Fumitoshi Goto

消費者の60%がオンラインで下調べをしてからリアル店舗で購入している

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

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■新学期商戦(バック・ツー・スクール:Back to School)はアメリカ小売業にとって年末商戦に次ぐ繁忙期だ。9月からの新学期を前に大手小売りチェーンは現在、文具などを中心に新学期セールが過熱してきている。新学期商戦の盛り上がりはオムニチャネル化が進むアメリカ小売業界においてリアル店舗だけにとどまらない。大手チェーンはオンラインストアと併用することで売上を伸ばしている。マーケティング企業のザ・シェルフの調査によると、オンラインストアでの購入は7.9%に過ぎないとしている。これは商務省が第1四半期で発表した電子商取引シェア7.8%の数字と変わらない。購入金額のシェアではオンラインは10%以下だが、ザ・シェルフではオンラインストアによる消費への影響力という点で異なった数字を出している。消費者の半数がオンラインで下調べしてからリアル店舗などで購入しているのだ。価格リサーチを行う消費者は60%以上となる3分の2に上るのだ。リアル店舗で実物を確認後にオンラインストアで購入するショールーミングもまだ行われている。ショールーミングでの購入は67%にも達するのだ。最も顕著なデータはオンラインストアの購買への影響力だ。リアル店舗で支払う1ドルのうち37セントが、ネット検索などデジタルをツールとするインターアクション(相互作用)の影響力としているのだ。さらに興味深いデータとして、リアル店舗とオンラインストアを相互で上手く利用するオムニチェネルショッパーは片方のみで買い物をする人に比べて3.5倍の支出となる。
ウォルマートの調査によるとウォルマートの店舗のみで買い物する場合、年間平均購入額は1,400ドルであり、ウォルマート・コムのみでは数百ドルとなっており、両方で買い物すると年間平均購入額は2,500ドルにも達するという。ウォルグリーンの調査では実店舗とオンラインストア、モバイル(アプリ)を使うオムニチャネルショッパーは実店舗のみの顧客に比べて6倍の支出となると発表していた。オムニチャネル化を推進すれば大手チェーンはこうしたデータを目の当たりにすることになり、さらにシームレスな買い物の場への転換が加速されそうだ。

16年3月14日 - 【ウォルマート】、ピックアップ・グローサリーをさらに拡大!ミレニアムにロックオン?

15年3月31日 - 【ウォルグリーン】、オムニチャネルショッパーは実店舗のみの顧客に比べて6倍の儲け?

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。友人から久しぶりに連絡がありました。携帯を水没したらしく「フェイスブックやっていれば簡単につながれるのにー」と嘆いていました。後藤はフェイスブックをやっていません。理由は幾つかあるのですが一つはそこまで手が回らないことがあります。「選択と集中」という理由から、ブログや(クライアントを対象にした)メールレター、スカイプ・コンサルティング・セッション(SCS)以外にSNSまで手を広げるのも抵抗があります。そしてフェイスブック上で記事を掲載しても、グーグルやヤフーなどの一般の検索エンジンでヒットしないことがあります。「激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ」を入り口にして、緩くつながっている企業には「メールレター 月刊アメリカ流通事情」を配信し、クライアント会員など強くつながっている企業には画像や動画まで駆使して直接的に解説する「スカイプ・コンサルティング・セッション」という使い分けを行っているのです。

⇒これからは、さらに検索社会となります。必要な情報はグーグルやヤフーの検索で得る時代です。書籍や専門誌、新聞などで検索不可な紙媒体のみの情報は年々、接する面が狭くなっていきます。つまり紙媒体上のみの情報では「種の保存」が難しくなります。即座に且つ無制限に文章や画像、動画をアップできるネットはコンテンツに適しています。特に若い人たちほどスマートフォンを巧みに使って情報を得ようとしますから、有料となる紙媒体コンテンツの需要は右肩下がりになるのも明らかです。ネットの特長はそもそもコンテンツに有利なことです。コンテンツを置かず、ネットで売りこもうとするとアクセスはなくなります。日本の大手チェーンストアのネット展開を観察すると、意外にこれに気づいていない企業が多いです。セールやポイント販促などが目立ち、押し売り臭がすごいですね。例えれば、入店したらすぐに販売スタッフが寄ってきて「アレが安い」「これがお得!」と売りこみをかけてくる感じです。

⇒購買行動の背後にある心理を考えれば、押し売りはできないはずなのですが、それをネットでやってしまっています。一つはオムニチャネル・リテーリング戦略が日本で歪んで伝わっていることがあります。ネットでも売れるのなら、ガンガン売ってやろうということ。リアル店舗の延長線上にネットを使っているから、可笑しなことになるのです。アマゾンCEOのジェフ・ベゾス氏は「物販で儲けているわけではありません。顧客の購買決定を助けることで利益を得ています(We don't make money when we sell things. We make money when we help customers purchase decisions)」と語ったことがありました。「この商品を購入している人はこんな商品を購入しています」もおざなりで、購買行動を助けるコンテンツもなく、売りこみ臭を感じさせたらオムニチャネルなど、まず無理です。入り口をしっかり設計しないと、そのあとに続く購買動線が途切れます。ネットで検索してアクセスする人は、どんなに安くてもすぐに購買はないのです。
詳細は「最新!リアルとネットが融合するオムニチャネル戦略セミナー」でも教えます。これは売りこみではないですよ!(爆)

後藤文俊

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