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眉毛の文化史

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Image by: Image via Christina Aguilera, Dirrty video.

英『Vogue』の表紙を飾ったあのリアーナを見たら、すべてを見直さずにいられなくなる。

By Annie Lord

 

歴史上、さまざまなかたちへと変化を遂げた眉毛。古代ギリシャの一本眉は、もっとも知的で誰もがあこがれる女性だけに許された美の特権だった。そんな眉を持ち合わせていない裕福な女性は、そのように眉を塗りこんだのだったのだ。中世においては、おでこがもっとも重要な場所であったため、女性たちはまつ毛と眉毛を抜いておでこを際立たせたという。

カーラ・デルヴィーニュの官能的なアーチを模すために何年も眉を太くしようとしてきたリアーナは、イギリス版『Vogue』9月号の表紙に90年代ふうの抜きすぎ細眉で登場し、皆を驚嘆させた。彼女を真似て、かろうじて判別できるくらいの細さの眉を目指して、自分の眉毛にワックスを塗ろうとしているあなた。その前に、今こそ眉毛の文化史を知ることが大切だ。さもなければ、のちのち後悔の念に苛まれることになるかもしれない。

badgalririさん(@badgalriri)がシェアした投稿 - 2018年 7月月31日午前8時52分PDT

1920年代
ヴィクトリア朝において、化粧は"夜のレディたち"や労働者階級の者だけのものだった。しかし1920年代には、無声映画のスターたちもまた化粧をするようになる。メイベリンのようなブランドが大衆向けの商品を大量生産するようになり、一般の女性たちがクララ・ボウやマレーネ・ディートリッヒといった無声映画の女王たちを真似ることができるようになった。眉のかたちは、かなりの量を抜き、ドラマチックで憂いあるように見せるため、ペンシルで描いた細いラインをこめかみまで伸ばすというもの。モノクロの銀幕で引き立つスタイルだ。

1930年代
女性たちは細眉スタイルを継承。しかしラインはやや角度あるものに。高い位置で丸みを帯び、下へ向かうものが好まれた。ハリウッドのメイクアップアーティスト、マックス・ファクターがグレタ・ガルボの眉を剃り落としてペンシルで描きなおした、そのはっきりとした三日月型はこの年代を象徴するスタイルになった。ガルボは抜け目のないセクシーさで知られている。眉を消し去ることで、彼女はその輪郭をすべてあらわに、演技のためにまっさらな状態をつくり出したのだ。非常に微妙な感情の変化を映し出すマスクとして、ガルボはその顔を使っていた。ロラン・バルトが彼女の「オブジェとしての顔」についてまとめたエッセイには「そこにはマスクよりも鋭い何かがある......小鼻のカーブと眉毛のアーチのあいだに」と書かれている。

1940年代
メイクの焦点が赤いリップと黒のアイライナーになった40年代には、よりソフトでナチュラルな眉に人気が集まったようだ。女性たちが憧れ、インスピレーションを得た映画スターは、キャサリン・ヘップバーンやグレース・ケリー、ローレン・バコール。バコールによって強く、際立った弧を描く眉が流行となり、彼女は眉毛を抜かないことを推奨し、もしくは自らもそのスタイルに磨きをかけたのだった。2011年に彼女はこう説明している。「ハワード(・ホークス)は、太い眉と曲がった歯があったから、私を選んだの。だからそのままにしたのよ」。

Lauren Bacallさん(@welovelaurenbacall)がシェアした投稿 - 2017年 3月月30日午前8時29分PDT

1950年代
1950年代のファッションを定義づけるのはDiorのニュールック。フランスのオートクチュール文化が戦後にその息を吹き返したのである。大きなスカートとススメバチのようにくびれたウエストラインからなるその新しいグラマラスなルックが必要としたのは、パウダリーなファンデーションに品の良いリップ、そして仕上げに40年代よりはっきりとした強い眉で構成されるフルメイクだった。この時代のハリウッドスターは、エリザベス・テイラー、マリリン・モンローにオードリー・ヘップバーン。全員が慎重にペンシルをいれた、豊かで、美しくかたち作られた眉毛をしていたのだ。生産技術の向上によって経済が急成長したこの時代。眉も例外ではなかった。

1960年代
60年代、眉毛はその座を真っ黒なまつ毛に譲っていたので、特に目立ったスタイルはひとつもない。この時代にもっとも有名な眉をしていたのは、ソフィア・ローレン。目に近すぎるほど下にカーブしたその自然な眉が、彼女を物悲しく見せていたのかもしれない。だから彼女は眉毛を剃り落とし、細かく正確な線で1本1本毛を描くようになる。

1970年代
ディスコの時代が20〜30年代の超細眉を復活させた。銀幕の女王パム・グリアもそうだったように、その非常に派手で作り込まれたスタイルには、虹色のまぶたに明るいピンクのリップも含まれる。そしてまたヒッピームーヴメントは、ボサボサで毛深いメイクスタイルを好んだ。アリ・マッグローやローレン・ハットンの奔放な眉にそれが見て取れるだろう。

Isabel Costaさん(@isabelfutre)がシェアした投稿 - 2018年 4月月1日午後1時12分PDT

martinさん(@biggrogg007)がシェアした投稿 - 2018年 8月月1日午前8時53分PDT

1980年代
80年代はやり過ぎの時代だ。誰もが肩パッドや足首を痛めるプラットフォームシューズを身につけ、その頬には明るいピンクのチークを入れ、髪は後ろにとかしつけて大きく膨らませていた。その後にはヘアスプレーの香りが残ったものだ。何もかもがヘビーでなければならなかったこの時代、眉も例外ではなかった。お手本はブルック・シールズ。彼女はその眉にナチュラルな角度をつけ、パウダーでボリュームアップしていた。一方、マドンナはその眉を柔らかなダークにし、プラチナブロンドヘアとのミスマッチ感を出していたのである。

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