米アマゾン、レジのないコンビニエンスストア出店を発表

■ネット通販最大手のアマゾンは5日、レジのないコンビニエンスストア出店を発表した。アマゾンが来年早々、シアトル地区(2131 7th Ave Seattle, Washington)にオープン予定なのが50坪程度の広さとなる「アマゾン・ゴー(Amazon Go)」。卵やミルク、パンなどのステープルズ商品にサンドウィッチやサラダ、コーヒーなどの飲み物、さらにアマゾン独自のミールキットを販売する。アマゾン・ゴーは自動運転車に搭載されているコンピューター・ビジョン(Computer Vision)やセンサーフュージョン(Sensor Fusion)、デープラーニング・アルゴリズム(Deep Learning Algorithms)に人工知能(AI)を駆使した最先端のコンビニだ。顧客は入店時に同店のアプリを起動してバーコードをスキャンして買い物を始める。買い物は商品を自分のバッグにそのままいれていくだけ。商品バーコードをスキャンする必要もなく、レジに並んで会計もせず、アプリ上の決済さえ不要だ。商品を持ったまま店を立ち去る(ウォークアウト)だけ。アマゾンの「ジャスト・ウォークアウト・ショッピング技術(Just Walkout Shopping Technology)」は、無数にあるカメラやセンサーで顧客の動作を感知することで、顧客の買い物をAI分析し、自動的に顧客のアカウントに課金するシステム。客が商品を手に取って一旦、商品棚に戻しても自動的に課金をキャンセルする。店を出た後にeレシートを顧客のアプリに送付する仕組みだ。
アマゾンにはアマゾン・ゴーの他にシアトルにドライブスルー専用スーパーをオープンすること計画がある。「ドライブアップ・ストア」「クリック&コレクト」と呼ばれるドライブスルー専用スーパーは、利用者がネットで注文した生鮮食品などを、車から降りずに商品を受け取るサービス。店舗面積270坪となる店はネットから注文した商品を2時間枠内で受け取れ、敷地内の駐車場の混雑を避けるため、同じ時間にピックアップできる客数を限定とし、注文品の受け取りは指定された8つの駐車スペースで車をとめ、スタッフが車のところまで運んでくるか、利用者が建物内のピックアップエリアで商品を受け取るとなっている。また建物内にあるタブレットから注文して、その場で受け取ることもできる。アマゾンの実店舗展開は、10坪前後で30ヵ所以上のモール内に展開する「アマゾン・ポップアップストア(Amazon Pop-Up store)」や、ワシントン州シアトル地区のユニバーシティ・ビレッジ(University Village)やサンディエゴ郊外のウエストフィールドUTCモール(Westfield University Towne Center Mall)、オレゴン州タイガード地区のワシントン・スクエア(Washington Square)内にそれぞれオープンしている書店の「アマゾン・ブックス(Amazon Books)」がある。

トップ動画:レジのないコンビニエンスストアの「アマゾン・ゴー(Amazon Go)」。50坪の広さで品揃えは普通のコンビニと変わらないが、入店時にバーコードチェックインして、買い物は商品を自分のバッグにそのままいれていくだけ。商品バーコードをスキャンする必要もなく、レジに並んで会計もせず、アプリ上の決済さえ不要だ。商品を持ったまま店を立ち去る(ウォークアウト)だけという脅威的テクノロジーだ。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。先日のニューヨークとロサンゼルスをまたいだ視察研修では参加者にスキャン&ゴーやセービングキャッチャー等を実際に使って買い物をしてもらいました。某メーカーさんの参加者はその威力に感動し、一部にかなり動揺していました。「アプリ一つとっても、こうも顧客第一主義が徹底しているのか!」と驚きとため息が漏れていました。我々の視察研修と同じようにニューヨークとロサンゼルスをまたいだ視察グループに遭遇しました。実はこの某大手スーパーマーケットチェーンを中心にしたグループのオーガナイザーが数か月前、後藤にもコンサルティング依頼をしていたのでした。ただ、依頼時にまだツアー日程がはっきりしなかったのでお断りしました。ロサンゼルスでのスーパーマーケットの視察で、このグループと再び一緒になった時、日本の大手技術系企業にそのオーガナイザーも参画する未来のマーケティング事例の映像を見せられました。
⇒この時、正直に感じた日本の技術はまさに「ガラパゴス」。技術は凄いのですが「方向性が間違っている」売り手目線なんですね。消費者の目線がまったく欠けているのです。一言でいえば、消費者にそれほど嬉しくないテクノロジーなんです。消費者にメリットが分かりにくい。で、その彼から再びコンサルティング依頼が来ているのですが「自分たちの見たいように見たい、見たいところしか見ないのなら(大変不遜な言い方となりますが)他のコンサルタントやコーディネーターをあたってください。リアルなアメリカ小売業を視察し消費者体験したいのであれば、私にご依頼いただけたらと思います」と返答しました。今、アメリカの小売や流通で起こっているのは「地殻変動」です。単に店を見て回るだけの旧態依然な古い視察ではアメリカ小売業の現在をまったく理解できません。日本の大手技術系企業が提案するテクノロジーでさえ、ガラパゴス技術になっているのは消費者目線でアメリカ流通の地殻変動をリアルに体験・観察していないからです。

16年11月28日 - 【オムニチャネル】、世界最先端のショッピング事例!ショッピング革命は大袈裟でない?

16年11月29日 - 【オムニチャネル】、近未来のショッピング事例2!未来は体験しない限り理解できない?

⇒モノやそれをコーディネートして豊かさを感じるのではなく、買い物の便利さに豊かさを感じる時代です。タイム・イズ・マネー、現代の消費者には時間が最も貴重な消費資源です。時間を節約することで、貴重な時間を増やしてくれるのがオムニチャネルです。サムズクラブのスキャン&ゴーの便利さは、いくら強調してもしすぎることはないほど優れています。参加者は口ぐちに「買い物でレジに並ぶことが、これほどストレスであったことが分かった」と驚きます。近所にあるサムズクラブには買い物に行くのではなく、近所にある倉庫に品物をピックアップしにいく感じなのです。売り場でそのままバッグに商品を入れる行為は他のお客から見れば万引きにも見えます。サムズクラブのスキャン&ゴーよりさらにテクノロジーを進めたのが、アマゾンのコンビニ「アマゾン・ゴー」です。スーパーなどで最もクレームの多いレジを廃止したのです。AIが客の動作を認識して何を買ったのかを分析し、レジなしで自動課金してくれるのです。
当ブログでは食品のフリーフロムというトレンドを発信してきました。アマゾンはレジさえもレジフリーにします。してコンビニで新たなラストマイルを提案するのです!

後藤文俊