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オーダースーツ需要は高まっている?

 今年の紳士服業界を振り返ると、厳しい市況のなか、オーダースーツの健闘が目立った。大手紳士服専門店が相次ぎオーダー事業を本格的にスタートしたのをはじめ、若手テーラーの活躍、新興企業や異業種からの参入もあり、仕立てられる場は増え、新たな需要を喚起できた▼自分だけの1着を作りたいという消費者のカスタマイズニーズをとらえ、ここ数年、売り上げを伸ばしている。従来のオーダースーツは「価格が高い」「出来上がりがイメージしにくい」など敷居が高いと感じられてきた。その部分を払拭する努力を続けてきた店舗は、オーダー未体験の若い世代を新規に獲得でき、勢いが増している。ブームといっても過言ではない▼ただ、実態はオーダー市場全体のパイはそれほど拡大していない。オーダースーツは国内生産のメリットが高いのだが、ほとんどの縫製工場はフル稼働状態が続いており、増産する余力も限られるからだ▼今、オーダースーツは日本だけでなく世界的なブーム。欧米のテーラーと中国などアジアの大規模工場が組み、オーダー小売り事業として日本に進出してくる可能性は高い。センチュリーグループは今秋冬から英国のテーラーと組み、グローバル戦略に着手した。近い将来の〝黒船襲来〟に備え、日本の高い技術とオーダーシステムを武器に先手を打つ。 (2016/12/19)