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未だ残るアパレルの劣悪な労働環境

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「職員に対する強制労働」が問題視されてきたファッション業界。ハイストリート・ブランドの多くは大きな改善を見せた。しかし一方のラグジュアリー・ブランドでは、一部で未だ劣悪な労働環境が強いられているようだ。

とある調査で、大手衣料品小売店でのあまりに過酷な労働状況が明らかになった。企業の製造工程における人道的リスクについて調査するKnow The Chain社は「強制労働を店舗実務の現場から排除しよう」と努めるフットウェアおよびアパレル企業上位20位を発表した。Know The Chain社は、各企業が店舗で店員(多くは女性や子どもを含む)に低賃金もしくは無償での労働を強制していないかどうかを調査。職員たちの労働環境を、100点満点の審査で採点した。

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上位に評価されたのはadidasやGap、H&M、Lululemon。それら企業の得点数は69から81と、職員の労働環境が良好だったことが伺える。NikeやRalph Lauren、Hugo Bossなどのブランドが中ランクで持ちこたえた一方で、GucciやSaint LaurentのオーナーであるKerringは下位という結果が出た。Pumaもまた、職員の労働環境は決して良好とはいえないようで、下位にとどまった。残念だったのはPradaだ。ラグジュアリー・ブランドとしては最下位となり、得点数も100点中9点。Pradaよりも得点数が低かったのは、中国の製造者Belle InternationalとShenzhou International Groupのみという結果となった。

H&Mをはじめとするハイストリート・ブランドは、これまでに製造工程における職員の労働環境に関して世界的な批判を受けてきた。そのH&Mが高評価を叩き出したというこの結果は、多くの業界関係者にとって驚きだったにちがいない。Know The Chainのプロジェクト部長キリアン・ムート(Killian Moote)は、今回調査対象となった企業にとって職員の労働環境が直接的に問題へと発展する可能性は低いとしながらも、今回の調査が実施・公表されたのは「労働環境の実態精査を叫ぶ世論が高まりを見せているからこそ」と説明している。

調査結果全文はこちら(英文)。

Credits
Text Wendy Syfret
Photography Jason Lloyd Evans
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.