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【財務分析レポート】大幅な減収、損失を計上した三陽商会

三陽商会の2016年12月期第2四半期は大幅な減収で、損失を計上した。「バーバリー」ブランドのライセンス終了の影響大きかったほか、百貨店を中心とした販路が苦戦した。当初の計画値を下回る第2四半期になった。この結果を受け、「中期5カ年経営計画」を一旦、取り下げる。

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三陽商会、2016年12月期 第2四半期
財務諸表(表1)

レディスが苦戦傾向に

「バーバリー」が抜けた後を補完するブランドに位置付けていたマッキントッシュ ロンドン事業およびブルーレーベル/ブラックレーベル・クレストブリッジ事業が計画に対し18%程度のマイナスで推移したことも影響した。レディスを中心とした主販路の百貨店において、市場が厳しかったことにより、既存店ベースで96%と前年を割り込んだこともマイナス要因だった。

上期で健闘したブランドは「マッキントッシュ フィロソフィーズ メンズ」(前年比113%)や、「三陽山長」(同111%)、「ラブレス」(同110%)、「エポカ ウォモ」(同108%)など。全体的にレディスが苦戦傾向にあった。

通期(下期)では、販管費の削減・希望退職制度の実施による人員整理・不採算事業の撤退などを実施する。引き続き、主力に据えるマッキントッシュ ロンドン事業およびブルーレーベル/ブラックレーベル・クレストブリッジ事業を強化していく。Eコマースの拡充にも力を入れる。

財務面は比較的安定

財務面では、売上高総利益率(粗利率)の大幅な影響を受けて、交差比率が91.5(65.7ポイント減)と大きく落ち込んでいるが、そのほかの指標は比較的安定している。商品回転率は2.3(0.8ポイント減)と悪化したほか、資本回転率が低下している。これは急速な収益源が影響している。

手元流動性比率は、急速な売上減の影響によるもの。手元資金は比較的潤沢である。有利子負債は94億円(4億5,000万円減)で、前年同期比でやや減少した。D/Eレシオは微増したが、0.18倍と正常な範囲にとどまっている。店頭売りは厳しいが、財務状況は健全な状態を保っている。

上期の苦戦を受けて、通期見通しは下方修正している。連結売上高は700億円、利益面は営業損失68億円を計上する計画だ。店頭の売り上げを早期に回復させることが、収益改善の大きな取り組み課題だろう。

(樋口尚平)