RETOY'S

PMDデザイナーのマリエが語るアイデンティティと現代のファッション

RETOY'S web Magazine

ヴィジュアルで魅せるニュースマガジン

フォローする:

 

180313-4-20180227_010.jpg

PMDデザイナー マリエとRETOY'S編集長 エナによる"ファッション談義"。会うといつも何時間も熱く語るふたり。インタビューやNYC、RETOY'Sでの様々なコラボレーションの源は、このふたりの"ファッション談義"から始まります。その暑すぎるファッション愛をを初公開!

180313-4-20180227_006.jpg

180313-4-20180227_005.jpg

180313-4-20180227_004.jpg

180313-4-20180227_001.jpg

今回、対談場所としておじゃまさせて頂いたのは南青山にある「GOOD LIFE FACTORY(グッド ライフ ファクトリー)」。毎日食べたい、本当においしいサラダ屋さん。ふたりも真剣に選びます。オーダーしたメニューは後ほど。

180313-4-20180227_003.jpg

180313-4-20180227_011.jpg

Ena(E):今日はマリエちゃんを迎えて、私たち二人が普段ファッションについて喋ってる、"いつもの感じ"で話していこうと思ってます!今後この場所で色んな人を迎えて、最終的にみんなを巻き込んで、Webの中だけじゃなくリアルな世界で何かが一緒にできたらいいなと思ってる。今日はそのエピソードゼロ的な感じだね。

Marie(M):いいね。この間のクリスマスフォトストーリー(マリエ×RETOY'S「PASCAL MARIE DESMARAIS」)みたいに、一年に数回でもずっと続けてたら、RETOY'S × マリエ × iPhoneケースとか、キーホルダーとか、オーガニックブランドと染め物してみました、とか色々広がっていくよね。遊び感覚で一つ何かできても面白いしね。

E:そう。私はWebをやってるからこそリアルな部分って必要だと思うんだよね。WebはWebだけで完結しちゃいけない。もっと入り口を広くとって、「ファッションってそんな難しいものじゃないんだよ」って伝えたい。「とりあえず服を着てみようよ、とりあえず本物を触ってみようよ!」って。どうしてこれが良いものなのか分からなかったら分かる人に聞いちゃえばいい。

M:うんうん。

E:もうちょっと昔ってカッコいい大人たちがそういう事をたくさん教えてくれたんだよね。こういうテイストが好きならこのお店行けばいいよ、あそこのもカッコいいよって。今はWebで簡単に何でも調べられちゃう世の中になってるから、何が本当に良いのか、本質はどこにあるのか、っていうのが見えなくなってる気がするな。

M:それで言うと私は最近クエスチョンが一つあるんだけど、これエナさんにも質問したい!

E:なになに?

M:東京ってさ、世界一のスクラップ&ビルドの街じゃない?どんどん景色も街も変わっていく。だからなのかもしれないけど、原宿、渋谷っていういわゆるおしゃれスポットって呼ばれる街に昔はもっとカッコいい人が多かったなと思うの。ざっと20年くらい前かな、私が中学生くらいの時は「わ!あのひとすっごいおしゃれ!」って思える人がいたんだけど、今は街歩いててもなーんにも面白くない。可愛い人もカッコいい人も消えちゃったって感じ。私にとって「あのファッションまねしたい!」って思える人がいないんだよ。でもそれって自分の目が変わってしまったのか、街が変わったのか、教えてほしいの。エナさんもそう感じることある?

180313-4-20180227_023.jpg

180313-4-20180227_014.jpg

E:昔はさ、「服を選ぶ」時のポイントが「これを着てなきゃダサイ」だったの。当時は毎シーズン毎シーズン流行もあって、それを着こなしている人たち=おしゃれで、それを着ていない人=ダサイってはっきり分かれてた。逆にわかりやすかったのかもしれないね。

M:例えば?どのブランドが流行ってたとかは?

E:私が音楽系だったっていうのもあるけど、パンクスタイルからモッズが流行ったり、音楽とファッションが確実にリンクしてた。そこからMasaki Matsushima(マサキマツシマ)みたいな黒っぽいものがきたりね。

M:UNDERCOVER(アンダーカバー)とかも?

