Fumitoshi Goto

「オフプライス」はアマゾンに影響を受けない小売業態になり得るか

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

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■アマゾンによって多くのチェーンストアがネガティブな影響を受けているが、ほとんど影響を受けていない業態がある。オププライス業態だ。オフプライス(Off-Price)は有名ブランドの売れ残り品や返品、メーカー処分品を低価格で提供する業態。オフプライス企業にはTJマックスやロスストアなどがあり、デパートメントストアのオフプライス業態ではノードストローム・ラックやサックス・フィフス・アベニューのサックス・オフフィフス(Saks OFF 5TH)、ニーマンマーカスのラストコール・アウトレットストア(Last Call Outlet Store)が展開している。いずれもオフプライスの店舗数が本体のデパートメントストアを上回っており、ノードストローム・ラックは坪あたりの売上高が本体のデパートメントストアを凌いでいる。最近ではオフプライス業態の「メイシーズ・バックステージ(Macy's Backstage)」を6店舗展開するメイシーズが今年度中に新たに9ヵ所オープンすると発表している。
調査会社NPDグループの最近の調査によると、オフプライス業態店のお客は、デパートメントストからアパレル専門店まですべてのファッション購入者の75%を占めている。オフプライス業態店の客数は増加傾向にあり、2016年4月までの1年間のオフプライス業態店の来客数は前年に比べて4%増加したという。オフプライス業態の顧客の半数以上が45歳以上の年齢層で、次に25歳~34歳の16%となっている。どちらの層も増加しており、特にデパートメントストアからのお客が多いとしている。成長率ではアマゾンなどオンラインストアに次いでオフプライス業態が伸びているという。なお、投資・調査会社のコーヘン&カンパニーは昨年7月、アマゾンが2017年にメーシーズを抜いて全米トップのファッション小売企業になるとの予測を発表。マーケットリサーチ会社の360piによるとアマゾンの衣類や靴、ジュエリー(Clothing, Shoes & Jewelry)の品揃えは3,300万品目にも及ぶとしている。
アマゾンに対してネガティブな影響を受けない、耐性のある小売企業を「アンアマゾナブル(un-Amazonable)」と呼ばれているが、TJマックスやロススストアなどオフプライス業態がアンアマゾナブルとして挙げられている。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。デパートメントストアが不調です。2月~4月期のメイシーズの既存店・売上高前年同期比が6.1%の減少でした。ノードストロームの本体となるフルプライス・デパートメントストアの2月~4月期も既存店ベースが7.7%の減少でした。ノードストロームは本体が118店、オフプライス業態のノードストローム・ラックは190店以上と本体を上回っていますが、売上高でみればオフプライス業態がフルプライス・デパートメントストアのおよそ半分です。ノードストロームの本体の既存店減が大きかったので、全体の既存店ベースは1.7%の減少でした。ラックの既存店ベースは0.8%減です。ニーマンマーカスも直近の四半期の既存店ベースが5%減です。ざっくりした印象でデパートメントストアを見ると、本体デパートからオフプライスにお客は移動し、なおかつオフプライスのオンラインストアにお客が向かっているようです。オフプライスだから必ずしもアマゾン耐性があるわけではないのですね。
ちなみに同時期のTJXの既存店は7%増、ロスストアも同2%増でした。デパートのオフプライス業態は難しくなってきているようです。

後藤文俊

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