Fumitoshi Goto

オムニチャネル化に遅れると、ECがリアルの売上を食う共食い状態に?

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

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■ターゲットは18日、年末商戦となる11月~12月期の既存店・売上高前年同期比が1.3%の減少だったことを発表した。実店舗の既存店ベースは3%以上の減少となったが、オンライン売上が前年から30%以上伸びたことで既存店の一部を埋め合わせた形だ。売上高前年同期比は4.9%の減少だった。カテゴリー別では重点カテゴリーとしている「ファッション(Style)」「ベビー(Baby)」「キッズ(Kids)」「健康(Wellness)」が3%近くの増加となったものの、食品や日用品が1桁台前半の落ち込みとなり、家電やエンターテイメント商品が1桁台後半で低迷した。ターゲットは年末商戦の不調を受け、第4四半期(11月~1月期)既存店ベースの予想を当初の1.0%減~1.0%増から1.5%減~1.0%減と下方修正を行った。なおターゲットは2ヵ月前、売上の持ち直し等を反映し従来予想の2%減~横ばいを1%減~1%増に引き上げたばかりだった。同社の第3四半期(8月~10月期)の既存店ベースは0.2%の減少、第2四半期(5月~7月期)は同1.1%の減少だった。第4四半期も既存店ベースが前年を下回れば3四半期連続での減少となる。
年末商戦で不調となったのはターゲットばかりではない。老舗デパートメントストアのメイシーズは、11月と12月期の既存店・売上高前年同期比が2.7%の減少となり、68ヵ所の店舗閉鎖と1万人規模のレイオフを発表した。シアーズも既存店ベースで12%~13%の減少だったことを明かし、150店におよぶ店舗閉鎖と同社PBで老舗工具ブランド「クラフトマン(Craftsman)」の売却を発表。また1990年代、グループ全体では5,600店を展開していたアパレルチェーンのリミテッドも残っていた約250店の店舗閉鎖を行った。1,000店舗以上を展開するJCペニーも11月~12月期の既存店ベースが0.8%の減少となり、店舗閉鎖を検討していることを明かした。国内に1,155店舗を展開するコールズも2.1%の減少となった。年末商戦が特に繁忙期となるトイザラスでも既存店ベースが2.5%の減少だった。一方、全米小売業協会(NRF)は、年末商戦が当初の予想を超えて好調だったことを発表しており、ネット通販最大手のアマゾンは年末商戦が過去最高を記録したと発表している。
ターゲットは国内に1,800店を展開しており、その内訳はスーパーセンター業態など4,760坪以上の大型店が278店、1,400坪~4,760坪未満の通常のディスカウントストア・フォーマットは1,503店(前期より2店舗減)、「フレキシブル・フォーマット(flexible format)」と呼ばれている1,400坪以下の小型店は19店舗となっている。

17年1月15日 - 【年末商戦】、予想を上回る4.0%増!陶酔の中で「消えてくリアル、増えゆくネット」?

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。昨年のブラックフライデーセールで、後藤はターゲットのオンラインストアでいつも買っているランニングシューズを購入しました。その2週間前、オムニチャネルを試すため「ネットで注文、お店でピックアップ」のボピス(BOPIS:Buy Online Pickup In Store)で1足を買ったばかりでしたが、セールでさらに安くなっていたので宅配による購入を行いました。11月24日に注文し、実際に届いたのが12月1日...遅いです。コンサルティング・セミナー中の不在だったので玄関に箱が置かれてある状態でした。それはいいのですが、注文後の確認メールがありませんでした。一昨年も注文しましたが同じように確認メールはありませんでした。ターゲットはまだオンライン販売に慣れていないということです。なぜかといえば、ターゲットはIT投資より海外出店に注力したため、オンライン販売を含めオムニチャネル化が遅れているからです。

⇒それでもネット販売が30%以上で伸びているのは、消費行動がリアルからネットに移っていることや、ターゲットが全品15%オフとなる大幅な値引きを行ったことに加えて、すべて送料無料にしたからです。しかし店舗売上が追い付いていません。もっといえばカニバリゼーションという共食いを起こしています。ネット売上がリアル店舗の売上をくっているということです。ターゲットにかかわらずオムニチャネル失敗事例のメイシーズで顕著になっていることです。オムニチャネル化に遅れている企業が次々に既存店ベースでマイナスを発表しているのです。オムニチャネルで遅れているどうかは店舗での受け渡しで分かります。ターゲットはロサンゼルスで展開する店舗のカスタマーサービスを改装してボピス対応にしていますが、一部の店舗のみです。1,800店のほとんどが従来型のカスタマーサービスのままでボピス対応になっていませんから、商品がバックルームに溢れるように置かれている状態なのですね。
ターゲットがオムニチャネルで遅れている理由は...それはセミナーや次回のブログで公開します。出し惜しみではないですよ。

後藤文俊

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