E:そうそう。それで頑張ってアルバイト代でY'Sを買うとかさ。10代20代の子がこぞって何万もするコートや靴や鞄を着てたなー。それを着てなきゃダサイって思われるっていう空気があったから。

M:なるほどね~。

E:今の原宿の子のファッションも主張はすごく感じるんだ。でも、東コレ(東京コレクション)の時期に来日していた海外の媒体が東京コレクションスナップって出してたのが、東コレの会場に来てる人でもなんでもなくて、原宿キッズのスナップがバーッと並んでたの。「え!これは違うでしょ!」って思った(笑)確かに海外から見たら日本独自のファッションに感じるんだろうけど、あれを"東京のファッション"として一括りにされるのは違うんじゃないかなーって。

M:うーん、面白味はあるんだけどね。

E:そうそう。でもそれは東京のファッションという中の一つの側面なだけじゃない?東京にはそれこそ色んな人がいるのに、みんながああいう格好をしてるって思われるとちょっとね。昔海外の人に「東京の人はみんな着物を着てると思ってた」って言われたくらいのカルチャーショックだよ(笑)

M:むしろ着て歩きたいけどね(笑)

E:海外コレクションに来ている日本のエディターってみんな地味な格好をしてるから、どうせなら着物着て行けばいいのにって思う。日本を代表して世界に情報を発信するんだったらそれくらいの気持ちがあってもいいんじゃないって。

M:そういう意識の人ってすごい少ないかも。

E:昔は雑誌も色んな人が出ていて、クリエイターもみんなおしゃれに気を使ってた。「こんな大人になりたい」「こんな人になりたい」っていう憧れがまずあって、そこがファッションと繋がっていた気がする。音楽の人もいればアートの人もいたし。20年前はそんな人たちが山ほどいたなー。

M:そういう時代だったんだね。

E:そういう人たちを見て、どうしても欲しい服があっても地元(大阪)にはお店がないし今みたいにネットで買えないから、雑誌で調べてお店に電話するみたいな。そこまでしてもどうしても欲しいって言う気持ちやアイテムがあったな。

M:それあったね~!雑誌に書いてある住所メモって、電信柱に書いてある住所見上げながら、「あ、ここ曲がったらあるんじゃない!?」とか。私今でもすごい土地勘あるんだけど住所だけで目的地にたどり着けるのは地道にお店を住所から探してた経験があるからなんだよね(笑)

E:すごい役に立ってる(笑)

180313-4-20180227_016.jpg

180313-4-20180227_002.jpg

M:今私が「これってどうなの?」って思っていることが一つあって。今って、有名になるためだけに目立つファッションをしているアーティストばっかりじゃない?海外のアーティストでも、「I love japanese culture!」みたいな感じの人たくさんいるけど、ファッションアイコンみたいに思われてる日本のアーティストも、会ってみたら普段のファッションは超普通の女の子なわけよ。

E:うんうん。

M:いやさ、別に普段から羽根つけて歩いてって言ってるわけじゃないんだけど(笑)、そのファッションって売れるためだけにやってたの?好きでやってたんじゃないんだ?って思っちゃう。例えば、野宮真貴さんっていつ会っても「うわ、かっこいいー!」みたいな突き抜けてる感じあるじゃん。

E:そうだね、明らかにどこにいても"野宮真貴"さんだもんね。

M:「やっぱり普段から網タイツはくんだ!」みたいなね。すごく確立したアイデンティティを感じるわけ。今の表現者ってそこのアイデンティティがなくなってきてるんじゃないかな?人前に出る人間が「お金欲しい、モテたい、売れたい」っていう気持ちでエンターテインメントを作っちゃってるんだよね。そこを変えないと、アイデンティティロスがどんどん増えていくと思う。

E:なるほどね。

M:今街を歩いている女の子、私いくらでも絵に描けるもん。ヘアスタイルはこうでファッションはこうで...ってみんなおんなじ。キュプラ素材のちょっとリラックスしたセンターパンツ履いて、厚手のコート着て...っていうのがどこ見てもいるの。

E:なんだろ、おしゃれじゃなくて、おしゃれっぽく見える、かわいい感じのモテ系みたいな?

M:そう。自分が良ければそれで全然いいんだけど、そういう画一的なファッションが街に増えてる理由が自分でモノづくりするようになってはっきりわかっちゃったの。

E:というと?

M:作ってる側がそればっかりしか作らないから。

E:それが売れるからっていうこと?

