LLビーン、100%満足度保証の返品制度に条件を加えることを発表

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■アメリカの商慣習で最も特徴的なことに返品制度がある。返品制度は「100%満足度保証(100% Satisfaction Guarantee)」の名目で、購入した商品に満足できなければ理由を問われず返品でき、100%返金(もしくは交換)されるのだ。「100%満足度保証」はシアーズのカタログ販売など100年以上前から続いているもので、返品のコストは経費に織り込まれている。返品で有名な逸話に「ノードストロームのタイヤ返品」がある。高級デパートメントストアであるノードストロームが、扱ってないタイヤの返品に応じて返金したというストーリーだ。ノードストロームがオープンする前、その場所ではタイヤを売っていた。勘違いしたお客に対しても「100%満足度保証」を適用し、ノードストロームのサービスが伝説となったのだ。日本人から見て奇異に映るのはノードストロームだけではない。例えばホームセンターのホームデポやローズでは、観葉植物など1年もたなかったら、無条件、無償で新しいものに交換する満足度保証を行っている。一方で近年、返品制度の濫用で返品条件の厳格化もある。

アウトドア&アパレル用品メーカーで18州に約50店舗を展開するLLビーンは9日、100%満足度保証の返品制度に条件を加えることを発表した。これまでは購入した商品がどんなに古くても、またレシートがなくても100%返金に応じていたのだが、新しい返品制度では「購入から1年間」と期限を設定したのだ。同社CEOのスティーブ・スミス氏によると、中古屋やヤードセール(ガレージセール:自分の庭やガレージで要らなくなった物を売ること)、フリーマーケット、さらにはゴミ箱をあさって得たような古いLLビーン商品を返品する人が増えたという。こうった不正返品が増加傾向にあり、LLビーンでは2.5億ドル(約270億円)分が不正返品によるコストとなっているのだ。そのため「(不正返品を許すことは)サスティナブルではない上、逆にお客様に不公平」という理由で返品制度に購入から期限を設ける条件を加えることにした。LLビーンの競合となるREIでも2013年から無期限から「購入から1年間」の条件に変更している。

全米小売業協会(NRF)が昨年、発表したデータによると昨年の返品率は11%に達した。返品率が8%だった2015年の調査から3ポイントもアップしているのだ。また昨年の11月~12月のクリスマス商戦期中の返品率は13%にも上るとの試算が出されている。返品に対して厳しい条件をつけなければコスト増となってしまう。しかし返品期限を「購入から1年間」でも十分に寛大だと思えるのだが...
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。後藤はコンサルティングに100%満足度・貢献度保証を付けています。私のコンサルティングがクライアントの事業や仕事に役立たなければ返金する、業界初となるポリシーです。これを読んで「後藤さん、宣伝ですか...」と冷ややかに感じたら、自分が社長や役員、上司、同僚、部下に「会社に貢献していないと感じたら給与を全額返金します」と宣言できるかと考えてみてください。簡単には言葉にさえできないはずです。言い換えれば100%満足度・貢献度保証は「コミットメント」でもあります。多くの人は仕事で実力を発揮するため本を読んだり、セミナーに参加したりします。が、自分の報酬となるお金を賭けることほど本気になるものはありません。「自分なりに頑張った」「命を懸けてやった」などと安易に言い訳をいえなくなります。相手に真剣の刀を渡して「切りかかってきてください」ということですから、文字通り真剣にならざる得ないのです。

⇒またヤバそうな相手には宣言できません。それこそ濫用されますから。真剣に向き合える人にしか自分の価値を保証できないことになります。これを言い換えれば「ポジショニング」となります。自分のターゲット顧客が誰で、その人が何を必要とし、何を必要としないかまで分かっていないと仕事は成立しないのです。私の場合、クライアントを選ぶことになります。例えば旅行エージェントからコンサルティングの依頼が来た場合、クライアントから直接、メール等の連絡をいただくようにしています。スピードの時代、柔軟に対応できる企業とお付き合いしたいと思っています。当ブログで何度も強調していますが、参加者も20名以下にしています。オムニチャネル・ワークショップを行うからです。自分のやること、やれるべきことを明確にしているのでコンサルティングが効果的になり、リピーターが増えるのです。言い換えれば「カスタマー・ライフタイム・バリュー」が上昇するということです。
LLビーンも同じで、返品に条件を付けることでポジショニング、コミットメントを明確にし、カスタマー・ライフタイム・バリューが上昇するのです。言い換えれば返品期間を1年にすることで文句を言うのはそもそも顧客ではなかったということです。

後藤文俊