Fumitoshi Goto

アマゾン、日本の百貨店もアマゾン・エコーを販売か?

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

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■デパートメントストアのコールズは18日、ネット通販最大手のアマゾンと提携しアマゾン製品を一部店舗での販売を始めた。同社は同時にアマゾンで購入した商品の返品取り扱いサービスも始めた。大人気になっているアマゾンの人工知能スピーカーを扱い、アマゾンの返品客も集客することでコールズへの店舗集客を増やす。ショップ・イン・ショップとなる「アマゾン・スマート・ホーム・エクスペリエンス(Amazon Smart Home Experience)」は、イリノイ州バックタウン地区などシカゴ郊外のコールズ6ヵ所と、カリフォルニア州トーレンスなどロサンゼルス郊外のコールズ4ヵ所にオープンした。約30坪となるアマゾン専用の売場では人工知能を搭載した「アマゾン・エコー(Amazon Echo)」などエコー・ファミリーのスマートデバイスにファイアーTV、ファイアータブレット、キンドル電子書籍リーダー、アクセサリーなどアマゾンのサービス関連商品を販売。アマゾンのスタッフを配置し、製品説明やデモンストレーションなどを行う。アマゾンが提供している無料のスマートホームの出張デモンストレーション・サービス「スマート・ホーム・コンサルテーション(Smart Home Consultation)」の予約も可能となっている。最大45分間となるスマート・ホーム・コンサルテーションではアマゾン専属のスタッフ「アマゾン・エキスパート」がアマゾン・エコーの設置からエコーと連携したスマートデバイスなどが各家庭環境で使えるかどうかまで調査する。なおアマゾン・スマート・ホーム・エクスペリエンスは、ショッピングセンターでエコーなどを展示販売しているアマゾン・ポップアップストア(Amazon Pop-Up)に準じた店舗展開となっている。
コールズはアマゾン・スマート・ホーム・エクスペリエンスのある店舗に返品デスクもオープンした。アマゾンで購入した商品をコールズに持ち込み、梱包して無料でアマゾンに返品するデスクとなる。「100%満足度保証」と言われるアメリカの返品制度と同様、返品時に返品理由などは問われない。コールズはまた、返品に来るお客用に、店舗入り口近くに設けられた専用駐車場を提供する。
49州に約1,100店を展開するコールズはロサンゼルスやシカゴの店舗82ヵ所にアマゾン・スマート・ホーム・エクスペリエンスとリターン・デスクを開設するとしている。

トップ画像:コールズ・トーレンス店内にオープンしたアマゾンのショップ・イン・ショップとなる「アマゾン・スマート・ホーム・エクスペリエンス(Amazon Smart Home Experience)」と返品用のデスク(右)。約30坪の売場では人工知能を搭載した「アマゾン・エコー(Amazon Echo)」などエコー・ファミリーのスマートデバイスにファイアーTV、ファイアータブレット、キンドル電子書籍リーダー、アクセサリーなどアマゾンのサービス関連商品を販売している。
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ショップ・イン・ショップとなる「アマゾン・スマート・ホーム・エクスペリエンス(Amazon Smart Home Experience)」は、イリノイ州バックタウン地区などシカゴ郊外のコールズ6ヵ所と、カリフォルニア州トーレンスなどロサンゼルス郊外のコールズ4ヵ所にオープンした。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。アマゾンジャパンは日本でもスマートスピーカー「アマゾンエコー」を販売すると発表しました。アメリカでもエコーの新機種が続々売り出される予定で、エコーファミリーが一気に拡大します。アマゾン製品の拡大に伴い、アマゾン製品をモール等で展示販売しているポップアップストアも急増しています。コールズのアマゾン・スマート・ホーム・エクスペリエンスを含めるとすでに60ヵ所以上となっています。これは日本でも同様な展開になることは容易に想像できます。日本でエコーが販売されれれば(人気となり)、アマゾンのポップアップストアも増殖します。特に集客を望む百貨店にオープンします。アマゾンが、現場の売上を奪う敵であっても関係ありません。そんなことは言ってられないからです。というのも百貨店は依存体質だからですね。百貨店はこれまで、何もしなくてもお客が大量に押し寄せていたという強烈な成功体験があります。

⇒百貨店側にはリスクフリー(商品が万引きされても、火事で燃えても百貨店はリスクなし)の「消化仕入れ」という業界独特の商慣習もあります。現在の百貨店は訪日客で活況を呈しています。皮肉にも、これは数年前(ドル安の頃)のメイシーズとダブります。訪日客はいつまでも増え続けるわけにはいきません。そのうち減少に転じます。それ以前に海外からのお客が百貨店に行かなくなることも考えられます。で、成功体験にリスクフリー、訪日客需要で慣らされてしまうと優秀な人でも完全に思考停止に陥ります。口を開けていれば食べ物を入れてくれるようなもの。足腰・身体が弱ってくるだけでなく、考えもしなくなります。で、いずれ集客に困るととりあえず売れるものは何でも扱うことになります。アマゾンジャパンからポップアップを出店したいと打診があれば渡りに船。閉店よりマシなので「どうぞ、どうぞ」と敵に売場を明け渡すことになります。アマゾンのプレゼンスが更に増せば顧客は百貨店にいきません。長い目で見て悪循環です。
いつの時代も淘汰される企業は、変化しない企業です。変化しないとは成長しないということ。成長しないとは学ばないということ。学ばないこととは、やりがちなことをいつまでも繰り返すということです。

後藤文俊

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