M:そもそもそれを売るつもりで作ってるの。まず生地屋に行ったら同じ素材のものばっかり出してくるの。

E:あー、なるほど。

M:要は、在庫出してきてるわけよ。

E:それを売り切らないといけないわけね。

M:そう、売らなきゃいけないものを安い値段で出してて、買い付けの業者はもちろん多くて安い生地を買うわけじゃん。私も最初は、「なんだよ~、みんな同じような格好して同じもの買ってさ!」て思ってたんだけど、いや違う!って。服を作る側が同じものばかり作ってるから、受け取る側はその選択肢しかないんだなって。さらに言うと、買う側のみんながこのソサエティにずっぽりハマってることに気付いてないわけ!あー、すごい興奮してきちゃった(笑)

E:生産の時点から仕組まれているということね。なるほどね。

M:そう!誰がいけないっていうわけじゃないんだけど、一定の方向にこの流れが進んでて、さらにこの輪がどんどん大きくなってるわけ。大量生産大量生産って感じで。

180313-4-20180227_017.jpg

180313-4-20180227_021.jpg

E:「このサテンパンツが流行ります」って言われたらみんながサテンパンツを作るってことね。私たちは展示会で気づくけど、もはや色も一緒に見えるそのサテンパンツを、同じようなトルソーにスタイリングされて同じように店頭に並ぶ。一般の人は「このブランドもあそこのブランドもサテンパンツばっかり...」ってなるわけだよね。じゃあどこで買うのかっていったらそこが好きなブランドかどうかってだけ。

M:あとポイントカードね(笑)ほんとだよ!?ここのポイントカードつくからここで買おうって、あるよ(笑)

E:(笑)

M:自分のアイデンティティを守りたいんだったら、"誰に何をコントロールされてるか"っていうことを本当に見つめなおさないとダメ。アイデンティティってそういうところから生まれると思う。私最近ずっと言いたかったことが今言えてすっごい嬉しい、なんかありがとう(笑)

E;いえいえ(笑)

M:さっき「あの人カッコいい!おしゃれ!」って思える人がいないって言ったのにも繋がると思うんだけど、自分のアイデンティティっていうものが、社会の仕組みも含めて四方八方から失わざるを得なくなってる。自分が失いたくて失ってるわけじゃないのに、かわいそうだなって。

E:情報社会が一気に発展したから、今の彼らにとっては情報が"降ってくる"ことが当たり前になってるんだよね。"自分で探す"ってことを知らずに育ってきてる。うちのスタッフでも、検索すればいくらでも答えが出てくるような質問をたくさんしてくるのよ(笑)、「一回自分で調べて、わからなかったら聞こうか」って思う。

M:それはすっごくわかる。私もさ、授業で教えたりしながら思うんだけど、みんな情報があることが当たり前になってるから調べなくなってるよね。いつでも調べられるから調べない、というか(笑)

E:自分が媒体をやっていて日々思うのは"本当に伝えたいことが彼らに伝わってるのか"ってこと。今の時代、どういう風にしてあげたらきちんと伝わるのかっていつも考えてる。湯水のようにぼんぼん情報を与えるんじゃなくて、これくらいのスタンスで、これくらいの分量だったらみんな理解できるかな?とかね。

M:うんうん。大事だよね。

E:「RETOY'S」っていう媒体を見て、「実際に買いに行きたい、買えなくてもとりあえず本物を見てみたい」っていうリアルな行動を起こしてもらうために情報はあると思ってて。ファッションなんてそれこそ実際に袖を通してみないとわからないじゃない?実際のシルエットが自分に合うのかどうか、そうやって袖を通した経験の積み重ねで自分っていうものがわかっていくはず。ブランドの情報をたくさん知ってる子でも、「そこの服着たことある?」って聞いたら「ないです」って。「お店は行ったことある?」「ないです」って。それって知ってるって言っていいの?って思うな。

M:まあねー、そういうことになってくるよね。

E:買えないまでも、「着てみたい」とか思わないの?って。今は買えないかもしれない、今は自分に似合わないかもしれない。でも、私は昔雑誌で、Jil Sander(ジル・サンダー)だったかな?コートがすごくカッコよかったわけ。値段を見ると20万!え!買えない!みたいな(笑)でも「いつかこれを着れる大人になりたい」「これが似合う大人になりたい」みたいな気持ちがすごくあったな、もちろんお金のことだけじゃなくてね。

M:やっぱり私たち似てるよね。私もそういう気持ちよくわかる。

E:そういう漠然とした、「誰かになりたい」とかじゃなくて「こういう風なのが似合う大人になりたい」「これに袖を通せる自分になりたい」っていうのがあった。でも今の子たちは情報に浸かりすぎてて、触れたことないのに知ってる気になって、それで満足してる。「これはもう知ってる」って体が思っちゃってるんだよね。だから実際着るっていう体験まで辿り着かないのかな?

