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H&M、海に捨てられたプラスティックからドレスを製作

リサイクル素材は日々進化を遂げている。H&Mは、水辺に投棄されるペットボトルなどからシフォン素材のドレスを製作した。

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世界中の海に浮遊するプラスティックゴミなど、再利用可能なマテリアルに光を当てたものづくりの流れは、ファッション業界でも顕著になっている。例えば、G-Star RAW がファレル・ウィリアムスとタッグを組み、再生繊維で製作したデニムシリーズもその好例のひとつだろう。また、H&Mでは2015年時点で全商品のうち20%にサステイナブル(持続可能)な素材が採用されており、この割合を増加させることが毎年の課題となっているという。彼らは世界有数のリサイクルポリエステルのユーザーであり、サステイナブル・ファッションへの取り組みにも熱心だ。その中心となっているのが、同社の展開するコレクション「Conscious Exclusive」である。今年に入って発表された春夏キャンペーン、「The Journey of a Dress」と題されたコレクションでは、シリーズを通してフォーマル感が漂い、サステイナブル素材が持つ無限の可能性を感じさせる個性的なアイテムが揃う。なかでも注目なのはコレクションの象徴的存在であるパウダーピンクの優雅なプリーツドレスだ。海洋投棄されたプラスティックのリサイクルを原料とする再生ポリエステル BIONIC® を基にしたテキスタイルで作られている。また、この他にもウィメンズのフルコレクションとメンズ用リラックスフォーマルウェア、キッズ用アイテムも展開予定だ。

一方で、これらの生産を担う途上国の一部ではいまだにプラスティックゴミや衣類用の染料など、あらゆる廃棄物が垂れ流しにされているという事実もあり、図らずもそのうちのいくらかは先進国向けのプロダクトを生産する過程によって生まれている。その点からも、このような事態に対してブランド自らが関与でき得る手段のひとつを構築したことの意味は大きい。公害をファッションに変えていくこのプロセスの意義が、エンドユーザーだけでなくファッションサイクルの従事者全体の意識にどこまで訴えていけるのかどうかも気になるところだ。

なお、コレクションは4月20日から世界の約160ヶ所のH&Mストア及びオンラインストアで販売が開始される。日本ではウィメンズ・キッズを渋谷・新宿店、メンズはオンラインストアで展開される予定だ。

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Credits
Text Yuuji Ozeki