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マックイーンのアーカイブも、アメリカ最大のアートイベント「アート・バーゼル マイアミビーチ」をレポート

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ブライアン・イーノからマギー・リー、Public School、そしてケヒンデ・ワイリーまで----アメリカ最大のアート・イベント「アート・バーゼル マイアミビーチ」が、さらに充実の内容で開催された。

ジェフリー・ダイチとラリー・ガゴシアンによる『Desire(欲望)』
昨年、ダイチとガゴシアンという大御所ギャラリストふたりは共同でエキシビション『Unrealism』を制作・公開した。1980年代から90年代にかけて生まれた具象絵画ばかりを集めたジョイント・エキシビションとなった。そして『Unrealism』に参加していたアーティストたちが今回の『Desire』にも参加した。マイアミに改装されたばかりのムーア・ビルディングで、4階分という広大なスペースを使い、作品を展示した。参加アーティストにはナン・ゴールディン、ジョーダン・ウルフソン、マリリン・ミンター、ハーモニー・コリンなど錚々たる面々が揃い、ともに「エロティシズム」というテーマで発表した作品は、80点を超えるという。「エロティックはアーティスト、主題、そして観る者のあいだに力を生む」と、あのパブロ・ピカソの孫であり今展のキュレーターであるダイアナ・ウィドマイエール・ピカソは話す。祖父であるパブロ・ピカソの1956年作品もエキシビションには含まれており、他にもバルテュスのポラロイド作品などが展示された。キース・ヘリングからヴァネッサ・ビークロフト、荒木経惟、エディ・ピーク、ユルゲン・テラーなどの作品も展示された。『Desire』。参加アーティストのリストはこちら

Public Schoolのラジオ・パフォーマンス
ファッション・ブランドPublic SchoolとDKNYのデザイナーであるダオイー・チョウとマックスウェル・オズボーンは、これまで一貫してアートへの愛をあらわにしてきた。ふたりはこれまで、ダニエル・アーシャムの映像作品シリーズ『Future Relic』で衣装提供をしたり、Sotheby'sでキュレーションを手掛けたり、New Museumと手を組んで女性アーティストと乳児用保育器普及を支援するプログラムを立ち上げたりと、積極的にアートの世界での活動も進めてきた。Whitney Museumで開催したメンズ・コレクションのショーでは、チケットを一般配布したこともある。そんなふたりは今回、スポンサーのホテルConfidante Miami Beachが選ぶ2016年デザイナー・イン・レジデンスのレジデンス・アーティストとしてアート・バーゼル・マイアミビーチに参加した。先述のダニエル・アーシャムに加え、ヘロン・プレストンとストレッチ・アームストロング他多くのアーティストが、ふたりのラジオ企画作品『We Need Love』に参加した。「気取ったファッション作品にはしたくなかった。だから、ファッションだけでなくアートや音楽、文学、食の世界などあらゆる領域から友達や同志を集め、ダイナミックな対話から何かを生み出したいと考えた」とチョウは語っている。このラジオ企画『WNL Radio』は、Confidante及び一般ラジオで放送された。

ケヒンデ・ワイリーのフィッシュ・フライとボウリング・バッシュ
ホテルEDITIONは「楽しい時間とは何たるか」を熟知している。そして、アートの世界が醸し出す「近寄り難さ」「難解さ」からしばし休憩するならうってつけのイベントをいくつも用意してくれている(2年前には、レオ・フィッツパトリックが「なぜ嘔吐をテーマにしたインスタレーションを高級ホテルで展示したか」についてEDITIONのプールサイドで語ってくれた)。今年は、ケヒンデ・ワイリーが、EDITION内にあるMatador Roomのジェレミー・フォード総料理長を従え、恒例のフィッシュ・フライで来場者を迎えた。ケヒンデはまた、マルチメディアの達人ミカリーン・トーマスやアレックス・ベチェッラ(Alex Becerra)、オリヴィア・スティール(Olivia Steele)とともにBasement Miamiでイベントを開催した。Basement Miamiは、ボウリング場とアイススケート・リンク、クラブが入った、EDITIONが誇る一大エンターテインメント施設。ケヒンデはボウリング大会を開催し、光と照明を使ってコンセプチュアルな作品を生み出すアーティストのスティールはネオンを用いた最新インスタレーション作品を2点、クラブ・スペースで発表した。そこではDJハーヴィ(DJ Harvey)やサグファッカー(Thugfucker)、ドク・マーティン(Doc Martin)らがDJとしてプレイをした。地上階では、Half Galleryと303 Gallery主催でキム・ゴードンがサイン会が開催された。