180313-4-20180227_012.jpg

180313-4-20180227_018.jpg

M:いい例でいうと、去年一緒に仙台にツアーに行ったじゃない?その時お店でNEHERA(ネヘラ)のトレンチコート着せてもらったじゃん。

E:うん、着たね。

M:もちろん、「綺麗だな」って感じはあったけど一見普通のトレンチコートに見えて、「何が他と違うの?」って思ってたの。でもエナさんが「袖通してみたら?」って言ってくれて、着てみたらその瞬間「うわー!きたー!」みたいな感覚(笑)「わたし今、ファッションに抱かれてる!」って言うくらい気持ちよかった。あの体験が着てみなきゃわかんないってことなんじゃないかなって思う。

E:素敵だね。

M:人から勧められたり教えてもらったりって、ちょっと面倒くさい時もあるけど、やってみたらまた新しい自分も発見できるし楽しみも増えると思うんだよ。私は、今の世の中の空気って、ファッションはファッション、音楽は音楽、スポーツはスポーツっていう風にきっちりカテゴライズされすぎてしまってることが問題だと思ってるの。例えば、面白いなと思うのは、忌野清志郎さんはそれを体現してて、音楽、スポーツ、ファッションを自分のアイデンティティとして全部やってる。しかも全部本気なのよ、だからカッコいい。

E:どの分野から彼を切り取っても全部、忌野清志郎さんなんだよね

M:そう、だからおしゃれでセンスがあるなって感じる。クレイジーなアイシャドウ塗ってすごい内容の曲を歌ってても、芯があって。それがアイデンティティだしセンスだと思うのね。何が言いたかったっていうと(笑)、さっきの話に戻っちゃうけど、エナさんが言ってくれた、例えばパンクファッション好きなのにパンクミュージックは聞いたことない、みたいな状態って、生きてて辛くない?って思うの。

E:入り口はどっちからでもいいよね。音楽からでもファッションからでも。パンクファッションっていうのが気になって取り入れてみました。そこから、パンクの音楽聞いたっていいと思う。単純にこの人がカッコいい、この人のスタイルが可愛いって自分が思ったらその人の色んな側面が気になって、その人の好きなブランド見に行って、私はこれ好きだな、これは合わないなってアナログに動くことで新しい何かが生まれていく。でも、Webだけではそこまではやっぱり難しい。私はこの世代だから、カメラもアナログから入ってようやく機材を買い揃えたくらいにデジタルの波が来たのね(笑)。周りには、お金もかかるし仕事も新しく開拓しなくちゃいけないし、可哀想な世代だなって言われた。でもそれも捉え方ひとつで全く違う側面があって。私はファッションが好きだから、ファッションを入口としてこの世界に入ってデジタルを人より少し先に見ることができてよかったなって思ってるの。

M:いいこと言ってくれるね~。

E:普通の女の子よりちょっとだけ機械に強くなってちょっとだけデジタルを早く知ったから、すんなりと何の抵抗もなくWebっていうものに入ってこられた気がする。

M:なるほどね~。

E:日本人って消耗しやすいし、されやすいなって思うんだけど、新しいものが出るとみんなわーって集まって、飽きたらポイ。それってファッションにも繋がってると思うんだよね。自分の体で、自分の感覚で体験をしないから飽きるんだと思う。私は新しいものが好きだから、何か出たらすぐ触るようにしてる。でも説明書読まないから(笑)、使えてるの一部かもしれないけど、基本は触って覚える、なんだよね。

M:でもそれは新しいもの好きというか正しい動きだよね。落合陽一さんも、説明書が読めない赤ちゃんでも使えるように作ってあるっていうことが、新しいものに必要なんだっていう風に言ってたな。

180313-4-20180227_020.jpg

180313-4-20180227_024.jpg

E:新しいものはこれからもどんどん出てきて、また無くなって、また新しいものが出てって、それを繰り返すけど、結局それを使うのもそれを産み出すのも人だからね。その人と人とのコミュニケーションが最低限ないと、何のためにそれ作ったの?なんのために便利なの?ってなっちゃう。今(サイズを測ってくれる)ボディスーツとかも出てるけど...

