デニム系ニュースを中心に業界情報を網羅

ワールド、閉店の影響で減収するも構造改革が進み増益に

ワールド(神戸)の2016年3月期第2四半期(上期)連結決算は、閉店や既存店売り上げの減少で減収したが、組織の構造改革が進み、増益を達成した。中期3カ年計画の2年目に該当する今期の上期決算は、売上高総利益率(粗利率)が改善するなど、再浮上の兆しが見られる結果となった。

world_1116_1.png

ワールド、2017年3月期
第2四半期 財務諸表(表1)

粗利率が改善

売上高は減少したが、プロパー品および値引き品の消化が効率良く進んだことで、粗利率が1.0ポイント改善し56.8%になった。また、販管費率が1.6ポイント減の52.0%と低下したことも増益に貢献した。「従業員給付費用」や「賃借料」「歩率家賃」などが減少したことで、販管費が減少した。粗利率は、重点的に売る商材とマークダウンする"見切り"を厳密に管理することで改善した。

既存店ベースの売上高は前年同期比97.6%。端境期の猛暑や台風などの天候不順が影響し、目標とする100%には届かなかった。販路別では、「百貨店・SPA」業態が98.8%と健闘した。ショッピングセンター(SC)の販路は97%弱だった。具体的なブランドでは、「インディヴィ」は2ケタ近い伸びだったほか、「アクアガール」なども貢献した。SC向けでは、「オペークドットクリップ」や「ザ ショップ ティーケー」が健闘。「ル ティロワ ドゥ ドレステリア」は20-30%の伸びだった。

上期の退店数は62店(単体)、出店数は40店。収益性の高い店舗を残し、効率化を図ろうとしている。3か月おきに各ブランドの効率性を見極め、撤退の是非を検討していると言い、現在、1ブランドを新たに事業収束──スクラップする計画だ(ブランド名は非公表)。期末の店舗数は約2,500店。今後は手薄なNSC(ネイバーフッド型SC)やCSC(コミュニティー型SC)への出店を進めるという。

組織改革に手応え

world_1116_2.png

ワールド、2017年3月期
第2四半期 部門別売上高(表2)

上山健二・代表取締役社長執行役員は、既存店売り上げが前年比をクリアできなかったことについて「納得できる結果ではない」と言うが、前述のように複数のブランドで健闘が見られることもあり、「(改善の)手応えを感じている。ぎりぎり及第点だろう」と語る。

下期は、実店舗とECサイトの在庫の共有化を進める。10月下旬から順次、体制整備を進めており、実店舗でECの、またECで実店舗の在庫を販売できるようにしていく。また、今年12月をめどに千葉・南船橋へ新しい物流センターを開設する。「三井不動産ロジスティクスパーク船橋」の2フロアを使用する予定だ。SC業態のブランドを中心に全体の約70%の商材を集約し、効率化を進める。

出店政策では前述の通り、NSCやCSC業態への展開を強める。「NSCやCSCへの出店は全国の数10%にとどまっている」(上山社長)と言い、成長の伸び代があると期待を掛ける。NSCへの出店は上期において、すでに62件の出店交渉が成立している。今期中に100件以上の商談成立を見込んでいる。

財務面では、増益を達成したことで営業キャッシュフローが改善。有利子負債も1,040億3,600万円(31億3,400万円減)とやや減少した。自己資本比率が増加したこともあり、D/Eレシオが6.5倍と改善している。商品回転率が0.2ポイント改善、粗利率の増加もあり、交差比率が増加した。回転率は自己資本が増加したため下がったが、総資本はほぼ前年並みだった。

通期の業績予測は、非上場のため開示していないが、下期も上期同様、筋肉質の経営により利益を確保する方向性を踏襲するとみられる。減収増益の見通しと考えていいだろう。数値に表れてきた改善の兆しをさらに本格化する。

(樋口尚平)