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Maggie Lee, The Pool, 2016. Courtesy of the artist and Real Fine Arts

マギー・リー(Maggie Lee)のティーネイジ・ベッドルーム
この夏、マギー・リーは自身初となる個展『Fufu's Dreamhouse』を開催した。『Art in America』誌によれば、この個展でリーは「これまでに引き続き、思春期にある女子の心理と新世紀のサブカルチャーを彫刻やジオラマを用いて日記帳に綴っている」そうだ。今年のアート・バーゼルで、リーはキュレーターや批評家、アート作品収集家に選ばれた新進気鋭アーティストが大規模プロジェクト作品発表の場を与えられた「ポジション」部門に召喚されている。報じられているところによると、リーのプロジェクトはティーンの女の子のベッドルームをテーマとして映像なども用いたインスタレーション作品となっており、彼女自身の手作りによる入場券がなければベッドルームには入れなかったそうだ。「ポジション」部門に関する詳細はこちら

Satelliteの巨大シリアル・プール
最近になってアート・バーゼルへの参加を始めたSatelliteは、今年も大きな会場にショップを構えるのではなく、マイアミ市内に点在する空きスペースを利用してハプニングを披露する。昨年は、薬局として使われていたテナントスペースや、ノース・ビーチの野外円形劇場、ひなびたステーキハウス、そしてアール・デコ調ホテルのひとつなどでハプニングが行なわれた。超越的空間で知られるニューヨークのTrans-Pecosからサム・ヒルマー(Sam Hillmer)は昨年、Satelliteのキュレーション・メンバーの一員として参加していたが、今年はSatelliteと組んで「アンチ・バーゼル」な作品を作る手助けをしているという。今年のアート・バーゼル・マイアミビーチで、Satelliteはポスト・フェミニズムのタトゥ・パーラー、卓球をするスチームパンクのギリシャ像、クィアのストリップ、バーチャル・リアリティ・ラウンジ、そしてジェン・キャトロン(Jen Catron)とポール・アウトロー(Paul Outlaw)とともに巨大彫刻作品を作り上げた。2人は牛乳が噴き出す噴水を配した全長25フィートのプールにシリアルを敷き詰めた作品を発表した。観覧者はその中を泳ぐことができたという。Satelliteの作品スケジュールはこちら

エマ・サルコウィッツとヴァイオレット・オヴァーン(Violet Overn)によるコラボレーション・パフォーマンス
ニューヨークをベースに活動を展開するアーティスト、エマ・サルコウィッツとヴァイオレット・オヴァーンのパフォーマンス作品も、Satelliteによるもの。パフォーマンス・アートの世界で性的暴行をテーマに作品を展開してきた2人。サルコウィッツは、大学で自らの身に起こった性的暴行事件を題材に、犯行が行なわれた現場であるマットレスを「犯人が正当な罰を受けるまで」としてその後1年間にわたり担ぎ続けるというパフォーマンス「Carry That Weight」を行なった。このパフォーマンスは"マットレス・パフォーマンス"と呼ばれ、古くから横行している大学キャンパスでの性的暴行事件についてアメリカ国内で広く議論されるきっかけの一端となった。一方のオヴァーンは、アメリカ全土の大学で伝統的に受け継がれている男子学生友愛会「フラタニティ」に焦点を当てた作品で知られている。アメリカの大学にはいずれもフラタニティの活動拠点となる建物があり、オヴァーンはその前で赤いプラスチックカップやバケツが散らばる芝生に、まるで犯された後に放置されたような格好で横たわる----このパフォーマンスは「一部から強い抗議を受ける一方で、広く絶大なる支持を受けた」と彼女はi-Dに語っている。サルコウィッツがAtnetに語ったところによると、ふたりがアート・バーゼル・マイアミビーチ2016に出展する作品は「マイアミのパフォーマンス・アートを批評する」という内容だった。

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Brian Eno's work at the Venice Biennale. Photography Paolo Tonon

