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アパレル業界低迷の理由

 先日、大手アパレル企業のトップに取材するなかで、業界低迷の理由として「若い消費者のファッション離れ」を指摘していた。むろん、挙げた理由は他にもあるが、この点だけは疑問を覚えた。確かに、消費支出の優先順位が下がっているのは事実だが、ファッションの低価格化も大きな影響を与えているのではないか。

 この間、海外ファストファッションや国内でも低価格なブランドが市場に広がった。記者の感覚で言えば、80年代後半から90年代のはじめにかけてのバブル期より、文字通り桁違いに下がっている。しかも、「安かろう悪かろう」ではなく、ある程度の品質が保たれ、適度にトレンドが加味されている。

 見方を変えれば、低価格がスタンダードになったことで、ファッションがより身近になっている。記者の若い時代には、残念ながらこうしたブランドは存在しなかった。問題は、低価格ブランドに勝てるだけの商品を開発できていないこと。比較的高価格でも売れているブランドはあるが、規模が小さいので採算が合わず、すぐにリストラされてしまうことだ。(矢) (2016/12/15