Fumitoshi Goto

米アマゾンが"リアル書店"をオープンした狙い

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

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■オンライン通販最大手のアマゾンは2日、ワシントン州シアトルのショッピングセンター内にリアル書店「アマゾン・ブックス(Amazon Books)」をオープンした。ユニバーシティ・ビレッジ(University Village)にオープンしたアマゾンの実店舗は、一般的な本屋とは大きく異なる、アマゾンならではのユニークな試みがされている。本の品揃えはアマゾンの星数評価やカスタマーレビュー、売上や人気、有名作家やスタッフからのオススメなどを考慮されており、150坪の広さに約5,000冊と絞り込まれているのだ。全ての本は、表紙を正面に向けて陳列する「面陳(面陳列)」や「面展(面展示)」から、台に表紙を上にして本を積む「平積み」で展開しており、背差し(棚差し)での陳列はしていない。陳列された本にはアマゾンストアでの星数評価やカスタマーレビューを記載したカードがそれぞれ設置されているのも特徴的だ。店舗の書籍価格は、オンラインのアマゾンストアと同一となっている。アマゾンは需給状況に応じて価格を変動させる「ダイナミック・プライシング」を採用しているため、プライスカードによる価格提示は行っていない。書店では珍しい返品制度も掲げており、本の内容が気に入らなかった場合など、購入から30日以内に返品すれば全額返金される。アマゾン・ブックスには書籍のほか、アマゾンが手がける電子書籍用リーダーのキンドルやタブレットのキンドルファイア、ファイアTVなどもデモンストレーション用に並べられている。営業時間は感謝祭とクリスマスを除き、平日は9:30am~9:00pm、日曜日は11:00am~6:00pmとなっている。
なお、アマゾンストアで購入した商品をお店でピックアップするサービスは行っていない。

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本の品揃えはアマゾンの星数評価やカスタマーレビュー、売上や人気、有名作家やスタッフからのオススメなどを考慮されており、150坪の広さに約5,000冊と絞り込まれている。全ての本は、表紙を正面に向けて陳列する「面陳(面陳列)」や「面展(面展示)」から、台に表紙を上にして本を積む「平積み」で展開しており、背差し(棚差し)での陳列はしていない。陳列された本にはアマゾンストアでの星数評価やカスタマーレビューを記載したカードがそれぞれ設置されているのも特徴的だ。

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店舗の書籍価格は、オンラインのアマゾンストアと同一となっている。アマゾンは需給状況に応じて価格を変動させる「ダイナミック・プライシング」を採用しているため、プライスカードによる価格提示は行っていない。「レシピ本で欲しい物ランキングトップ(Most Wished-For Cookbooks)」「数々の賞を受賞し、星数評価4.5以上の6歳~12歳向けの児童書(Award Winners, 4.5 Stars & Above, Age 6-12.)」で推薦されていたら、本好きなら衝動買いするだろう。アマゾン・ブックスでは返品制度も掲げており、本の内容が気に入らなかった場合など、購入から30日以内に返品すれば全額返金されるのだ!

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。後藤はYouTubeに、ピアノやギターを弾いている動画15本をアップしています。先日、YouTubeにアップした動画の総再生回数が100万回を超えました。本当に嬉しいです。楽器演奏は趣味とはいえ、一人でも多くの方に見てもらえるのは評価されていることであり、素直に嬉しく思います。楽器を演奏するのも好きですが、それ以上に様々なピアノやギターを見るのも大好きです。楽器屋さんにいくと、今でもウキウキ・ワクワクします。壁一面に展示されたギターを飽きることなくいつまでも眺めることができます。本好きな後藤は本屋でもウキウキ・ワクワクします。ただ、以前ほど興奮は薄くなってきています。なぜならアマゾンがあるから。アマゾンのほうが深い品揃えにコンテンツが充実しているからです。コンテンツとは星数評価やカスタマーレビュー、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」のレコメンデーションです。

⇒そのアマゾンがリアル書店「アマゾン・ブックス」を出店しました。アマゾン創業から20年にして実店舗の本屋を出したのですね。意外に知られていないことですが、アマゾン創業者でCEOのジェフ・ベゾス氏は大の本好きであり、ベゾス氏の妻であるマッケンジー・ベゾス氏は作家です。アマゾン・ブックスは「オンラインストアのアマゾンが、実店舗を作った」のではなく「本好きのベゾス氏が、ウキウキ・ワクワクするような本屋を創った」のだと思います。本の陳列は棚差しはなく、表紙を正面に向けた面陳列と平台陳列です。場所をとるため、150坪の広さにわずか5,000冊~6,000冊の在庫です。絞り込んだ在庫から、この店が販売を目的としたものでないことが分かります。で、取り扱う書籍は大手出版社のゴリ押しというより、アマゾンストアの星数評価で4.0以上とかを参考にしているのも本好きをターゲットにしていることがわかります。それに日本の書店では信じられないことでしょうが、お客からの返本はOKとなっています。駄本を返品!できるのです。

⇒アマゾン・ブックスのスタッフは15名。スタッフはシアトルで有名な本屋「サードプレイスブックス(Third Place Books)」の書店員や図書館員、本好きのアマゾン受付係を採用しているところからも、こだわりを感じます。アマゾンの電子書籍用リーダーのキンドルやタブレットのキンドルファイア、ファイアTVなどは販売というよりデモンストレーション用に並べられているのもポイントでしょう。しかもこの店では、アマゾンで購入した商品をピックアップするサービスは行っていないのです。オンライン・ツー・オフラインなど、オムニチャネル・リテーリング戦略を行っていないのです。すべての本にはカスタマーレビューが表示されたカードが付いていて、「レシピ本で欲しい物ランキングトップ(Most Wished-For Cookbooks)」や「数々の賞を受賞し星数評価4.5以上の6歳~12歳向けの児童書(Award Winners, 4.5 Stars & Above, Age 6-12.)」で推薦されていたら、本好きなら衝動買いしてしまいます。
アマゾン・ブックスは、皮肉にもリアル書店を20年間破壊してきたベゾス氏の理想の本屋です。ただ、儲からないでしょうけど...10兆円規模の企業だからできることです。

後藤文俊

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