ブライアン・イーノによるライト・ボックス
アートフェア「CONTEXT」では、ロンドンのPaul Stolper Galleryのプレゼンテーションとして、あの伝説的ミュージシャンのブライアン・イーノによるライト・ボックス作品が展示された。この作品は「色彩が自ら織りなす魅惑的な世界が生まれては重なり合い、そして消えていく」というもの。イーノは昨年のヴェネツィア・ビエンナーレでも同様のテーマで作品を発表していた。光を放つ作品世界は、環境的でありながら電子的な構成で実験的世界観を打ち出したイーノの音世界にも共通するものだ。このアートフェアに関する詳しい情報はこちら

III Pointsに、ヤング・サグ、ジェイムズ・ブレイク、シュローモが出演
毎年アート・バーゼル・マイアミビーチで開催されるコンサート『III Points』は、これまでFKA TwigsやJamie xx、A$AP Rocky、Kaytranada、ケンドリック・ラマー、ニコラス・ジャーなどを起用し、大きな話題を呼んできた。しかし、今年は過去をゆうに上回るラインアップだ。まずは、2013年のIII Pointsでフロリダ初ライブを披露したジェイムズ・ブレイクが、1-800-Dinosaurを従えてMagic City Studiosでライブを行なった。翌日にはヤング・サグとシュローモが圧巻することまちがいなしのライブを披露した。III Pointsのスケジュールの全容はこちら

レディ・バニーが宇宙船ディスコでデヴィッド・ボウイへのトリビュート
アート・バーゼル・マイアミビーチのメインとなるフェア、「パブリック」部門は今年亡くなった偉大なるジギー・スターダストの功績を讃えるプロジェクトを展開していた。キュレーターのニコラス・ボーミ(Nicholas Baume)によれば、グレン・カイノ(Glenn Kaino)、ヨアン・カポーティ(Yoan Capote)、アーウィン・ワーム(Erwin Wurm)をはじめとするアーティストたちが「グラウンド・コントロール」をテーマに作った作品20点が、コリンズ・パークにて展示された。展示の初日には、パフォーマンスも披露されたという。この週末にニューヨークでバラク・オバマ現米大統領のペインティングを約3,000点発表するロブ・プルイット(Rob Pruitt)も、このパフォーマンスに出演したとされている。ドラァグ界のアイコン、レディ・バニーもまたこのパフォーマンスに出演した。今年初旬、MoMA PS1の「Greater New York」で発表されたバニーの映像作品を見逃したという読者は、ボウイに捧ぐこのディスコ空間で踊ることで、その悲しみを昇華したのだろう。

マーク・アンソニー・グリーン(Mark Anthony Green)による、ブラック・カルチャーへの讃歌
昨年、マーク・アンソニー・グリーンはA$AP Rockyとともにアート・バーゼルを祝福した。今年はそのコンビが揃うことはなかったが、グリーンのエキシビションは観客をがっかりさせないだけの出来栄えとなった。「What Comes After Jay?」と題されたこのエキシビションは、新しいペインティング作品20点と30分の映像作品で構成されていた。「黒人の歴史のアイコニックな出来事をヴィジュアルで物語る展示。輝けるスターたちと、歴史に名を残す裏切り者たちにスポットライトを当てた」とグリーンはリリースで説明。「私は黒人に生まれたことを誇りに思っている。その誇りを反映した作品が、今回のエキシビションだ」。この展覧会は、ホテルW South Beachにて公開された。

Resident Advisorによる初のバーゼル・パーティ
ナイトライフを広くカバーしたファンベースを世界に築いている、エレクトロニック・ミュージック音楽メディアResident Advisor。そのRAが、最強のラインアップでアート・バーゼルデビューを果たす。Magic City Warehouse で、Floating Points、Dâm-Funk、The Black Madonnaのパフォーマンスを披露したのだ。レアなソウルやシンセ、ファンクの楽曲をエレクトロニカで再解釈する名手たち----彼らの音楽に、あなたはきっと時間を忘れて踊り続ただろう。詳細はこちら

Alexander McQueenのアーカイブ作品
新たなメディアにおけるアーティストたちの活躍を後押しするBarrett Barrera Projects。彼らは、GucciやHussein Chalayan、Maison Martin Margiela、Iris Van Herpen、Jean-Paul Gaultierをはじめ、ヨーロッパとアジアからファッション・デザインの世界に革命を起こしたデザイナーの服飾作品や写真、映像作品を展示する展覧会「A Queen Within」を公開した。なかでも注目作は、なんといってもAlexander McQueenの作品だ。Alexander McQueenのプライベート・コレクションから、これまで公開されることのなかった作品を数点展示した。このショーはマイアミ随一のアート地区Wynwoodで公開された。詳細はこちら

