オンラインアパレルブランドのボノボス&ワービーパーカー、最大1,000店舗展開を予定

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■老舗デパートメントストアのメイシーズは来年、100店舗を閉鎖する。同社は昨年度も40店のデパートを閉鎖したばかりだ。JCペニーやシアーズ、ステープルズ、テイラード・ブランドも店舗閉鎖をおこなっており、スポーツ専門手チェーンのスポーツオーソリティは企業清算で全店を閉鎖、同業のスポーツ・シャレーも全店をスクラップした。パシフィック・サンウェアも倒産で店舗閉鎖し、倒産したエアロポステールも店舗スクラップだ。6月にはラルフローレンが約50店舗を閉店している。米国最大の小売チェーンのウォルマートは今年、国内の154店を含む約270店を閉鎖した。ウォルマートは来年度、出店よりITに設備投資を増やす戦略転換を行う。大手チェーンストアによる相次ぐ店舗閉鎖が鮮明になっている一方で出店を加速している企業もある。
サンフランシスコに2年前、1号店を出店したネット通販最大手のアマゾンのポップアップストア(Amazon Pop-Up store)は現在26店舗(13州)を展開している。アマゾン・ポップアップストアは年内までにさらに30店以上を追加出店し、来年には最大100店舗以上の展開を計画しているのだ。またアマゾンのリアル書店「アマゾン・ブックストア(Amazon Books)」は2号店目が先月オープンし、オレゴン州タイガード地区の3号店、シカゴ近郊に4号店の計画が発表されており、ニューヨークのハドソンヤード(Hudson Yard)への出店も噂されている。数年前までオンライン専売だったアマゾンがリアル店舗でのプレゼンスを増しているのだ。アマゾンばかりではない。オンライン専売ストアだった企業もリアル店舗の展開を加速している。
2007年創業したオンライン・メンズ・アパレル・ブランドのボノボス(Bonobos)はショールームのボノボス・ガイドショップを2020年までに100店舗展開を目指しているのだ。2011年から出店しているボノボス・ガイドショップは現在、27店舗を展開している。同社創業者のアンディ・ダン氏によると、チェーンストアなどのリアル店舗は店舗過多で過剰在庫となっており「負の遺産システム(legacy system)」と見ている。在庫を持たずショールームで展開するガイドショップはオムニチャネルでもニッチな存在であり、店舗数はまだまだ伸ばせるとみているのだ。メガネ通販でショールーム展開も行っているワービーパーカー(Warby Parker)は、同社ショールーム展開を最大1,000店舗での展開を模索している。現在は39店舗だがこれまで出店しなかったリージョナルショッピングセンターを含め、今年末までに50店舗に増やしていく。共同創業者のニール・ブルメンソール氏は将来的に800~1,000店展開でのビジョンを描いているのだ。
アマゾンもボノボスもワービーパーカーもチェーン展開は成功体験のないまったくの初心者だ。初心者だからこそ既存の考えに縛られない柔軟な発想で多店舗展開できるのかもしれない。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。先日、友人とランチをしました。今の仕事から独立する方向で考えているので、私からアドバイスを受けたいとのことでした。で、私からの助言は「自分と同じ状況にある人を想定して、『その人がやりがちな思考をしてありふれた行動』を敢えて意識してとらないようにする」でした。誰もが自分は特別な存在で、ユニークだと思っています。自分は他人とは違うと誰もが信じています。でも、自分がやっていることは他人もやっていたりするものです。事例として挙げれば、当ブログのタイトルを考えたときがまさにそうです。当時、後藤は「アメリカの流通情報をブログで発信する人は、どのようなタイトルを考えるだろうか?」と考えたのです。「後藤文俊のアメリカ流通最新ニュース」みたいなタイトルになるだろうと想像しました。冠に自分の名前を付けるのは、やりがちなアイディアであり、ありふれたブログ名になります。
⇒やりがちなことを悪いと言っているわけではありません。やりがちなことをすると、自分が特別な存在にならなくなります。コモディティ化してしまうのです。扱う商品やサービスの前に、まずは自分の存在を際立たせないと、同じような競合が現れたときに差別化できなくなるのです。実は友人にアドバイスする前、私と一緒に昼食をして助言を受けたいとの問い合わせがありました。こういったのもありがちな行動だと思います(実際よくある)。コンサルティング料をできれば払いたくないという「ありがちな思考」をして、ランチぐらいだせば食事中に何か有益なアドバイスを得られるだろうとメールで依頼する「ありふれた行動」となるのです。仮にこれが上手くいっても、私のアドバイスは右耳から左耳です。「苦労なくしては利益はない」の「ノーペイン・ノーゲイン(no pain no gain)」。残念ながら人は安く得たものはチープに扱うものです。自分と同じ状況にある人を想定して、その人がやりたがらないだろうことをやればいい。

⇒これは企業へのアドバイスでも同じです。「ウチと同じ業界でのアメリカの成功事例を教えてください」という相談が実に多いです。これもありがちなパターンです。これをやって上手くいっても、競合も同じようにすぐにやり始めます。で、再びレッドオーシャン的な過当競争に陥ってしまいます。変化とはまずは自分の思考パターンから変えなければならないのに、先にやりがちなことをしてしまうのです。「自分と同じ状況にある人を想定して、客観的に自分の思考や行動・習慣を知るトレーニング」だと思ってやってみてください。で、無意識に「やりたくないなぁ~」との印象を持った事柄が、検討すべきことなのです。無意識に抵抗してしまうような考えは、誰もがそう思うものです。アメリカのチェーンストアは長い間、誰もがやってきた成功パターンで上手くいっていました。今では誰もが店を閉める状況に陥っています。一方でEコマース発の企業が、ショールームで店舗数を増やしているのです。
マジョリティではなくマイノリティな思考はいうほど簡単ではありませんが、みんなと同じが一番と考えては運命も同じになります。

後藤文俊