Fumitoshi Goto

返品大国「アメリカ」、薬も返品可能?

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

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■アメリカの返品事情は日本でも広く知られるようになった。アメリカではほとんどのチェーンストアやたいていのお店が、購入した商品について返品期間内であれば、理由を問わず、使用済みでも、消耗していても返品・返金に応じてくれる。「100%満足度保証」で商品に満足できなければ自由に返品でき、お客にはまったく損をさせない。一方、日本では「お客様の勝手な都合による返品」は全く応じない。未使用・未開封の場合に限り返金または交換に応じるといった店がほとんどだ。日本では購入後のリスクはお客が背負っている。アメリカではリスクはお客ではなくお店のほうが負っているのだ。アメリカの「無条件返品」は100年以上の歴史があり、返品コストは利益に盛り込んでいる。全米小売業協会(NRF)が昨年、発表したデータによると昨年の返品率は11%に達した。返品率が8%だった2015年の調査から3ポイントもアップしているのだ。また昨年の11月~12月のクリスマス商戦期中の返品率は13%にも上るとの試算が出されている。
これまで当ブログでは様々な返品を行い検証を試みた。トレーダージョーズではレシートのない5品目を返品した。賞味期限が切れているばかりか、腐っているとみられる食品や消費した食品、取り扱い中止のものまで問題なく返品できた。レシートがなくても100%返金できたのだ。ホールフーズで購入したミールキットも返品した。開封し消費しても100%返金できたのだ。サムズクラブでは日本円にして7万円という高額なタブレットも返品を行った。588ドルのアイパッド・プロを返品したら電子廃棄物料金の3ドルだけ引かれたものの、588ドルと消費税で支払った53ドルの返金に応じてくれたのだ。スタッフから返品理由を聞かれて「気にいらなかった(I don't like it)」の返答でもまったく問題なく返品できた。最近ではアマゾンで購入したニンテンドーの新型ゲーム機「2DSLL」もコールズ内にオープンしたアマゾンの返品デスクで返品した。返品して僅か2時間後にはアマゾンから返金完了の通知を受け取った。
食品や家電品などを行ったが、薬の返品はどうなのだろうか?「効かなかった」という理由でも返品できるのだろうか?アメリカで最も良く知られているアレルギー薬の「ジルテック(Zyrtec)」で検証してみた。鼻水や花粉症などのアレルギー症状を抑えるジルテックは日本では病院等で処方されるが、アメリカでは処方箋なしで購入できる一般用医薬品となっている。サムズクラブでジルテック50錠X2個のバリューパック(34.28ドル)を購入した。消費税を含めて37ドルほどだ。ジルテックを10錠ほど消費して返品期間内にサムズクラブのカスタマーサービスに持っていった。返品時にはサムズクラブの会員カードが必要だったが、返品理由さえ聞かれずすぐに返品ができた。これはサムズクラブに限ったことではない。ウォルグリーンやCVSなどの大手ドラッグストアチェーンから、大衆薬を扱うスーパーマーケットやディスカウントストアでも同様に返品が可能なのだ。極端なことをいえば、風邪が治るまで様々な風邪薬(一般用医薬品に限る*)の返品を繰り返しながら無料で試すことができるのだ。
お薬で儲けている医者や病院、製薬会社が聞いたらめまいを起こしそうな話だが、アメリカでは薬でも「100%満足度保証」なのだ。

トップ画像:サムズクラブのカスタマーサービスデスクでアメリカで最も良く知られているアレルギー薬の「ジルテック(Zyrtec)」を返品。お薬でも理由さえ問われず返品が可能なのだ。10錠ほど飲んだが100%(約4,000円)返金だ。

*処方箋薬は一般的に返品が不可となっている。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。日本の情報番組でもアメリカ小売業の返品制度について、よく取り上げらえるようになったこともあり、返品について知っているという方も増えています。ただ、実際に食品を返品したり(しかも腐ったもの)、7万円もするような高額品の返品、お薬の返品まで行う人は後藤以外にいません。まぁ、それまでにも様々な返品はやってはいるのですが...つまり三次・四次情報として返品を知っている人はいても、実際に返品した人の話を聞くことはありません。返品を知っているという人でも、後藤がコンサルティング・セミナーで話すと目を丸くします。手前みそですが、聞く方からしたら面白いですから。なぜ面白いかというと文字通り、見たままを話すからです。なので迫力があるので身を乗り出して聞いてきます。質疑応答になれば逆にこちらが驚くようなツッコミをしてきます。以前、聞かれたのが「トレーダージョーズでNB商品の返品はどうなるのか?」というもの。
ということでまた検証をする機会をうかがっています。でも返品はお店に迷惑が掛かっているのがわかるので、精神的にはキツイのですよ。

後藤文俊

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