サンフランシスコ・ニューヨークを拠点とするグローバル市場向けクリエイティブエージェンシー

リーダーは本当に孤独なのか?

リーダーは本当に孤独なのか?の画像

とある時、アシスタントの子が"リーダーってやっぱ孤独ですか?"と聞いてきた。経営者を親に持つ彼、将来はそのビジネスを次ぎ経営者になる事を目標としている。そんな彼としては、今後自分がどのような存在になるべきかが気になるらしい。

"リーダーは孤独なのか?" その答えは意外と難しい。孤独なのか?と聞かれたらYesともNoとも答えられる。そんな彼からの質問がきっかけで、リーダーは孤独であるのか、そして孤独であるべきなのかをじっくりと考えてみた。

自分の場合は、会社を始めてからの数年は"まったく孤独ではない"と感じていた。スタッフとも日々仲良く仕事をするし、困ったときや悩んだときも常に一緒に考える。当時、"経営者は孤独である"との噂を聞いていた自分としては、肩すかしを食らった気持ちでいた。

- 初期フェーズ: リーダーは孤独ではない -

しかし、会社が成長し、スタッフも増え、経営者に求められるスキルと期待値が上がるにつれ、スタッフには簡単に相談出来ない事や、自分で考えなければならない事、その決断で誰かを傷つけてしまう可能性がある時などは、かなりひとりぼっち感を感じ始めていた。

そして、信頼しているスタッフが会社を辞めたり、物事がうまく行かなくなったりすると、"なぜ全て自分ばかりに降り掛かり、誰も助けてくれないのか"という気持ちになり、強烈な孤独感に見舞われた。そんな時は、"これが、かの有名な経営者は孤独だ"の状態なのかと感じた。

もちろんこれまでの人生においてそんな感覚に追いやられた事はほぼ無く、初心者経営者への洗礼としての"誰も助けてくれない、頼れるのは自分だけ"状態を迎えた。そんな時は世の中のすべてが敵の様に感じられ、絶対的な孤独感と絶望感が自分に降り掛かって来た。

- 第2フェーズ: リーダーは孤独で辛い-

そして、そんな孤独と向き合いながら仕事をしていると心が少しずつなれ始め、またスタッフとの距離もまた近づき、孤独感も和らいだ。しかし、初期の教訓から馴れ合いの"和気あいあいグループ"に戻ることはしなかった。絶対的な信頼と、いざとなったときはどんな事をしてでもサポートする姿勢は保持しながらも、"ベタベタ"な関係にはならない。

それはまるで経営者からみてのスタッフはスタッフは家族みたいなものであり、家族には話せない事もぶっちゃけで話せる親友的な存在ではない。常にベタベタする事はない。でも、いざとなったら絶対的に助ける。そんな距離感がふさわしいのではないかと感じ始めた。

それは、リーダーとしての孤独を受け入れながらも、決して悲観的にはならない。最適な距離感を保ちながら、それをコントロールする事で、"会社が綺麗にまわる状態"を作り上げるのが経営者の仕事でもあると感じられる様になった。

- 第3フェーズ: リーダーは孤独であるが決して辛くは無い-

では、リーダーとは結局どんな存在なのだろうか? おそらくそれは太陽の様なもの。太陽系の中心に存在する唯一の恒星。強烈な引力で周りの惑星を惹き付けながらも最適なバランスを保つ。強烈な光と熱で他の惑星を照らし続けるが、近づけすぎると燃えてしまう。

そんな孤高な存在の太陽は太陽系のどの惑星よりも輝き、どの惑星からもその存在を確認する事が出来る。しかし、自分自身が他の惑星に接近しすぎる事も消える事も許されない。

そんな事を考えていたら、偶然にも以前にソフトバンク社で孫さんの側近として働いていた方が近い事を語っていた。

"ソフトバンク内では「近づきすぎると焼け死ぬ」とよく忠告を受けました。

孫さんの凄さは、多くの人に "孫さんの人生を生きさせる" ための、太陽のような引力にあると思う。
一旦引力に入っても、それができない人は別離するし、それができる人は離れられなくなる。"

リーダーは孤独である。恐らくこれは真実であろう。しかし、誰よりも強い光と熱量で周りを照らし、強烈な引力で引き寄せ続ける事ができれあば、決してそれが辛い事ではないのかもしれない。

その孤独はLonely (寂しい) ではなくSolitude (孤高の存在). このSolitudeという単語はラテン語の"Solor = 太陽"が語源になっているのもなんだか妙に納得でしてしまう。

参考: ゼロのつよさ ~選択肢が無い可能性~

筆者: Brandon K. Hill / CEO, btrax, Inc.