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お洒落の定義とは何か?クリエイター120名がセンスを語る本「Good Sense」を読んで

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消費者目線でファッション情報をウォッチするファッションブロガー

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突然ですが、皆さんのお洒落の定義ってなんですか? 「そんなめんどくさいことを考えている人にお洒落な人はいない」 という声が聞こえてきそうです(笑)

私は「服が持つ文脈やその人が属する環境、それらと個々のパーソナリティのすり合わせ」だと考えています。 お洒落のルールや定番アイテムをどれだけ知っているかではなく、 その情報を踏まえた上でどう細部のバランスを調整していくのか、 そこにセンスの差が出ると思うのですね。

今回取り上げる『GOOD SENSE』はクリエイターたちに「センス」を語ってもらい、 その内容から共通項を探っていくという形式。 お洒落のルールではなくお洒落との付き合い方を学ぶお洒落指南本です。

本書には100人以上ものクリエイターが登場するのですが、 その中から私の心に響いた言葉をいくつか紹介したいと思います。

■菊池武雄氏(TAKEO KIKUCHI創始者)

いまの人はセンスがいいし、自分の個性をよく知っている。 ただ、新しい試みはしないで、わかる範囲で小さくやっているようにも見えます。<中略> いくつかのパターンでうまくこなしている感じ。<中略> ものを選ぶときに、ひっぱりこむという力というのもあって。 普通とは違うものを選んで着ても、自分のものにできる。 それはたぶんもとがしっかりしてるんですよ。それがあってのチャレンジです。

ネットで検索し正解を求める今の若者へのアドバイスですね。 自意識を強くするのがお洒落にとっては大切だとも主張されておりました。

N.HOOLYWOODのデザイナー尾花氏も「コンプレックスがセンスを磨く」と 自身の経験を踏まえ本書で語っております。

なにかと自意識過剰、意識高い系、オサレと揶揄される時代ですが、 それも人によってはお洒落の糧になるのでしょう。

■鈴木大器氏(ENGINEERED GARMENTSデザイナー)

洋服のおもしろさはチャレンジすることで、それが好きなら、 着たことがない洋服でもどんどん挑戦すべきです。センスがある人はみんな型にハマっていないんですよね。 知識も経験もありながら、考え方がやわらかいから面白いことができるんです。

自身のスタイルを貫く頑固さと多様なスタイルを素直に取り入れる柔軟さ。 本書でも人によってそのスタンスは割れていました。もちろん両方とも必要な要素ですがどちらに重きをおくのか、 そこもセンスの差となり出てきそうです。

■坂田真彦氏(Archive& Style代表)

必要なのはものを見る目だと考えますが、それを養うのは人と会って話をすることに尽きると思います。 そしてそうやって得た情報を実際に試してから取捨選択する。 それは必ず自分の糧になる。雑誌やネットじゃなくて、なるべく人から聞ける生の声がいいと思いますよ。

「本当に大切なことはネットには載っていない」。 よく言われることですが、なるべく現場の一次情報にあたれということですね。 なんだかんだでお洒落な人には行きつけのショップがありますので、 そこでもセンスが磨かれているのだと思います。

■南貴之氏(alpha.co.ltd 代表)

センスは遺伝と環境の産物ですが、環境は自ら作ることも変えることもできるんです。 好奇心を持って新たな世界に触れることで、人は成長できるんだと思います。

パーソナリティーの形成は、遺伝的要因、個体的要因、環境的要因の3つからなると言われております。 センスに当てはめると才能、身体的特徴の把握、環境の3つですね。

お洒落指南ではサイズ感やパーソナルカラーといった身体的特徴の把握に関することが多いのですが、 ある程度コントロールできる環境からセンスという捉えどころがないものを変えていく、 という視点は意外と語られることが少ないように思います。

「環境を変えるために海外に行こう!」みたいな極論はよくありますが、 環境という視点からお洒落指南本が出れば面白いだろうなと思いました。

他にも取り上げたいセンス論がたくさんあるのですが、 クリエイターが推薦するセンスの良い人として一番多く名前が挙がったのがスタイリストの本間良二氏だそうです。 もちろん本書にも登場しセンスについて語っております。 あまりネタバレを書いてしまうのもあれなので、興味のある方は本書をお読みくださいませ。

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