Shinichi Higuchi

イッセイミヤケの変容する布「スチームストレッチ」2012-13秋冬パリコレ

樋口真一

ファッションジャーナリスト

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 イッセイミヤケは2012/2013年秋冬コレクションで、プリーツやエイポックをさらに進化させた、スチーム・ストレッチを発表した。ミネラル・ミラクルをテーマに、ミネラル(鉱物)の中に潜む自然界の美とパワーを表現した今シーズン。最初に登場したのは、服のデザインやフォルムがあらかじめ織り込まれた布が、スチームをかけることで、さまざまなシルエットを持つ1着の服に生まれ変わる、スチーム・ストレッチと名付けられたデザインだった。

 コレクションスタート前から客席最後列の後ろに、隠された服と白衣をまとったモデル達。

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 1枚の布とモデルたちが階段を下り、ステージに上がることでコレクションはスタートした。

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 スタッフたちがアイロンでスチームを当てると、1枚の布がまるでセミが幼虫から成虫になる時のように少しずつ形を変え、隠された姿が現れるデザイン。

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 シルクとストレッチの糸を部分的に使い、あらかじめデザインにスチームを当てることで、糸が縮み、質感とシルエットが完成する、という。そして、ウールとストレッチの糸を曲線で織り上げた1枚の布が、スチームで仕上げることで、縮み服の形が現れるミネラル・ストレッチ。

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 1枚の布と人が出会い、変化していくデザイン、動詞的なデザインは三宅一生自身がデザインしていたころからのスタイルであり、ステージの上で形ができていく演出は前身のジャストビフォーに続き、エイポックが初めて登場したコレクションを思い出させる。エイポックははさみを入れることで、丈や長さを自由にカスタマイズすることができるものだったが、スチーム・ストレッチやミネラル・ストレッチも、スチームの当て方次第でさまざまな表情を見せ、どこで止めるかによって、まったくちがうデザインにすることが可能だろう。

 安全性の問題などはあるが、ドライヤーで熱を加えることで、さまざまな形に対応することができるテレビのリモコンの保護シートやパッケージのように、女性やマネキンが身につけたままスチームを当てることができれば、ひとりひとりの女性の体にあったシルエットも可能になるかもしれない。

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 また、2回目で進化したということだろうか。先シーズンはドラマチックな演出を駆使し、自然の光や影を感じさせる美しい日本の染色技術を使ったドレスを見せたが、今シーズンは全体に絞り込まれており、プリントや3種類の糸などによって原石や水晶などを表現したデザイもよりリアルなアイテムや分量になっている。

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