ファッションマガジン

年末年始に観たい11本のドラマ・映画

家族とゆっくり過ごすクリスマスにも飽き、だからといって友達と騒ぐ気分にもならない----そうなれば、部屋にこもってストリーミング三昧で過ごすのが一番!

drama_and_movie.jpeg

クリスマスの楽しさは、すぐに退屈に変わってしまいがち。退屈だけれど、実家では足もなく、することもない----そんなときは、ストリーミングでテレビ・ドラマや映画を観ればいい!今年放送されて大きな反響を呼んだ作品や、年末用に作られた番組、またはこれまでストリーミングでは観ることができなかった作品など、ここに挙げる作品はどれも傑作ばかり。このリストを参考に、笑わせてくれて、泣かせてくれて、ときに考えさせてくれる作品を観ながら、素敵なクリスマスを過ごしてもらいたい。メリー・クリスマス!

『The OA』
『The OA』は、『ストレンジャー・シングス』に次ぐNetflixヒット作となる予感。ブリット・マーリングとザル・バトマングリ(Zal Batmanglij)が制作に携わったこの番組、12月16日からストリーミングが開始されている。8話で完結ということだが、ドラマ冒頭で示される謎は、話が進むにつれて深まっていくばかり。クリエイターのマーリングが演じるプレイリー・ジョンソンは、7年間行方不明だった若い女性。しかし彼女はなぜ、どのようにして、そしてどこで視力を取り戻したのかを、FBIにも家族にも説明しようとしない。戻った灰色のアメリカ郊外の町で、彼女はティーンの男の子4人と、彼らが通う学校の中年教師を集め、「私が7年間どこへ行っていたか」、そして「私と同じ状況に置かれたひとたちを救助するためにあなたたちを呼んだ」と、荒唐無稽な話を打ち明ける。幻覚のような、超常現象のような要素を多分に含んだスリラー『The OA』は、まるでよくできた長編小説のように、観る者の心を鷲掴みにしたまま圧巻のラストへと展開していく。

『Fleabag』
フィービー・ウォーラー=ブリッジが現代のセックス、恋愛関係、愛、孤独、悲しみ、そして分離感を描き、批評家にも視聴者にも絶賛されたコメディ・ドラマ『Fleabag』。まだ観ていないという読者は、この機会に是非とも観てもらいたい。6話からなるこのシリーズ、ウォーラー=ブリッジ演じるフリーバッグが散々な生活を見せながら、テレビのこちら側の私たちに毒を吐くという作り。そのえげつなさに抱腹絶倒しつつも、気づけば彼女が生き抜いている痛みを理解できてしまい、思わず涙してしまう。間違いなく今年最高のテレビ番組だ。イギリスではBBCのiPlayerで、アメリカではAmazon Videoで公開、日本での配信は未定。

『ムーンライズ・キングダム』
これまではストリーミング配信されてこなかったウェス・アンダーソン作品だが、ようやくこの傑作映画が配信される。冒険とファンタジーの世界で、あなたはきっとまた楽しいクリスマス・スピリットを取り戻せる。Amazonプライムで配信中。

チャーリー・ブルッカーの『ScreenWipe』
『Review of the Year』と題して不定期で年末に放送されるこの番組。テレビやネットで話題となったニュースを映像で流し、風刺作家のチャーリー・ブルッカーが皮肉を交えて1年を振り返るというもの。特に悪いニュースが続いた今年だからこそ、これを観ながら1年を締めくくってみてはいかがだろうか? BBC Twoで12月29日から配信開始、日本での配信は未定。

『Cunk on Christmas』
BBCの偽ドキュメンタリー作家が、クリスマスに関して誰も口に出して質問しない事柄を勝手に探るという内容の番組。「クリスマスの本当の意味」や「私がクリスマスに欲しいもの」など、誰も興味のない事実が次々に明かされる。この番組を手掛けているのもチャーリー・ブルッカー。彼のユーモアが、誰の心にも潜む"いじわるグリンチ"をなだめてくれることうけあいだ。BBC Twoで、12月29日から配信開始、日本での配信は未定。

