売上規模とほぼ同じだ。2位のアディダスグループはおよそ2兆1,000億円(1ユーロ=125円で換算)で、ナイキ社の業容が抜きんでていることが分かる。

昨年(2015年)10月に公表された中期計画では、東京オリンピックが開催される2020年度(2020年5月期)の終わりには、売上高500億米ドル――日本円でおよそ5兆6,500億円(1米ドル=113円で換算)を目標にするという。売上高は1ケタ後半から2ケタで成長させ、投下資本も拡大していく計画だ。

地域別では、先行市場──北米、西欧、日本において、高い数値での1ケタ台の成長を見込んでいる。主力の北米市場については、2020年度には200億米ドル、日本円でおよそ2兆2,600億円(1米ドル=113円で換算)に手が届くと予測する。また、新興市場──中華圏や中東市場は、低い数値の2けた台で成長すると見ている。新興市場の売上規模は2020年度には、65億米ドル、日本円でおよそ7,345億円(1米ドル=113円で換算)に手が届くと予測する。

キーワードはDTCとウイメンズ

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特に成長を期待しているカテゴリーはDTC(Direct to Consumer=顧客直結)とウイメンズだ。今年2月、アシックスが公表した新中計「AGP2020」にもこのDTCの強化が明記されている。ナイキ社に触発された施策であることは想像に難くない。このDTC関連で、2020年度には160億米ドル、日本円でおよそ1兆8,080億円(1米ドル=113円で換算)に達すると見ている。さらに次の5年間──2020年以降には、Eコマースが成長の柱になると分析している。

ウイメンズビジネスは2020年度に110億米ドル、日本円でおよそ1兆2,430億円(同)に達する見通しだ。主力になるのはランニングカテゴリーで、75億米ドル、日本円でおよそ8,475億円(同)。バスケットボールから派生した「The Jordan Brand」も大きく成長すると見ている。

財務面の数値目標では、売上高総利益率(粗利率)は年間で平均0.3-0.5ポイントの上昇を計画する。フリーキャッシュフローは当期純利益よりも早く成長させる。当面、同社の勢いは続きそうな様相だ。