M:エナさんはあれについてどう思うの?それも知りたいな。

E:サイズって一つの指標ではあると思う。でもブランドによってサイズ感って違ってくるし、自分の着たいシルエットもあるよね。ジャストサイズじゃなくてトップスをゆるく着たい、みたいな。どんどん便利にしすぎることで感覚を鈍らせてるって側面もあるかも。私みたいにうるさくて(笑)意見を言う人が一部になってきちゃうと、そうじゃない人がどんどん受け身になって、コピーロボットを量産してしまう感じ。赤ちゃんがカラフルな色を見て目がキラキラ~ってなる、あの感覚を削いでる気がして...。私くらいの世代の人だと一周回って「何着ていいかわかんない...」みたいな人もいるし。

M:あー、そういうのも流行ってるよね(笑)

E:体型も顔も似合う色も変わってくるけど、なんでも楽しめばいい。年を取ると派手な色が着たくなるのもわかる。服からパワーをもらってる感じ。

M:パワー的なもの、あるよね。今やってる染めの技術もそうなんだけど、分子の世界なんだって。生姜で染めたシャツを着て寝ると温まったり、効果があるらしくて。

E:それ絶対あると思う。人間って気持ちが感覚になって影響しあってるから。ハーブやアロマが流行って、パワーや癒しっていう部分にみんなすごく反応するけど、ファッションにはその気持ちがあんまり行ってないなーって感じる。「服は着なくても死にはしない」って私よく言うんだけど、それでも「私にとっては必要なもの」。武装する時とか(笑)

M:私もある!例えばこのジャケットね、最近自分で会社やってるからビビっちゃって買い物を少しやめてたの(笑)でもこのジャケット買った理由が、「次の日の打ち合わせに着ていきたかったから」なんだよね。勝負下着じゃないけど、勝負服。この服を着てバシッと決めたら大人たちの前でもちゃんとできる気がするっていう鎧。このアイテムを着るから強くなれるって思うの。

E:自分にとって必要なものってわかるんだよ。欲しくてしょうがなくて着てみたら「あら、ぴったり!」みたいな(笑)

M:わかる~!思ってた以上に似合っちゃったりしてね(笑)

E:好きで積み上げて繰り返してきたものがあるから、今の自分に似合うものが見つけられる。去年のシーズンですごく気に入ってても、今年着てみたら「なんか違うな」っていうのもあるし。着て失敗して、着てテンションあがって、っていうアナログなことの繰り返しだね。

M:確かに。

E:デジタルって自分の生活の中に取り入れていくものであって、デジタルに染まる必要はないの。"自分がどう見えてるか"は人から感じるものじゃなくて、本当は"自分がどう見えたいか"だよね。さっきのマリエちゃんみたいに「今日は頑張りたいからこれ着る!」っていうのも、ただ服を買うっていうことだけじゃないと思う。ファッションって難しいことじゃない、どれを着ればテンションが上がるか、ってそんな単純なことだと思う。

M:うん、そうだね。

180313-4-20180227_022.jpg

180313-4-20180227_019.jpg

E:デザイナーが自分の服を"どういう意図で作ったか""どういう風に着てほしいか"っていうのはもちろんあると思うの。でも、それを体現して伝えるのが私たちエディターだったりインフルエンサーだよね。そのツールとしてデジタルがあるだけ。

M:面白い話があるんだけど(笑)、私のインスタのフォロワー数どんどん減っていってるんだよね。これマジで!(笑)

E:(笑)

M:あんまり聞かないでしょ?活動の範囲は広がってるのにフォロワーは徐々に減っていってるの。私って癖強いのかも(笑)。私のインスタはある意味すごく精査されてきていて。

E:みんなに好かれるっていうのは難しいよ。何百万人フォロワー数がいてっていう立場になったら、逆に何をアップしていいかわからなくなっちゃうかも(笑)私がいいと思うものに興味を持ってくれる人に届けないと、結果、服も売れないと思うしね。

M:確かに確かに(笑)

E:買う人に届かないと意味ないもんね。興味ない人に届いても売れないんだから、どこに向けて発信したいのか?っていうのが大事。

M:私が自分のブランドを起ち上げる時、ちょうど東コレのアンバサダーをしている時期だったのね。勉強も兼ねて色んなブランドを見て価格帯をチェックしてたんだけど、「え!高っ!」って思った。こう言っちゃなんだけど、無名の、駆け出しの日本のブランドの価格はやっぱり高い!!もちろん、私のこのブランドのTシャツも高いと思うよ。でも私がラッキーだったのは「マリエちゃんが作ってるTシャツだ」っていう付加価値だけで見てくれる人もいるのね、ありがたいことに。いい生地使ってるからって知らないお客様も正直多い。マリエちゃんが作ったからって買ってくれるのもすごく嬉しい。実際着てみたらいいものだってわかってもらえるという自信もあるし。

