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カジュアルSPA「ギャップ」トップラインの回復による収益性改善が課題

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 主力カジュアルSPA企業の1つ、THE GAP,INC.(以下、ギャップ)。先の2016年1月期(2015年決算)では、減収減益の結果だった。今期(2017年1月期)の第1四半期は減収減益のスタートで、第2四半期(2016年2月-7月)へ向けて、やや苦しい滑り出しだ。前期決算と第1四半期の結果を基に、第2四半期を展望した。

今期、第1四半期は減収減益のスタートに

 今期(2017年1月期)の第1四半期は減収減益のスタートとなった(表2を参照)。トプライン(売上高)の減少に歯止めがかかっておらず、この回復による売上高総利益(粗利)および利益の改善が当面の課題だと思われる。

 ギャップの2015年決算シーズンの結果を改めて見直してみる。連結売上高は157億9,700万米ドル(約1兆8,166億5,500万円)、3.9%減とやや苦戦した。営業利益は15億2,400万米ドル(約1,752億6,000万円)、26.8%減だった。税引前利益、当期純利益も軒並み減少した(表1を参照)。なお、記事中の収益数値の円表示は、今年1月末時点の為替──1米ドル=115円で換算した。

 2013年、2014年シーズンと2年間は増収増益基調にあったが、2015年シーズンでマイナスに転じた。利益額は2012年シーズンの実績よりも下回り、過去2年間の成長が振り出しに戻ってしまった形だ。

 業態別では、最も売上規模の大きい「Old Navy」が66億7,500万米ドル(約7,676億2,500万円)、1%増と堅調だった。しかし、「Gap」および「Banana Republic」業態が前年比を下回り、苦戦の要因になった。「Gap」は57億5,100万米ドル(6,613億6,500万円)、7%減、「Banana Republic」は26億5,600万米ドル(3,054億4,000万円)、9%減だった。

U.S.=米州の一極集中が続く

 地域別では、「U.S.(米国)」(プエルトリコ、グアムを含む)が126億7,200万米ドル(1兆4,572億8,000万円)、1.1%増と堅調な推移だった。「Gap」(5.9%減)の減収分を「Old Navy」(4.7%増)と「Banana Republic」(1.7%増)でカバーした形だ。連結売上高の実に77%を「U.S.(米国)」が占めている。先日、「Old Navy」の撤退が報道された日本ディビジョンは「Asia」の中に含まれていて数値は非公表だが、「Asia」全体では15億200万米ドル(1,727億3,000万円)と、全売上比率の9%に過ぎない。

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 期末(2016年1月末時点)の総店舗数は3,275店(197増、202減、FCを除く)。北米の「Old Navy」が1,030店(36増、19減)と最も多い。次に多いのが北米の「Gap」だが、866店(34増、128減)と減少している。100店規模のスクラップを実施した影響が表れた。3番目に多いのが北米の「Banana Republic」で612店(24増、22減)。ちなみに「Asia」では、「Gap」が305店(48増、9減)、「Old Navy」が65店(22増)、「Banana Republic」が51店(7増)。

 財務面では、当面の深刻な材料は見当たらない。借入金の増加および自己資本比率の減少により、D/Eレシオがやや悪化しているが、0.6倍にとどまっている。売上高総利益率(粗利率)が2.1ポイント減少した影響で交差比率が悪化したが、商品回転率は0.1ポイント改善した。

 第1四半期は少々苦しいスタートになった同社。7月末で第2半期を迎える。どこまで収益性を改善できるだろうか。

(樋口尚平)