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海外スタートアップのファウンダー達は自分にいくら給料を払っているのか

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メディアやイベントで毎日のようにもてはやされ、外側から見るとかなり儲かってそう、金持ってそう、セレブ、などと思われる起業家たち。特に主要メディアに取り上げられたり、イベントで登壇している人達を見るとどうしても「かなり儲かってんだろーなー」と思ってしまう。

また、大きな額の投資を受けたニュースなどを見ると、一瞬で多くのお金を手にした様に見えてしまう。しかし、巨額の投資を受けたからといって、個人的に大きなお金が入って来ているわけではない。むしろ、スタッフには多めの報酬を払っていてもファウンダー達はかなり節約しているケースも少なくは無い。

参考: そろそろ資金調達の際に"おめでとう"と言うのをやめないか?

ファウンダー133人からのアンケート結果

これから紹介するのはアメリカを中心とした海外のスタートアップファウンダー133へのお金に関する調査である。下記のデータからも分かる通り、個人貯蓄があるケースの方が少なく、場合によっては銀行口座がマイナスになっている人もいた。

この調査はHustle Conというサンフランシスコ近郊で開催されたテクノロジーカンファレンスに参加・登壇した人達133人に対して彼らの給料、貯蓄残高、投資信託、借金の状況そして会社の評価額を調べたアンケート。その結果を見てみると個人によってかなり開きはあるが、そのデータをまとめてみるとかなり意外なデータとなっている。

海外スタートアップのファウンダー達のお金事情

では、この調査の結果を元にスタートアップのファウンダー達の給料からその他の報酬、資産、借金などの状況を見ていきたい。

ファウンダー達の給料

アンケートをとった133人のスタートアップファウンダーの中で,28人が自分への給料が0と答え、2人が年収1ドルと答えた。20万ドルを超える給料を受け取っているのはわずか20名程。そして多くの場合、年間の給与は10万ドル以下で、恐らく自分の会社で働いているエンジニアよりも給料が安いと考えられる。

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自社株の保有率

そして興味深いのは、133人のうち3名は自社の株を一切所有していない、いわゆる雇われの社長で、彼らの給料は10万ドルから20万ドル。一方で、株式を100%所有している20名の給料平均は$79,350で、8名は給料0であった。全体的に見てみても、給料$0の人達のほとんどは自社の株を50%以上所有している。

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給料が$0のファウンダーの自社株所有率

自社から給料を受け取っていないファウンダーのその多くが自社株を50%以上保有している。

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起業家達の現金貯蓄額

アンケートに答えたファウンダーの平均貯蓄額は$25,550。100万ドルを超える貯蓄がある人は7人で、過半数の貯蓄額は$50,000以下となっている。中には「貯金が無い方が緊張感があって攻めやすい」と答えた人もいた。そして多くの回答者はお金を貯蓄する事が裕福になる為の最良の方法ではないと考えている。

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会社の評価額や市場価値から換算される現金以外の流動資産

そして起業家が最も多くのリターンを期待出来るのが会社の株式の価値をベースとした流動資産である。アンケートに答えたうちの1人で4000万ドルの評価額の企業の38%を保持する33歳の起業家は、"不動産や株式市場などの外部へ投資するより自分自身の会社に投資するのが最も有効的"だと語っている。

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家や土地などの固定資産

現金の貯蓄や会社の株式に加えて、不動産などを元にした固定資産の所有額についての回答。100万ドル以上を保有している人が45人もいる事から、現金ではなく固定資産を保有しているファウンダーが多い事が分かった。これは地価が高騰しているサンフランシスコ地域特有のトレンドかもしれない。また、家のローンを組むのはかなりのリスクになるので、賃貸のケースも少なく無い。

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ファウンダー達の借金額

メディアなどでは起業家が借金まみれになるケースを見る事も多い。それを過去の武勇伝の様に語る人達もいる。現実は果たしてそうなのであろうか?この調査では、クレジットカードや消費者金融などから短期的に借り入れたものと、住宅ローンなどの金融機関経由の長期借り入れの両方の数値を合算してる。

startup_20160504_08.png現金よりも成長に投資

急激な成長を目指すスタートアップのファウンダー達にとっては、目先の現金よりもその後のリターンの可能性に対する"貯金"をしている感覚である。自分自身のケースを見直してみても、確かに立ち上げから18ヶ月は自分への給料は0で、その後数年間も社内で最も給料の低かった。

参考: ベンチャー企業とスタートアップの違い

ファウンダーアンケート結果まとめ

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筆者: Brandon K. Hill / CEO, btrax, Inc.