Fumitoshi Goto

米国の年末商戦 ギフトカードが最も貰いたいプレゼント8年連続1位に

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

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■年末商戦で贈り物として最も人気にあるのはギフトカードだ。全米小売業協会(NRF)が昨年11月に発表した調査によると、ギフトカードは8年連続して最も貰いたいプレゼントとなっている。昨年の年末商戦ではギフトカードに一人当たり平均で173ドル支出するとの調査結果がだされ、調査を開始した2003年からは実に83%の増加となったのだ。デパートメントストアやレストランで使われるギフトカードの額面金額は1枚当たり50ドル近くとなっている。ギフトカードは手軽に贈れるため「贈り手の心がこもっていない」とイメージする向きもあったが、最近ではネガティブに捉える人も随分と減ってきているようだ。理由の一つにギフトカードの普及があるが、その普及を後押ししたのがギフトカードモール。ギフトカードモールとはスーパーやディスカウントストア、ドラッグストアのエンドで見かけるギフトカードだけを集めたギフトカード・コレクションのような陳列棚だ。ギフトカードモールは特定の小売りチェーンやレストランなどで使えるギフトカードとビザやアメリカンエクスプレスなど金融系のギフトカードで構成している。競合店のギフトカードまで扱うのは、他社のギフトカードも販売することで手数料を受け取るメリットがあり、それがギフトカードモールのビジネスモデルとなっている。ギフトカードモールを開発したのはブラックホーク(Blackhawk Network Holdings)だ。CVSの場合では、額面100ドル分のギフトカードが販売されるとCVSとブラックホークにそれぞれ4.50ドルのコミッションが入るようになっている。同社は2001年にセーフウェイの一部門として立ち上がり5年後にはスピンオフされ、2013年には上場を果たしている。コミッションなどの売上高は昨年、14.4億ドルと前年から26%の増加となり、2010年度からは150%も増加しているのだ。
普及するギフトカードに新たなマーケティングが登場している。ギフトカードで50ドル以上買い物をすると5ドルのギフトカードを進呈する販促だ。額面5ドルのギフトカードは、5ドル引きクーポンと同じ価値だが、ギフトカードにすることで最大で8倍も使われやすくなる。eギフトカードの普及も進んでいることから、さらなるギフトカード販促が登場するだろう。

トップ画像:ホームセンターのロウズにあるギフトカードモール。100ドル分のギフトカードが売れる毎に店には4.50ドルのコミッションが入ってくる。

14年11月19日 - 【ギフトカード】、業界初の販促!ターゲットのギフトカード購入10%ディスカウントとは?

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。エントリー記事にあるように、ギフトカードは2種類あります。全体の約7割を占める特定のお店やチェーンストア、レストラン、カフェでしか使用できないストア系ギフトカードと約3割を占める銀行系ギフトカードです。ストア系ギフトカードは「クローズド・ループ・ギフトカード(Closed Loop Gift Cards)」「プライベートブランド・ギフトカード(Private Branded Gift Cards)」とも呼ばれています。銀行系ギフトカードは「オープン・ループ・ギフトカード(Open Loop Gift Cards)」「ネットワーク・ブランド・ギフトカード(Network-Branded Gift Cards)」と呼ばれています。ストア系ギフトカードで最も売れているカードはどこかわかるでしょうか?アップル・アイチューンズ(iTunes)のギフトカードです。ブラックホークによると、アップルからの売上は全体の14%となっていて、小売店で10%を超えるのはアップルだけとなっています。

⇒ギフトカードモールを導入する企業が増えたのは、コミッションがあるからです。ギフトカードモールを導入している店では、ギフトカードが100ドル分売れる毎に4.50ドルのコミッションが入る仕組みです。エントリー記事にあるようにCVSでベストバイのギフトカードが売れればCVSとブラックホークにそれぞれ4.50ドルが入ってくるということです。クローズド・ループのベストバイ・ギフトカード100ドル分でベストバイは9ドル分を支払うのです。なぜならギフトカードのメリットとして第1に返品の抑制、第2にギフトカードの未使用、第3は正価での販売、第4として新規客やリピーター客の獲得、第5は額面以上の買い物、第6はオフシーズン中の客数や売上の増加、第7はディスカウントできない商品の販促使用などマーケティングがあるからです。特にベストバイではお客がギフトカードを使って買物することで、返品が抑制され100ドル以上の買い物が期待できるのですね。

⇒ギフトカード販促で面白いのは後追い?マーケティングですね。ターゲットでよくやっているギフトカード販促はアイパッドなどのアップル製品を購入すると値引きするかわりにギフトカードの進呈があります。例えば昨年のブラックフライデーでは499ドルのアイパッド・エア2(16GB)に140ドル、249ドルのアイパッド・ミニ(16GB)に80ドル、180ドルのアイフォン6(16GB)に30ドル、79ドルのアイフォン5s(16GB)に30ドル、249ドルのアイポッド・タッチ(32GB)に50ドルと、それぞれギフトカードが進呈されました。で、もらったギフトカードで翌日の午前中までに買い物をするとさらに10%のディスカウントを受けられる「ギフトカード購入10%ディスカウント」を行っていました。ギフトカードで50ドル以上買い物をすると5ドルのギフトカードを進呈する販促も後追いマーケティングですね。5ドル引きのクーポンを進呈するより、額面5ドルのギフトカードのほうが消費者に価値があると思われるのです。
今年の年末商戦ではどんなギフトカード販促があるのでしょうか、楽しみです。

後藤文俊

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