『Skam』
ノルウェーの映像メディア史上もっとも多くの国民に愛され、視聴者のみならず批評家たちからも大絶賛を浴びたウェブ・ドラマ『Skam』。スパイス・ガールズのマネージャーや『American Idol』などの『Idol』シリーズを手がけるプロデューサーとして知られ、世界的な影響力を持つイギリス人起業家サイモン・フラーがイギリス版リメイクの権利を買ったことで、世界的に知られるところとなった。ノルウェー語で「恥」を意味する「Skam」をタイトルに、十代の学生たちの生活を描きながら、セックスから学校生活、レイプ、不安、そして抑鬱状態といったトピックについて探る作品だ。「スカンジナビア人になるには」といった自己啓発本に例として挙げられることは当面なさそうだが、なにしろ色々なことを考えさせられる素晴らしい作品だ。skam.p3.no

『バリー(Barry)』
2016年に制作されたオバマ自伝作品としては、バラクとミシェルが出会うロマンスもの『Southside With You』に次いで2本目となるこの作品。ハワイ出身20歳のバラクが、本土での大学生時代に混血であるというアイデンティティに悩み、自分の居場所を見つけようと苦悩する姿が描かれている。監督のヴィクラム・ガンディ(Vikram Ghandi)は、この作品の最後に、まるで私たち視聴者がそれを再確認することが必要であるかのように、世界が失おうとしているものについて訴え、未来は私たちの手中にあるのだと信じさせるエンディングを用意している。Netflixで配信中。

『Hypernormalization』
クリスマス時期のスケジュールから3時間だけ時間を作り、この作品を観て、「クリスマスというものがいかに仕組まれたいかさまの祭り事であるか」を思い知ってほしい。このアダム・カーティスのドキュメンタリー作品を観れば、すべてが政府と銀行、テクノロジー専門家たちに仕組まれた偽の世の中であるかがわかるはずだ。レディオヘッドの音楽で幕を開け、そこからはただただ驚愕の世界が目の前を通り過ぎていく。BBC iPlayerにて配信、日本での配信は未定。

『ディヴァイン(DIVINES)』
i-Dが今年もっとも熱狂した作品『ディヴィヌ』は、突如現れて映画界の話題をさらった監督ウダ・ベンヤミナ(Houda Benyamina)による、複雑な感動をもたらす映画。パリ郊外のロマ人キャンプに暮らす若者の苦悩と女性の友情を描いた作品で、カンヌ国際映画祭でカメラドール賞を受賞した。Netflixにて配信中


『VIva』
アイルランド人監督パディ・ブレスナックが、キューバのハバナの街を舞台に、15年間の不在を経て帰宅した父親と、ドラァグ・クイーンの息子の複雑な関係を描いた『VIva』は、今年のサンダンス国際映画祭でもっとも話題を集めた作品となった。日本での配信は未定。

『バラクーダ(Barracuda)』
クリストス・チョルカスの小説『バラクーダ』を映画化したこの作品、「ごろつきが金持ちに」という定番の展開に新たな次元を加えている。ダニー・ケリーは労働者階級出身の強情なスイマー。頭には金メダルを取ることしかない----金メダルと、チームメイトのスイマー、マーティンのことしか......中心人物4人のあいだに生まれるこの物語は、濡れた小さな競泳用水着のみ身につけた男たちが、階級、成功、疎外感を描く、秀作だ。BBC Threeで12月17日から配信開始、日本での配信は未定。

『Deutschland 83』
「25歳の東ドイツ兵士マーティン・ラウクがスパイとして西ドイツへと送られる」という内容で、イギリスのテレビ史上もっとも視聴者に熱狂を生んだ『Deutschland 83』。スリラーでありながら80年代レトロ感いっぱいで、観ていると「2017年にはなにがなんでもベルリンへ!」と旅の衝動を掻き立てられる、そんな作品だ。4od.comにて配信中、日本での配信は未定。

Credits
Text Colin Crummy
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.