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テクノロジーの進化で変わる消費 -vol.2-

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ぬくもりとトレンドと

「デジタルネイティブは世界の人口の30%。社会全体は厳しいかもしれないが、デジタルネイティブ世代が欲しいと思う物を追っかければ、マスになる」(経済産業省)。

効率だけではない

テクノロジーによって変化が著しい消費者。なかでも若年層の動きから目が離せない。デジタル技術を駆使した効率重視だけが特徴かと言えば、そうではない。手のぬくもりを求めたり、人とのつながりを重視する傾向も目立つ。テクノロジーによる効率化と相反する動き、つまり二極化がキーワードだ。

昨年10月5~8日の「東京アートブックフェア」(東京・天王洲アイル)。大盛況で、後半2日間は安全確保のために入場を制限。希望者が長時間待機した末に入れない事態も起きた。

09年に始まった同フェアは、アート出版に特化したもので今回が9回目。会場内にはZINE(個人で作った本)やTシャツ、アート作品を揃えたブースが並び、若い世代の熱気が伝わってくる。作品に共通するのが、オリジナリティーと個性。いわばぬくもりのある作品が多い。

繊研新聞社は今年の新年号を製作するにあたり、「繊維・ファッション関連企業の経営トップアンケート」を行った。質問の一つが「デジタル技術の発展で消費はどのように変化すると思われますか」。回答は、ECの拡大、より効率的な消費が主流になる、といったものが多かったが、「トレンドとオリジナリティーの両極端に偏る傾向になる」(サマンサタバサジャパンリミテッド)、「統計数値のみに基づく供給では消費者の心を捉えられない。逆にアナログな側面が見直されるのでは」(イッセイミヤケ)との記述が目を引いた。

違う何かのために

17年9月、初の直営店を東京・南青山に開設した「オーラリー」。糸作りから加工、染色、縫製までこだわり抜いたウェアが人気だ。見た目や色は極めてシンプルだが、「袖を見ただけで他とは違うと感じてもらえる服が作りたい。何かが違う。その何かのために一生懸命やっている」(デザイナーの岩井良太さん)。直営店は根津美術館の近く。利便性は良くないが、多くのファンが押し寄せる。

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糸作りから加工、染色、縫製までこだわり抜く「オーラリー」18年春夏コレクション

この現象は、前掲アンケートの「AIによってファッションビジネスはどう変わる?」という質問へのビームスの回答と重なる部分がある。「需要予測などマーケティングや商品企画などの大きな革新をもたらすと考える。一方では、人の熱気、活気、こだわりなどがさらに大切になっていく」という見方だ。

商品を生み出す際に最新テクノロジーを巧みに使うことはもちろん大事だが、今の消費者は単純に便利さだけを求めてはいないことの証しでもある。

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