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東京の新鋭シェフらによる食のイベント「CONCENT」とは?

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CONCENTはカテゴリーを持たないクリエイティブな「食」のイベント。ここに参加する「食」のプロたちは、食べたことのない、見たことのない、聞いたことのない、次世代の「食」の楽しみ方を探求している。

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各都市のストリートで「食」のコレクティブたちが注目を集めている。ハイソサエティに属した一部の美食家たちだけが"オート・キュイジーヌ(高級料理)"を愉しんでいた時代はとうの昔。「食」の嗜み方はすでに覆りつつある。

ここ東京でもそうした流れを感じることができる「食」イベントが開催された。集まったのは、イタリアやフランスのミシュラン星レストランで修行を積んだ若きシェフ3人、鮨職人、そしてソムリエとバリスタ。豊かな食文化をもつ東京だからこそできる、次世代型の「食」イベント〈CONCENT〉第一弾に潜入。

東京で注目のシェフたちが集まるということで、ディナーが始まる前から会場となったFRATELLI PARADISOは熱気に包まれていた。kiki Harajuku・野田雄紀の料理で始まり、Don Bravo・平雅一Gris・鳥羽周作(*)、まもなく独立する鮨職人・遠藤記史が手がけた皿が続き、それぞれの料理には個性的なソムリエたちがドリンクを添えてくれる。4人のシェフと3人のソムリエとバリスタが結集したこのディナーは、食のカテゴリー概念を壊し、音楽やファッション、様々なモノやコトからのインスピレーションがうかがえる。

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左から、鮨職人 遠藤記史とGris 鳥羽周作


最新の「食」を知っている人は最新の「音」も知っているのだろうか? このイベントのラウンジでは、WONKの長塚健斗jan and naomiMaika LoubtéKotsu(CYK)ら、東京の音楽シーンで注目されているアーティストたちが音を奏でていた。カルチャーが重なり合う様は、ジャンルに拘らず料理の魅力を生み出そうとしているシェフやソムリエの姿勢とも呼応しているかのようでもある。

CONCENTさん(@concent_tokyo)がシェアした投稿 - 2018年 4月月21日午前9時33分PDT

CONCENTさん(@concent_tokyo)がシェアした投稿 - 2018年 4月月21日午前9時07分PDT

メニューも工夫が凝らされている。読めないような文字はなく、それぞれの料理のメインとなる素材名が"ものすごい鯖" "ビーツ" "梅"と紙に添えてあるだけだ。あとは料理が出てきてからのお楽しみ。こうして私たちの想像力は掻き立てられていく。

CONCENTさん(@concent_tokyo)がシェアした投稿 - 2018年 4月月21日午後11時44分PDT

「こんなの初めて食べました」と伝えると、「そうでないと困ります」と、鮨職人・遠藤。Gris・鳥羽が火入れした「鳩」を鮨として握った。他のフードシーンから切り離されがちな鮨の印象を、次世代たちは技のコラボレーションを用いて鮨の可能性を広げていく。

CONCENTさん(@concent_tokyo)がシェアした投稿 - 2018年 4月月21日午前8時49分PDT

トランスペアレント??が効いている一品は「食」にも欠かせないようだ。今世界のファッションウィークでも幅を利かせているトランスペアレントなPVCアイテム???。着こなせるのは上級者のみ?と思いきや、CONCENTのシェフたちは難なく取り入れたようだ。料理でもトレンドを表現したというkiki harajuku・野田は、「苺・桜・トマト水」のテリーヌで素材のカラーを活かした透明な一品を提供し、Don Bravoの平は千葉県の懐石料理・一山いけすの蛤を使った料理を "生産者の顔が透けて見える皿" = "トランスペアレント"と解釈した。

CONCENTさん(@concent_tokyo)がシェアした投稿 - 2018年 4月月21日午後11時34分PDT

食事の際は料理に合うワインを選びたいと思うが、それをコースの一皿一皿でやってしまおうというのが、ここ数年で定着してきたドリンクペアリングというスタイル。このイベントのソムリエには、フラテリパラディソのソン・ユガンLA BONNE TABLE戸澤祐耶、そしてJOE'SMAN2号高崎丈という、東京屈指の若手ソムリエ陣がイベントに参加した。蛤のパスタに添えられたのは、戸澤が数日間かけて仕込んだという濾過した大根に昆布のエキスを加えたドリンク。料理もドリンクもそれ自体で満足できる味なのに、合わさると口のなかで何重にも味わいが広がるのが、ペアリングの醍醐味ともいえる。

CONCENTさん(@concent_tokyo)がシェアした投稿 - 2018年 4月月21日午前9時38分PDT

そして、食後のコーヒーはいつもと違う温度でワイングラスに注がれた。Onibus Coffeeのバリスタ・坂尾篤史が「コースとの一体感が感じられるように」と柑橘類やフルーティな甘さが感じられることで人気のある豆エチオピアチェレレクツをセレクトしたという。間口の広いカップに比べてフルーティな香りはよりダイレクトに届く。少しぬるめの温度で提供された、ワイングラスでコーヒーを飲む新鮮さと、この豆の持つデザート感がより際立つようなパフォーマンスだった。

CONCENTさん(@concent_tokyo)がシェアした投稿 - 2018年 4月月22日午前1時02分PDT

「Supremeを着てスケボーしてる子がさらりと入って彼女と待ち合わせするような場所になればいいよね」と話すのはGrisの鳥羽。彼をはじめ、ほかシェフたちも音楽やファッションのように「食」を楽しんでほしいのだ。カルチャー好きの若者たちが、延長として「食」にも興味を持ってくれたらと話す。料理と他分野の融合はこれからも加速するだろう。先日もニューヨーク・ブロンクス発のシェフ集団・Ghetto Gastroが、東京ファッションウィークでAMBUSHの初ランウェイを祝してスペシャルディナーを披露したことも話題になった。

(*)鳥羽周作が率いる『Gris(グリ)』は5月20日を持ってクローズし、新たに『Sio(シオ)』として7月にリニューアルオープンする予定。料理の改革だけにとどまらず、料理人としての働き方にも追求すべく、飲食業界に旋風を巻き起す。

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(前列 左から)ONIBUS COFFEE・坂尾篤史、Gris・鳥羽周作、kiki harajuku・野田雄紀、Don Bravo・平雅一(後列 左から)LA BONNE TABLE・戸澤祐耶、Joe's Man 2号・高崎丈、FRATELLI PARADISO・ソン・ユガン、鮨職人・遠藤記史

CONCENTさん(@concent_tokyo)がシェアした投稿 - 2018年 4月月21日午後7時12分PDT