E:それくらいの値段つけないとやっていけないんだと思う。ある人に、「東コレでショーやってるブランドって、東コレの時しか名前を聞かない」って言われたことあるな。日本にももっと面白いブランドはあるんだけど、そういう人達はショーはやらないで海外でバイヤー向けの展示会をやったりしてるもんね。なんでそういう人たちにショーをやらせてあげないんだろう?セレクトする人の見る目に疑問を感じるし、お金の使い方間違ってるな〜って。古い体制が出来上がっちゃってるんだな。

M:うんうん。

E:海外のコレクションに行って、あのど派手なファッションのお祭り感を味わっちゃうと、東コレは疲れてる感じしちゃうな。東コレにはカメラマンとしても、撮りたい、声をかけたい人が少ない。海外だと会場でテンションあがるんだけどそうはなれない自分がいる。服で無理やりテンションあげていくみたいな(笑)みんなショーを見に来るんだからもうちょっとファッション頑張ればいいのにな。

M:「I've never seen anyone like them in N.Y.!」て感じ。ニーマン・マーカスの社長もメイシーズのバイヤーのトップとも挨拶したことあるけど、みんなめちゃくちゃオシャレなの。

180313-4-20180227_008.jpg

E:そうだよね~。わかる!あ、そろそろ時間みたい!

M:え、早い!私たち、喋ると止まらないね(笑)

E:じゃあそろそろまとめに入ろうかな(笑)ファッションを楽しむ方法って人それぞれたくさんあるから、これから色んな人を招いて、話して、読んでくれた人がもっとファッションに興味を持ってくれたらいいなって思ってる。デジタルの中からアナログな何かを生んでいきたい。私はマリエちゃん自身がそれを体現できる人だと思ってるんだよね。

M:いえいえそんな、私ももっと学ばないといけないんですが...。

E:最初は誕生日一緒なんだよね、くらいの親近感だったけど(笑)

M:そうだったね(笑)、でもあと3時間できるよ、このトーク。しかも私たち真剣だからね!(笑)私はね、もっとみんなに人生を楽にしてほしい。自分の好きなことに没頭することが自分の人生を豊かにするって信じてるから。ファッションじゃなくても、読書でも音楽でもプログラミングでも、何でもいい。それってすごく自分の心に栄養を与えてくれて、人格やセンスに現れてくると思うの。そういうことに気付いてほしいから、私たちの話の用語がファッション用語でも、これは自分にとってはどういう意味なんだろう?って思って聞いていてほしいな。

E:すっごくわかるな。

M:超楽しいね(笑)久しぶりにこんな真剣な話を二人でできたし。

E:NYC行った時も延々こんな感じだったね、私たち。ファッションが好きだし、楽しいから、その感情をもっと持って色んなものをみんなに体現したいな。

M:素敵です。

E:若いうちはそんな考えすぎないで、変わるから(笑)

M:時代も状況も変わるからね。iPhoneみたいにアップグレートしていけばいいんだよ。

E:変わることが悪いことでは全然ないしね。

M:このコーナー月1でやろう、いいストレス発散にもなるわ(笑)

E:とりあえずまた二人で喋ろっか(笑)次回もお楽しみに~!

180313-4-20180227_009.jpg

PHOTO / Nobuko BaBa
TEXT / Marina Tsutada
SHOP / GOOD LIFE FACTORY

180313-4-20180227_013.jpg

180313-4-20180227_015.jpg

カスタムサラダとヘルシーボウルのお店。話題のスーパーフードもチョップドサラダも、頑張って挑戦してみたけれど、なかなか続かない。どうして? 毎日の食事で野菜をたくさん摂りたい。でもおいしくないと続けられないし、続けなければ健康になれない。そう、おいしくなければ、ヘルシーじゃない...!そんな思いから、毎日食べたくなる、本当においしいサラダ屋さんを始めたという、グッドライフファクトリー。40年以上に渡る多様なレストラン運営の粋を集めた、ヘルシーなだけじゃない、本当においしい一皿を提供している。/ サラダ ¥980~¥1820 , ドリンク ¥250~¥950

180313-4-20180313_025.jpg

■GOOD LIFE FACTORY
東京都港区南青山7-11-4 H.T南青山ビルディングⅢ1階
TEL 03-6805-0240
OPEN 11:00~22:00(ラストオーダー 21:00) 年中無休
goodlifefactory.jp

最新の関連記事

おすすめ記事

Realtime

現在の人気記事

    Ranking Top 10

    アクセスランキング