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シトウレイはなぜ"オフ・ランウェイ"を見るのか?

11月10日(木)、IFIビジネス・スクール主催のストリートスタイルフォトグラファーシトウレイさんによるセミナー「シトウレイファッションセミナーvol.5」が行なわれました。シトウさんは、"ランウェイ周り、つまりオフ・ランウェイのリアルトレンド、両方を見ると次のトレンドが見えてくる"という独自の審美眼で、コレクションに訪れる世界中のファッショニスタのスタイルを撮り続けています。

開催5回目となる今回は、このセミナーの役割、そして2017年春夏のパリコレ オフ・ランウェイについてキーワードで解説してくれました。

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オフ・ランウェイには何がある?

シトウさんはまず始めに、なぜオフ・ランウェイを見るのか、何を見るべきなのか?教えてくれました。

「ランウェイはもちろん、ランウェイを見に来ている人たちのリアルなスタイルからトレンドが見つかると私は考えています。消費者であるストリートの人たちが実際に"買っている"ということも大きな答えで、それはオフ・ランウェイでしか見られないものです。

昨今のモード業界がストリートに寄せてきている流れもあり、ストリートクチュールをどうブランドに落としこむかもポイントになっています。そのストリートの要素がある場所こそ、オフ・ランウェイです。リアルなトレンドをキャッチするには、ランウェイだけではなく、オフ・ランウェイも大切です」。

デザイナー、企画、PR、販売...ファッション業界の仕事に欠かせない「伝える力」

続けて、シトウさんはこのセミナーの役割について、

「ファッションの仕事は感性が大切です。でも、その感性も言葉にできなければ人に伝えることができません。デザイナー、企画生産、PR、ファッションに関わる仕事に必要なのは"伝える力"。特に、一番大切な販売の仕事は、いくら感性で『これが今の気分ですよ』とお客様に伝えても、理解してもらうのは難しいと思います。だからこそ、ファッションを通じてスキルアップするということをやってみてほしいと思います。写真から情報を得て自分の血肉に変えるための、思考力を磨くトレーニングだと思って参加してほしいです」と言います。

さらに、自分のマーケット以外を見ることも大切なポイント。自分には関係のない年代や性別のファッションでも、それを自分に引きつけて考えてみることで得られる情報が沢山あるそうです。

「ジェンダーレス」と「ユースパワー」。オフ・ランウェイで感じた2つのキーワード

さらに、シトウさんがパリコレのオフ・ランウェイで感じた2つのキーワード、「ジェンダーレス」と「ユースパワー」についてのコメントを抜粋します。

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「『ジェンダーレス』というトレンドは、性別に対する偏見やLGBTの人たちが抱える葛藤を減らしてくれたのではないかと感じます。今回、オフ・ランウェイのLGBTの人たちがすごく元気だったんです。好きな服を好きなように着る、男の人が女の人の服を着てもいい、好きなファッションを楽しんでいる人が目立っていました。

ファッションが単なるトレンドから社会に影響を及ぼす一つのムーブメントのきっかけをつくるというのはすごいことだと思います。ファッションは世界を変えられる、ということが、もしかしたら本当にできるんじゃないのかな、そう感じるほど彼らは生き生きしていました。

2つめは『ユースパワー』。今、ストリートの要素がクールとされていて、モードもストリートに引っ張られている流れがあり、それをつくっているのがユース達です。いわゆるファッショニスタと言われる人たち以上に、ユースの持つパワーはオフ・ランウェイでも目立っていました。どのブランドを着ているとか、誰の真似をしているというわけでもない、だけどすごく旬な着こなし。そういうパワーある世代の着こなしにデザイナー達も注目しています」。

トレンド総括では、カラーや柄、アイテム別の傾向についてお話があり、シトウさんならではの視点が披露されました。セミナーの終わりには聴講者からの質問にシトウさんが答えるという貴重な時間が設けられ、全国から集まったファッション業界人に沢山のヒントを与えてくれる素晴らしいセミナーでした。

今回お伺いしたところ

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IFI ビジネス・スクール https://www.ifi.or.jp/school/
ファッション・ビジネス界で活躍するプロフェッショナルを育てるファッション業界に特化したビジネススクール。ファッション業界を目指す人や業界で働く人々に向け、様々な講座や研修を行う。