アマゾン、運送業者向け配車アプリを開発中か

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■ウォール・ストリート・ジャーナル紙やビジネス・インサイダーなど一部メディアによるとアマゾンは現在、輸送トラックを効率的に配車するためのモバイルアプリを開発している。アマゾンが開発中と報じられているアプリは「コンボイ・ドライバー(Convoy Driver)」のようにトラックドライバーを運送業者にマッチングさせるアプリで、配車アプリのウーバーのように乗客と運転手を結ぶことになる。来年夏にもリリースが予定されているアプリにはリアルタイム料金情報を載せるほか、ピックアップからドロップオフの場所や指示、道筋、トラッキング、支払いのオプションも提供する。これにより、これまで有料となっていた電話などの交渉ややり取りが無くなり、中間業者の手数料15%を省くことができるという。このアプリを導入することで港からコンテナ貨物をディストリビューションセンターに輸送したり、倉庫からフルフィルメントセンターなどの宅配施設により効率的に運んだりすることが可能になる。このシステムが上手くいけば、アマゾンは手数料収入を得ることができ新たな収益源がもたらされると一部アナリストは指摘している。
アマゾンは今年8月、「アマゾン・ワン(Amazon One)」と呼ばれる貨物航空機を利用した輸送業務を始めたことを発表した。同社は貨物航空サービスのアトラス航空(Atlas Air)と貨物機リースのエア・トランスポート・サービス・グループ(Air Transport Services Group)」と提携、向こう2年で最大40機リースして自社貨物オペレーションに運用する。同社はまたクラウドソーシングを活用したオンデマンド買物代行・ハイスピード宅配の実行部隊「フレックス(Flex)」や4,000台の配送トラック、輸送サービス大手UPSやフェデックスの提携等を行なっている。このほか同社はドローン(小型無人機)を使った配送システムを開発しており、イギリスの一部の顧客を対象にした商品配達を開始したと発表している。

トップ画像:アマゾン・フレッシュの専用トラック。エントリー記事にある配車アプリは、最終の物流拠点から消費者までの最後の距離「ラストマイル」向けではなく、倉庫と倉庫などを結ぶミドルマイル向け?だ。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。小売業界や物流業界で「ラスト・ワン・マイル(Last One Mile)」という用語が一般的になりつつあります。もともと通信業界で使われていた業界語で、最寄りの基地局から利用者までを結ぶ最後の部分という意味です。小売・物流でも店舗を含む最終の物流拠点から消費者までの最後の距離という意味ですね。最近ではラスト・ワン・マイルというより「ラスト・マイル(Last Mile)」という言い方が多いです。ラストマイルがモノの流れの最後の部分ならば、倉庫から倉庫のような中間物流は「ミドル・マイル(Middle Mile)」になります。上記エントリー記事でアマゾンが開発中とされるアプリ「トラックドライバーを運送業者にマッチング」とは、ミドルマイルの話なんですね。記事にある「配車アプリのウーバーのように乗客と運転手を結ぶこと」に目が行ってしまうと、このアプリを使えば一般人が空き時間を利用してアマゾンの配達員になれると思ってしまいます。

⇒毎日重い荷物を運ぶことで、雨にも負けず風にも負けず、雪にも夏の暑さにも負けぬ丈夫なからだをもち「暴力団組員を撃退した佐川急便のお兄さんになれる!」と勘違いする人もでてくるかもしれません(←そんな人はいない)。一方で「アプリと軽トラさえ持ってれば変質者でも配達員になれて、配送伝票にある名前や住所、電話番号から女性が狙われてしまう」と恐怖に感じる人もいるかもしれません。アプリは未だ開発中で正式な発表もないのでわかりませんが、アマゾンのアプリはコスト的に見てもミドルマイル向けでしょう。ミドルマイルのトラックドライバーとは大型車の「コマーシャル・ドライバーズ・ライセンス」を持ち、大型トレーラーで通称「コンボイ(ビッグリグ)」を運転するようなプロフェッショナルドライバーです。毎日の寝泊りはトレーラー内で、時にはアメリカ大陸を何日もかけて横断するような人たちです。この業界の慣習が古く、中間業者がいて非効率なので、アマゾンはアプリを導入して効率化しようとしているのです。
アマゾンにとってはミドルマイルもラストマイルもなく、効率化できるところは失敗を恐れずチャレンジするということでしょう。

後藤文俊