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業界の仕組みを変えるファッションテックスタートアップ7選

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お洋服が私たちの手元に届くまでに、とーっても長い道のりを辿ってきていること、ご存知ですか? 糸から始まり、糸が生地になり、生地を縫い合わせ、コレクションの発表やカタログの制作など服を売るための宣伝を行い、お店に卸し、お店で販売を行い、そしてやっと私たちの手元に届く......。

大雑把に説明しましたが、長い時間と多くの労力、そして膨大なお金がかかっているんです。かかったコストは商品の代金に上乗せされることになり、そのしわ寄せは最終消費者である私たち、もしくは、長い道のりの中で誰かが涙を呑んでいるかもしれません。
しかし、インターネットとテクノロジーのおかげで、そんな「無駄」の多いファッション業界の仕組みを根本から変えるFason Techスタートアップが沢山登場しているんです!

連載企画の【DiFa News Library】ブランド・デザイナー・クリエイターが捉える「Fashion Tech」、今回はここ数年のうちに登場し、業界の慣習や仕組みを大きく変えた、または変える可能性を秘める"Gamer Changer"なFashion Techスタートアップをおさらいしてみます。

【DiFa News Library】
#FashionTech #startup

1.RENT THE RUNWAY(Since 2009)

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RENT THE RUNWAYより

ニューヨーク発の「RENT THE RUNWAY(レント・ザ・ランウェイ)」は、ラグジュアリーブランドのファッションアイテムを小売価格の1/5程の値段(商品によって異なる)でレンタルをすることができるサービス。

取り扱いブランドは、「Marni(マルニ)」「Oscar de la Renta(オスカー・デ・ラ・レンタ)」「RED Valentino(レッド・ヴァレンティノ)」「Vera Wang(ヴェラ・ウォン)」「Tory Burch(トリー・バーチ)」「THAKOON(タクーン)」「Proenza Schouler(プロエンザ・スクーラー)」など300ブランドを超え、さらにブライダル用アクセサリーやジュエリー、ガウンなども充実。レンタル期間は4日間もしくは8日間で、送料無料で返却することができます。

また、2016年3月には、月額$139.00(約¥14,000)でRENT THE RUNWAY上のほぼ全てのアイテムを3着、無期限で借りることができるサービス、「Unlimited(アンリミテッド)」を開始しました。

ハイヤー配車予約サービス「Uber(ウーバー)」や民泊検索予約サービス「Airbnb(エアビーアンドビー‎)」など、必要な時だけ借りる(使う)ことができるシェアリングエコノミー型のサービスは、ファッション業界にも革命を起しつつあります。

あわせて読みたい:今まさに全盛期!注目すべき日本未上陸のファッション系サブスクリプションサービス7選

2.Everlane(Since 2010)

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全ての商品において、実際のコストが公開されている。― Everlaneより

サンフランシスコ発の「Everlane(エバーレーン)」は、ハイクオリティかつベーシックなファッションアイテムを生産販売する、オンライン特化型のアパレルブランド。

「Radical Transparency(徹底的な透明性)」をミッションに掲げ、商品が作られた工場や、生産にかかった実際のコスト(材料費・賃金・輸送費)、そして他ブランドの販売価格や、Everlaneのマージンまでも公開しています。(マージンといえば、最大の企業秘密の一つ。それを大胆にもオンラインで公開してしまうことは、あり得ないくらい常識破りなことなんです!)

透明性をより詳しく伝える手段として、Everlaneはソーシャルメディアを大いに活用しているのですが、そのユニークな使い方にも注目が集まっています。

例えば、Snapchatでは毎週火曜日にファンからの質問に答える「Transparency Tuesday」というコーナーを実施したり、instagramでは通常のブランドアカウント(@everlane)に加え、非公開のアカウント(@EverlaneStudio)を使って新商品を公開、一般販売に先駆けた販売を行うなど、常に新鮮なアイディアでファンとのコミュニケーションを行なっています。

あわせて読みたい:オンラインからブランドを築く、アパレル界の異端児「Everlane」

3.Lyst(Since 2010)

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Lystより

ロンドン発のスタートアップ企業「Lyst(リスト)」は、ユーザーにパーソナライズされたファッションマーケットプレイス。世界中のトップブランドとショップのサイトを横断してショッピングを楽しむことができます。

また、Lyst上でまとめてお会計まで済ませることができるシングルチェックアウト機能があるので、欲しいものを探し求めて色々なサイトをサーフィンする必要はもうありません。(シングルチェックアウト機能は、イギリス、アメリカ、ヨーロッパのみ対応 ※2016年6月現在)

気になるアイテムを「Lyst(=お気に入り)」に追加しておくと、セールになった時に真っ先に知ることができるセールアラート機能も。とにかく提携ショップ数が多いので、かなり高い確率で気になるアイテムやブランドをセールプライスで仕留めることができます。賢くショッピングを楽しみたいバーゲンハンター必須のサービスです。

あわせて読みたい:「買い時」を逃さない!気になるアイテムのセール情報を教えてくれるサービス4選

4.RewardStyle(Since 2011)

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「rewardStyle」が提供する「LIKEtoKNOW.it」のサイトでは、同サービスに参加しているインフルエンサーの投稿をまとめて見ることができる。 ― LIKEtoKNOW.itより

