Fumitoshi Goto

地球上で最も豊富な品揃えを謳うアマゾンが周辺に与える影響とは?

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

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■インターネット通販最大手のアマゾンは「地球上で最も豊富な品揃え」と謳っている。地球上で最大級の品揃えとは、果たしてどれぐらいの品目数なのだろうか?この問いに調査会社が解答を出した。マーケットリサーチ会社の360piによると、5月時点での北米アマゾンの商品数は1,220万品目にもおよぶ。これには商品サイズやカラー等のバリエーションは含まれておらず、書籍や映画などのメディア、ワイン、サービスの品目数も除外されている。さらに、業者が出品するマーケットプレイスの品目数を入れると30倍以上にも膨れ上がり353,710,754件にも上るのだ。書籍やメディア、ワイン、サービスを除外しさらに商品バリエーションを含まないで約3.5億品目以上になる品ぞろえは、まさに地球規模とっていいほどの豊富さだ。360piは品目数によるマーケットプレイスを含めた商品カテゴリーランキングも発表している。1位は「スマートフォンや携帯、アクセサリー(Cell Phones & Accessories)」の約8,200万品目。2位は「ホーム&キッチン用品(Home & Kitchen)」で約6,400万品目。3位は「衣類や靴、ジュエリー(Clothing, Shoes & Jewelry)」の3,300万品目。4位は「電化製品(Electronics)」の3,200万品目。5位は「スポーツ&アウトドア用品(Sports & Outdoors)」の2,400万品目となっている。1年前と比較した品目数の増減で、最も拡大した商品カテゴリーは「衣類や靴、ジュエリー」(マーケットプレイスは除外でアマゾンのみ)の増加だった。マーケットプレイスも同様に「衣類や靴、ジュエリー」での品目数が伸びており84%の増加となった。
アマゾンはメイシーズを抜き全米ナンバー1のファッション小売業になるとの予想が昨年発表された。コンシューマーエレクトロニクス(民生機器)販売でも2年~3年後にはベストバイを抜いて全米トップになることが予想されている。これらの予想はアマゾンの莫大な品揃えからも裏付けられるようだ。

トップ画像:マーケットリサーチ会社360piによるアマゾンの商品カテゴリー品目数(商品サイズやカラー等のバリエーションは含まれておらず、書籍や映画などのメディア、ワイン、サービスの品目数も除外されている)。アマゾンの品目数は業者が出品するマーケットプレイスを含めると3億5371万品目以上となるのだ!
15年7月27日 - 【アマゾン】、メイシーズを抜き全米ナンバー1のファッション小売業!8つと4つのE?

16年5月25日 - 【家電売上高ランキング】、アマゾンが遂に2位!日本の量販店もアマゾンに駆逐される?

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。品目数による商品カテゴリーランキングを見るとチェーンストアがここ最近、いかに影響を受けているのかがわかります。約8,200万品目の品揃えとなったのが「スマートフォンや携帯、アクセサリー」ですが、商品カテゴリーとかぶっていたのがラジオシャックです。11四半期連続で赤字を計上しラジオシャックは昨年、破綻しました。6,400万品目となるホーム&キッチン用品で競合するのがベッド・バス&ビヨンドです。ベッドバス&ビヨンドは赤字ではありませんが、既存店・売上高前年同期比の伸びは鈍化・低迷し、40%以上あった売上高総利益率(粗利益率)は減少傾向で現在は38%を切るほどになっています。3,300万品目の「衣類や靴、ジュエリー」とかぶるメイシーズやノードストロームなどのデパートメントストア、GAPなどのアパレルチェーン、さらにティーンアパレルにもマイナスの影響を与えています。

15年2月7日 - 【ラジオシャック】、ついに経営破たん!このままではサーキットシティのような消滅も?

16年4月8日 - 【ベッドバス&ビヨンド】、これがオンライン化を進めた粗利推移グラフだ!厳しいQ4?

16年5月5日 - 【エアロポステール】、破産に113店閉鎖!ミレニアムにはチェーンストアも情報戦略を?

⇒アメリカ国内や海外に800店以上展開しているエアロポステールは破産し、国内113店舗とカナダ41店全店を閉鎖しました。そういえば高級デパートメントストアのニーマンマーカスも直近の決算(2月~4月期)では売上高が前年同期比4%減、純利益率も同80%減、既存店ベースも5%減でした。ちなみ同社のオンラインストアは5%増です。ニーマンマーカスは減収減益の原因に天候不順を挙げていますが、高額アパレルにもアマゾンの圧倒的な品揃えの影響が及んでいる可能性も否定できません。3,200万品目となる「電化製品」では、競合となるベストバイを押しのけアマゾンが全米トップになりつつあります。アマゾンのアプライアンス(冷蔵庫や洗濯機の白物家電)は93万品目しかないので、ベストバイはアプライアンス売上を伸ばしています(アプライアンスの既存店ベースは直近で14.3%増)。2,400万品目の「スポーツ&アウトドア用品」で、競合になるのはスポーツ専門店チェーンです。

16年5月31日 - 【スポーツオーソリティ】、全店閉鎖へ!多店舗展開=成長のチェーンストア原則が崩壊?

⇒ご存じの通りスポーツオーソリティが事業継続を断念し、全463店をスクラップする企業清算を発表しました。老舗スポーツ用品専門店チェーンのスポーツシャレーも47店全店閉鎖し、親会社も破たんしています。ところで後藤は10年以上前からセミナーやコンサルティングで「日本で知られているチェーンストア理論はアメリカでは陳腐化している」と教えています。「大衆の衣食住をチェーンストアが豊かにしていく」という考え方はアメリカで20年以上前から通用しないと強調しています。またオムニチャネル・リテーリングのコンサルティングでは、店舗数を拡大するほど単位あたりのコストが下がっていく「チェーンストアの規模の経済性」が以前ほど追及できなくなっていることも事例を挙げて説明しています。チェーンストアも「出店控えてIT投資」等、セオリーや戦略も時流に合わせてアップデートする必要があるのです。現場しか見ないような企業が今、どんどん破綻している状況なんですね。
まずは御社が扱う商品点数とアマゾンとを比べてみてください。日本より5年~10年先をいくアメリカの実情を見て頭の中をブラッシュアップしましょう!

後藤文俊

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