ノードストローム、試着の予約サービスを導入か?

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■高級デパートメントストアのノードストロームは、試着用の取り置きサービス「リザーブ&トライ・イン・ストア(Reserve & Try In Store)」のテストを行っている。リザーブ&トライとも呼ばれるオンライン・ツー・オフライン(Online to Offline:オンラインからリアル店舗のオフラインへ顧客を誘導する戦略)でリアル店舗の売上を増加させる。ワシントン州シアトル市内にあるノードストローム旗艦店で行われているリザーブ&トライは、試着用に衣類などを予約しておくもの。同社のアプリから試着したい衣類のカラーやサイズを選び予約を行う。店舗では試着室近くにある「オーダー・ピックアップ(Order Pickup)」で商品を受け取って試着する。予約は無料で10着まで取り置くことが可能。また予約から試着まで最短2時間ででき、取り置きは翌日の閉店までとなっている。
ノードストロームが8月に発表した第2四半期(5月~7月期)では35.9億ドルと前年同期の36.0億ドルから0.1%減少した。同社では毎年恒例となるアニバーサリーセールが第3四半期にずれ込んだことで売上が減少した。純利益は44.5%減益となる1.17億ドルだった。既存店・売上高前年同期比は1.2%の減少となった。フルプライス・デパートメントストアのノードストロームの売上高は26.6億ドルと前年同期比2.8%の減少となった。売上内訳は118店舗となる実店舗が前年同期比6.5%減少して19.8億ドル、一方のオンラインストアのノードストローム・コム(Nordstrom.com)は同9.4%増となる6.8億ドルだった。同社は3月、IT関連のスタッフ約150人の人員削減を行っており、第2四半期も本部および地域のサポート部門スタッフ約400人のレイオフを行っていた。ノードストロームは傘下にオフプライスストアのノードストローム・ラックやそのオンラインストアのノードストローム・ラック・コム/オートルック(Nordstromrack.com/HauteLook)などを持つ。
ノードストロームのリザーブ&トライに似たオムニチャネル・サービス展開はGAPでも3年前から行っている。GAPとバナナリパブリックで行っている「リザーブ・イン・ストア(Reserve in Store)」は取り置きから試着まで最短30分で行うことができ、取り置き期間は翌日の営業時間までとなっている。GAPのリザーブ・イン・ストアは最大5着まで取り置き可能だ。

トップ画像:ノードストローム・アプリの試着用の取り置きサービス「リザーブ&トライ・イン・ストア(Reserve & Try In Store)」スクリーンショット。利用の仕方は1)最寄りのノードストロームでアプリ経由で試着予約をして、2)メールで2時間以内に準備完了で通知し、3)商品を受け取って試着する。ワシントン州シアトル市内にあるノードストローム旗艦店などでテスト展開を行っており、テスト後は全店に展開する予定だ。
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3年前からGAPで行っている「リザーブ・イン・ストア(Reserve in Store)」。取り置きから試着まで最短30分で行うことができ、取り置き期間は翌日の営業時間までとなっている。GAPのリザーブ・イン・ストアは最大5着まで取り置き可能だ。GAPに行くと必ず確認しているが、試着予約で何着かおいてあるので需要はあるようだ。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。アメリカ小売業を研究する際、オムニチャネル戦略で最も大切なポイントはオンラインストアの売上だけでなく、リアル店舗の売上も伸びているかをモニターすることです。ノードストロームはオムニチャネル成功事例として取り上げられることがありますが、どちらかというと後藤はその考えに懐疑的でした。ノードストローム・ラックのオフプライス業態を早くから展開しているのでメイシーズよりはうまくいっているのですが、ノードストローム本体の売り場を見るとクエッション・マークがつくのですね。どこにクエッションマークがつくかは当社の「最新!ネットとリアルが融合するオムニチャンネル戦略セミナー」の実習で解説しています。メイシーズもノードストロームも急増するオンライン売上に対して店側が追いついていないことなんですね。老舗と言われるデパートメントストアの宿命みたいなものです。今回のリザーブ&トライも遅いぐらいの展開ですから。
顧客を抱えるベテラン販売員がいる現場ほど、オムニチャネル戦略を煙たく思うのです。当ブログをよーく読み込まれている読者や当社のコンサルティングやセミナーを受講したクライアントはその理由を分かっています。

後藤文俊