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[インタビュー]ファームデール・ホテルグループ仕掛人キット・ケンプ

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「クロスビーストリート・ホテル」(米・ニューヨーク州|ニューヨーク)

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デザイナー兼ホテリエのキット・ケンプさんは、ファームデール・ホテルグループ仕掛人デュオの一人。Tabletスタッフの間でも特に人気のロンドンおよびニューヨークのホテル・インテリアを手がけてきた彼女は先日、初書籍『A Living Space』を出版したばかり。私たちはこれを機会に彼女を独占取材し、彼女の考えるデザイン、素材、そしてファームデールの未来について聞かせてもらいました。

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キット・ケンプのインテリアはいつもどこかチャーミング

この本の中で、あなたはファブリック(布生地)に強いこだわりを持っていると書いていますね。
昔からファブリックが大好きで、部屋の中においての質感っていうものをとても重視しているんです。ホテルに関しても、いろいろなモノを、私たち専用にデザインしたんですね。だからこそ、特別な印象に仕上がっているんだと思います。ひとつひとつが特定のプロジェクトのためにカスタムメイドされ、どれもほかでは見つからないものなので。これまでに2つファブリックシリーズを手がけたのですが、これから(イギリスのカーペットブランド)Christopher Farr用にもう1つ作って、カーペットデザインと、今度は照明も手がける予定なんです。

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「ザ・ソーホー・ホテル」(イギリス|ロンドン)

ホテルにチェックインして、どこかほかで見たことのあるディテールに気づくとがっかりしますよね。

確かに私は、どの部屋もどこかユニークさを感じさせるものにしたい、しかも、人の好奇心を掻き立てるようなものにしたいって考えていますね。ホテルを訪れるというのは、ちょっと冒険に出たような体験であるべきだと思うんです。実際それは、家庭でも実現したいもの。これまでに出た旅の経験や、目にしてきたことなんかを(インテリアデザインに)取り入れ、そこに例えば、買ったブランケットを椅子にして置けたら、より個性的な空間になりますよね。

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「クロスビーストリート・ホテル」

去年、9年前に一度手放した「ドーセットスクエア・ホテル(Dorset Square Hotel)」を買い戻したわけですが、ホテルの状態はいかがでしたか? どれぐらいのアップデートが必要だと思いましたか?

フル・アップデートですね。完全に違うものにしたいと思いました。あそこは、それこそ80年代を最後にほとんどアップデートされていなくて、少しも手をつけられていなかったんです。状態はまったくもって良くなかった。だから、一から造り直して、「今」にふさわしいスタイルに変える作業は、すごくやりがいがありました。
ドーセットスクエアは、私が一番最初に手がけたホテルだったんです。以来、私たちのホテルはもう少しスケールが大きくなって、より立派なものに成長してきたけれど、あの、全37室というこじんまりとした物件・・・応接間とちょっとしたレストランがついた、あのリージェンシー様式の見事な建物に足を踏み入れ直せたのはとても気分が良かったです。ずいぶん小さな部屋もあるけれど、上手に設えられて、すごく居心地良い空間になっているし。本当に満足できる仕上がりになりました。

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「ヘイマーケット・ホテル」(イギリス|ロンドン)

まったく手をつけられていなかったというのは面白いですね。ご自分の初期の作品を見て、ぞっとしたりしましたか(笑)? それとも過去のものとして、冷静な目で向き合えましたか?

もちろん、ちょっとぎょっとする部分もありましたよ。自分の作品を振り返ることは大事だと思うし、すべてが素晴らしいとは限らない。時代は過ぎるものだから。ガーデンは、骨組みがしっかりしていると、しばらく放っておいてもまだ活力があるのが感じられるけれど、部屋というのは、誰も住んでいない状態で放っておくと、生気がなくなってしまうんです。中には、「これはあまり時を感じさせないな」「これはそんなに悪くないな」って思える部屋もあったけれど、それ以外のほとんどは、見てて鳥肌が立ちました(笑)。

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イギリスらしいフラワーモチーフも彼女のシグナチャースタイル

噂ではロンドンでまたなにか新しいプロジェクトを準備中だとか。

名前は「ハムヤード・ホテル(Ham Yard Hotel)」、場所はソーホーで、私たちにとってこれまで最大規模のプロジェクトになります。中央にはガーデン的なもの作っているんですよ。ソーホーは昔からすごく薄暗いエリアなので、大きなオークを5本もどこかの中心に植えられるっていうのは、本当に嬉しいこと。それと、ショップ数件とアパートユニット、さらにフルスケールのシアターとボウリング場も併設予定です。ボウリング場って、5分もいると、いても立ってもいられなくなるようなものしかないから、これはすごくチャレンジになるけれど、楽しんで取り組めると思ってますね。


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「ザ・ソーホー・ホテル」(イギリス|ロンドン)


そしてニューヨークでも?

それはまだ少し先ですね。56丁目に建てるのだけれど、今まだ古いビルが建ってる状態だから、まずその取壊しを終えないと取りかかれない。だからこちらはまだこの先しばらくかかる長期プロジェクト。
最近、すごくワクワクしてるんです。今年は私たちにとって特に良い一年で。いろいろなアワードを受賞して、本も完成させて、さらにファブリック・コレクションやなんかも手がけることができましたし。新しいプロジェクトに携わる前に、こうしてちょっとした合間の時間を持てたので、また新たな活力を得られた気分なんです。


Interview by John Speranza

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