Fumitoshi Goto

ウォルマートが「スパーク・デリバリー」開始

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

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■生鮮品などの食料品の宅配サービスを100ヵ所の都市に拡大中のウォルマートは5日、宅配物流プラットフォーム「スパーク・デリバリー(Spark Delivery)」を開始したことを発表した。ドアダッシュやポストメイトなどと提携している当日宅配でウォルマートは、クラウドソーシングをベースにした自社宅配も手掛けることになる。

スパーク・デリバリーは、特定多数の人に業務を委託する雇用形態「クラウドソーシング(crowdsourcing)」で宅配ドライバーを募り、採用されたドライバーは自分の自家用車を使い、都合に応じて勤務時間をリクエストして宅配業務にあたる。

スパーク・デリバリーではドライバーの募集や審査、採用、給与支払い等を宅配専用の人事コンサルタント企業のデリバリー・ドライバーズ(Delivery Drivers Inc)が提携して行い、宅配時のリアルタイム・トラッキングやモニタリング、マネジメントはデリバリーロジスティクス企業のブリング(Bringg)が協力するという。

ウォルマートの宅配サービスは、カーブサイド・ピックアップ・サービスの「ウォルマート・グローサリー(Walmart Grocery)」を利用して行う。カーブサイド・ピックアップは利用者がネットで注文した商品を指定されている店舗駐車場にて店のスタッフから受け取るサービス。通常、利用者は車から降りる必要はなく、注文品はスタッフがトランクに積んでくれる。

ウォルマートの宅配サービスは、カーブサイド・ピックアップ用スタッフのパーソナル・ショッパー(店内で商品をピッキングする専用スタッフ、ピッカー)が商品をピックアップし、宅配はドアダッシュやポストメイト、デリブのドライバーに注文品を渡して宅配する。ウォルマートの宅配サービスの利用では30ドル以上の注文が必要。手数料は9.95ドルとなっている。

ウォルマートは宅配プラットフォームを有することで、ラストワンマイルをより管理できることになるのだ。スパーク・デリバリーは現在、ナッシュビルとニューオーリンズでテスト展開を行っており、順次拡大していくとしている。ウォルマートは今後もドアダッシュやポストメイトと提携した宅配も拡大するとしている。宅配サービスで対象となる商品はウォルマート・グローサリーと同様にマークアップはない。

ウォルマートによるとウォルマート・グローサリーは1,800店で導入されており、年内までに2,200店での展開を目指している。また当初1.8万人としていたパーソナル・ショッパーも2.5万人を目標に増員される。宅配サービスはアトランタやシカゴ、デンバー、マイアミ、シアトルなど50都市で展開している。

トップ画像:ウォルマート・サンノゼ店の宅配サービス専用トラック。ウォルマートは宅配物流プラットフォーム「スパーク・デリバリー(Spark Delivery)」でラストワンマイルに再挑戦となる。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。ウォルマートが宅配プラットフォーム「スパーク・デリバリー(Spark Delivery)」を開始した理由は長期的に見て、ドアダッシュなどとの提携ではラストワンマイル(物流拠点から個人宅までの最終区間)を効率的にマネジメントできないからです。宅配サービスでウォルマートはいつ、誰に、何が、どれだけ売れたかが把握できます。カーブサイド・ピックアップ・サービスでドアダッシュなど提携する企業のドライバーに注文品を渡した後は、どのように宅配されたのかがブラックボックスです。どのようなルーティング(経路)でどの程度の時間やスピードで宅配されたかが分からないのです。注文件数が複数になればさらに把握しにくくなります。宅配をいつまでも宅配事業の提携先に頼っていては荷物量の急増や再配達の増加、さらに何かしらの不正・事故・トラブルが生じても根本的・包括的な解決が難しくなります。つまりラストワンマイルで変革が出来なくなるのです。
ウォルマートはサンノゼ店等で自社トラックを使った宅配サービスを行っていました。宅配物流プラットフォームという形でラストワンマイルに再挑戦といえますね。

後藤文俊

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