ルーベル・ファミリー美術館が贈る、不安をテーマにした最新展覧会
「生活に生じる危機的問題を理解し、解決への道を示してくれる----アーティストとは、そういう存在です」とブーベル・ファミリー美術館のメラ・ルーベルは、今回のエキシビション「High Anxiety」について説明した。このショーで展示される作品は、2014年から現在までに「不安」をテーマにルーベル・ファミリーが収集してきたものばかり。イサ・ゲンツケン、トリー・ソーントン(Torey Thornton)、ライアン・トラカートゥン(Ryan Trecartin)、リジー・フィッチ(Lizzy Fitch)、フランク・ベンソン(Frank Benson)、バニー・ロジャーズ(Bunny Rogers)、そしてジョン・ウォーターズ(John Waters)を含む32人のアーティストの作品が展示された。トラカートゥンの「Center Jenny」を見たときのために、抗不安薬を必要なだけ持参すべきだった。ショーの詳細はこちら

Tom Sachsさん(@tomsachs)が投稿した写真 -

トム・サックスのバービー人形とボームボックス
アート・バーゼルでもっとも期待を集める部門「キャビネット(Kabinett)」では、ギャラリーが競うように入魂のキュレーションをほどこしたエキシビションを公開し、大規模なブースでも素晴らしいショーを披露した。今年のKabinettには30のギャラリーが参加し、公開されたプロジェクトは、バルカンのキャンディ・ショップを忠実に再現したインスタレーション作品から、故マイク・ケリーが1994年のクリスマスから元旦にかけて手がけたシリーズ「Paintings in Time」の展示まで、多岐にわたった。Sperone Westwater Galleryはトム・サックスの彫刻作品群を公開した。宇宙に果てなき憧れを抱くサックスだが、今回のショーではコンクリート・ブロックから漂白剤のボトル、ブームボックス、そしてバービー人形までありとあらゆるものをモチーフとした作品を公開していた。展示されているブームボックスはフランク・オーシャンの『Endless』に見られた、あのブームボックスなのだろうか? サックスは現在、オーシャンとクリエイティブなコラボレーションに着手しているという----ということは、このブームボックス展示も、コラボレーションの一環なのかもしれない。Kabinettに関する詳細は、こちら

Loeweによる職人技のセレブレーション
Loeweの現デザイナー、ジョナサン・アンダーソンはビジュアル・アートへの多大なる敬意と情熱を持っている。今年、アンダーソンはロンドンのイーストエンドでワークショップを開き、そこでアンダーソン自身が「インスパイアリングだ」と感じるアーティストやデザイナーを招いて、コラボレーション、プレゼンテーション、トークなどを行なった。招かれたアーティストには、写真家のジェイミー・ホークスワースやイアン・デヴィッド・ベイカー、陶芸家のジャイルズ・ラウンドやジョアンナ・ウェイソンなどがいた。来年3月にはウェイクフィールドのHepworth Galleryで彼がキュレーションを手掛けたエキシビションが公開される予定だ。そんなアンダーソンが率いるLoeweが、マイアミの店舗にて、アイルランド出身のアーティスト、ウィリアム・マッキーオンと、イギリス出身の陶芸家ジョン・ワードの作品を展示している。ふたりのアートに共通するのは、アンダーソンが自らのクリエーションでも最も重きを置いている「職人の技」だ。水彩画や油絵作品、テキスタイル、陶芸の作品が展示される。このエキシビションは、来年3月まで継続される。

マドンナによるマラウィのためのベネフィット
1980年代初頭からポップス界の女帝として現在まで君臨し続けるマドンナだが、彼女はキース・ヘリングの親友だったり、ジャン=ミシェル・バスキアと恋愛関係にあった過去があったりと、アートの世界でもこれまで常に敬意を払われる存在であり続けてきた。そんなマドンナが12月2日、マラウィの孤児たちの救済活動にあたるNGO団体Raising Malawiのため「音楽、アート、いたずら、そしてライブ・パフォーマンス」のベネフィット公演を行なった。パフォーマンスには、コメディアンのクリス・ロック、歌手のアリアナ・グランデ、そしてマドンナの元夫で俳優のショーン・ペンの出演が決まっている。司会はトニー賞俳優で、現在アメリカのトーク番組で司会として大人気のジェームズ・コーデンが務めるそう。この番組で特に人気の「Carpool Karaoke」は、テレビ局まで車通勤をするジェームズに、アーティストや有名人が同乗して付き合うという企画で、これまでにマライア・キャリーやジェニファー・ロペス、ブリトニー・スピアーズ、レディ・ガガ、ミシェル・オバマなど錚々たる面々が登場した。今回、ジェームズが司会を務めるのは、マドンナの番組出演へのお礼の意味を込めてのことであるようだった。Raising Malawiに関する詳細はこちら