テキサス州ダラスに拠点を構える「rewardStyle(リワードスタイル)」は、インフルエンサーのためのマネタイゼーションプラットフォーム。ブログやソーシャルメディアで紹介した商品が売れた際に、売上の一定割合の報酬を受取ることができる、いわゆるアフィリエイトプログラム。完全招待制で現在9,000人を超えるトップクラスのインフルエンサーが使用しています。

また、instagramのコンテンツの購入を可能にする画期的なプラットフォーム「LIKEtoKNOW.it(ライクトゥノウイット)」 を展開。LIKEtoKNOW.itに登録済のインフルエンサーの投稿に「いいね」をすると、メールにて投稿内で使用されている商品の購入ページへのリンクが送られるという仕組みです。

コンテンツ配信の場がブログからinstagramにシフトする一方で、インフルエンサーを悩ませていたinstagramのリンクが貼れない問題を一挙に解決し、インフルエンサーのマネタイズをさらに強化しました。

あわせて読みたい:ファッションスナップで稼ぐ―インフルエンサーのマネタイズ事情

5.Nineteenth Amendment(Since 2013)

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Nineteenth Amendmentより

新進気鋭のデザイナーのために、Made in USAの生産サービスとブランドと消費者を繋ぐマーケットプレイスを提供する「Nineteenth Amendment(ナインティーンス・アメンドメント)」。

このプラットフォームを使うことで、デザイナーは、生産前にプレオーダーという形で商品を販売をすることができます。Nineteenth Amendmentがオーダー数に基づき、アメリカ国内の工場に生産を手配してくれるので、デザイナーは在庫リスクを抱えることなく、ブランドをローンチすることをができます。

また、Nineteenth Amendment自体がアップカミングなブランドを紹介するメディアとしても機能しているので、ブランドはファッション感度の高い層にリーチをすることができます。

一方で、消費者である私たちにとってのメリットは、新進気鋭のデザイナーのアイテムをプレオーダー価格で購入することができるという点にあります。また、お気に入りのデザイナーをフォローしたり、コレクションに対して意見を投稿することができるので、ブランドのサポーターとして、見込んだブランドの成長を応援することができます。

あわせて読みたい:新進気鋭のデザイナーと消費者を繋ぐFashion Techスタートアップ「Nineteenth Amendment」

6.ThirdLove(Since 2013)

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「ThirdLove」のアプリを使えば、たったの4ステップで正しいバストサイズを知ることができる。 ― ThirdLoveより

正しいサイズを選ぶことが重要なブラ。体にぴったりとあったブラを着けるだけで、お洋服の着こなしもバッチリ決まります。その一方で、正しいサイズを知りたいと思ったら、お店に行って採寸をお願いしなければなりません。同じ女性同士であっても、恥ずかしさを感じてしまったり、着ている服を脱がなければならないので、面倒くさくも感じますよね。

そんな女性の悩みを解決するべく、iPhoneアプリを使って自宅でバストサイズを測定することを可能にしたのが、サンフランシスコ発のインティメートブランド「ThirdLove(サードラブ)」。アプリを起動させたら、音声案内に従って正面とサイドから鏡越しに写真を撮影します。そして、アンダーバストとトップバストの位置から正しいサイズを割り出してくれるという仕組み。

ブラに限らず、自宅で正しいサイズを測り、測定したサイズに基いて商品を選ぶことができる仕組みが整えば、オンラインでのショッピングも大きく変わりそうです。

7.Swipecast(Since 2014)

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Swipecastより

モデル版「Uber」とも称される「Swipecast(スワイプキャスト)」は、クライアントとなるブランド、デザイナー、フォトグラファー、スタイリストなどがスマホアプリ上でモデルを直接キャスティングすることが出来るサービス。

通常、モデルエージェンシーを通じてのモデルのブッキングは、手数料を上乗せした価格となり、モデルとクライアントの間に第三者が介入することでスケジュール調整に時間が掛かることも。

クライアントは、モデルが事前にアプリ上にアップロードしたポートフォリオを見ながら身長やヘアカラー、居住地などの条件に合ったモデルを自ら探すことができ、モデルのinstagramアカウントを見たり、モデルと直接チャットをすることができるので、契約する前に気になるモデルのパーソナリティーを直接知ることもできると言います。

ブッキングの成約後、プロジェクトが完了次第、クライアントはSwipecastを通してモデルにギャラの支払いを行います。Swipecastの利用手数料は10%。モデルとクライアントとのスムーズな関係構築に一役買っています。

予算の少ないアップカミングなブランドやデザイナー、インディペンデント系マガジンなどは、大いにSwipecastの恩恵を得ることができるでしょう。また、これからキャリアをスタートさせたいモデルにとっても、自らの手で自身をプロデュースし、自分の意志で仕事を選べるようになるので、才能と努力次第で成功のチャンスが広がります。

あわせて読みたい:キャスティングに革命を。「SWIPECAST」がモデル版Uberと注目を浴びる理由

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以上、業界のこれまでの仕組みを大きく変えつつある、7つのFashion Techスタートアップ企業をご紹介しました。

他の業界に比べればまだまだアナログな部分が多く、また奇妙な慣習が多く存在しているファッション業界ですが、インターネットとテクノロジーの力によって急速に民主化されつつあります。

RewardStyle」「Nineteenth Amendment」「swipecast」のように、コネや資金がなくても、好きなことを仕事に出来たり、自分で働き方を決めることができる土壌が登場しています。無駄が排除され、作る人、売る人、買う人、全てが適正価格で取引ができる様になれば、ファッションはもっと自由で豊かになるはずです!