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ユニクロも全店舗に導入へ、ICタグ(RFID)導入のご利益とは

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ファッション流通コンサルタント ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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ちょっと前のニュースですが、11月7日の日経新聞に ファーストリテイリングが展開するユニクロが1年以内に 国内海外 約2000店舗 全店に ICタグ(RFID)を導入することに関する記事が掲載されていました。

初期投資は数百億円に上る見込みで

同社は同システム(RFID)の全店舗への導入によって

「瞬時に在庫管理を済ませ、店員を接客に回し、来店客には会計の待ち時間や欠品を少なくするといった効果でメリットを出す」としています。

店舗へのIC(RFID)タグの導入は、まずは入出荷検品、在庫検索、レジ精算、棚卸業務などの作業効率(生産性)向上、防犯管理などへの活用から始まり、その後、店舗内での顧客購買行動の追跡に期待されています。

昨今、RFID導入のメディア記事を読んだり、ITベンダーさんの売り込みトークを聞いたりするたびに、思うのですが・・・ 彼らが語る 「瞬時に在庫管理を済ませ」というおおざっぱというかミスリードな表現に違和感を覚えるものです。

以前

在庫データの精度を高めて「ラスいち(最後の一点)」を売り切れ

というタイトルのエントリーでも触れましたが、

導入実績のある企業さんたちの話を伺うと、

RFIDは決して魔法の杖ではなく、導入すれば何でも解決するわけではなく、読み取り精度は決して100%とは言えず、

とは言え、取り組みかた次第で作業効率が図れるというものです。

たとえば 棚卸業務ひとつ取っても

従来(バーコード対応)の棚卸の工程には大きくわけると

1) 準備段階
2) 全商品を一点ずつスキャン
3) 誤差調査

の3つがある中で RFIDの導入によって

1)がほぼ不要になり、2)が瞬時で済む、その結果 3)の調査だけに集中できるようになるので、大幅時間短縮につながるというものです。

これは、これまで 在庫データの精度を高めようと、1)~3)までの苦労を愚直にされて来た企業さんや店舗スタッフさんにとって在庫データを正確な状態にするのに時間短縮できるようになる、

というご利益があるのであって、

そもそも、棚卸というか、商品管理の本来の目的を理解していなかったり、

ただやらされている感でいるために時間のかかる面倒な作業と考えて、3)をやっていなかったり、いい加減にしたりしてきたところにとっては・・・

2)の作業が楽になるというだけで、相変わらず正しく在庫がつかめないままで・・・それ以上のご利益はないでしょうね。

ユニクロさんあたりはそのあたりしっかりやられて来た企業の一社だと思いますが、

これまでそうでなかった企業さんは RFIDを検討する際に、

まずは業務そのものを見直し、何故 在庫データを正しく把握する必要があるのかに立ち戻った上で 導入を検討すべきでしょうね。

そうすればタグ1枚のコストが高いか安いかではなく・・・

業務の生産性が高まり、過剰在庫を減らすことによって得られる・・・労働時間短縮と在庫の値下げや廃棄ロスの低減と、導入およびタグのコスト(投資)が見合うかどうかという議論になりますからね・・・

ECやモバイルデバイス(スマホ含む)が普及して、

店舗スタッフがお客様が欲しいと思った商品在庫を在庫データを検索して見つけ出してご提供する。

一方、お客様ご自身もスマホで自分でみつけて、購入または取り寄せることが容易な時代になってきました。

また、在庫データが正確であれば、最後の1点までも売り尽くしやすい環境が整いつつある中で、

勝ち残りのためには以前よりも断然、在庫データの精度を高める必要性が高まって来たと感じています。

欲しい商品を手にしたお客様とそのお買いものをお手伝いできた喜びのために・・・先端技術を理解し、正しく導入・運用したいものですね。

執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

齊藤孝浩

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