ペレス・アート・ミュージアム・マイアミ主催のパーティ
ペレス・アート・ミュージアム・マイアミ(PAMM)は、アメリカの美術館として初めてフリオ・ル・パルクに関する研究をエキシビションとして公開したばかり。アルゼンチン出身で、現在88歳になるペレスは、光と空間を利用したアヴァンギャルドな作風で知られる革新的アーティスト。PAMMが公開しているパルク回顧展には、そんな彼の世界観が溢れる彫刻作品が100点以上も展示されている。カシミア・キャットやジリオネア、アンクル・ルークをフィーチャーして開催されるPAMMのパーティでも、空間に完璧な世界観を生んでいた。

Super 8 Hotelのフリー・アート
今年、有名ホテル・チェーンのSuper 8 Hotelは建物のリノベーション計画を発表するとともに、エイミー・セダリスによるキュレーションのもと、Super 8の部屋に飾られてきた絵画を集めてショーを開き、それらを来場者にプレゼントするという企画を打ち出した。女優であり、また創作活動に熱心なアーティストでもあるセダリスは、ひとつひとつの作品に(勝手に)タイトルをつけ、署名入りの保証書を作り、ニューヨークで開催されたショーで絵画を獲得した人々とは写真撮影にまで応じた。足をふみ鳴らす馬が描かれた作品や、のどかな湖を描いた作品などがまだ残っているといい、マイアミのウィンウッド地区で開かれるショーで早い者勝ちとなったようだ。セダリスは姿を見せなかったようだが、プレゼント対象の絵画はあっという間になくなってしまったようだ。セダリスの世界観が大好きなのに「マイアミまで行けない」という読者は、この傑作ビデオ『熊手でホットドッグを作る方法』を観て、セダリス・ワールドを堪能しよう。

コートニー・ラブによる、カンザスを舞台にしたオペラ
「コートニー・ラブ」と「カンザス」と「オペラ」----読み間違えたかと思うかもしれないが、そう----読みまちがいではない----あのコートニー・ラブが、カンザスを舞台にしたオペラに出演するのだ。『Kansas City Choir Boy』という名のこのオペラは、中西部の小さな町を舞台に、ティーンのカップルの葛藤を描くストーリー。「カンザスに残って恋人との関係を続けるか、故郷を後にしてニューヨークに旅立つか」という決断を迫られるティーン女性のアテナを、ラブが演じている。昨年のうちにラブの出演が報じられて話題となっていたこのオペラは、11月30日から12月11日まで、マイアミのエイドリアン・アーシュト舞台芸術センターにて上演される。チケット購入やその他の情報はこちら

ArtsyとSoundCloudが共同で制作にあたったヴァーチャル・リアリティ作品
デジタルの世界で革新的プラットフォームを築き上げたArtsyとSoundCloudが手を組み、「音楽とアート、そして知覚の境界線を問い、取り払うヴァーチャル・リアリティ」のプロジェクト「Collective Reality」を公開した。これは、レイチェル・ロッシン、ジョン・ラフマン、ジャコルビー・サッターホワイト(Jacolby Satterwhite)によってFaena Hotelのアート・ドームに作り出されたヴァーチャル・リアリティ作品で、そこにミュージシャンがスペシャル・ゲストとして参加し、ライブ形式で音を重ねるというものだった。彫刻やパフォーマンス、そして母親の絵画作品を通してバーチャルな世界を作り出すアーティスト、サッターホワイトは昨年、PAMMの「Wave」シリーズに参加し、そこでトリーナやトータル・フリーダムといったミュージシャンたちとのコラボレーションを果たしている。

Credits
Text Emily Manning
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.
Katharina Grosse, Untitled, 2012. Galerie König, Galerie nächst St. Stephan Rosemarie Schwarzwälder © Art Basel